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=================================食品安全教育研究所発行=

■■ 細菌数で問題が出たとき確認する事 1
■■■                  2018年4月15日発行 
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 細菌数で問題が出たとき確認する事 1
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理屈理論が大切

 缶詰、レトルト殺菌のように細菌を完全に死滅した商品を除け
ば食品は必ず細菌により腐敗してしまいます。滅菌を行っていな
い食品を賞味期限まで日持ちさせるためには、商品を日持ちさせ
るための理論理屈が必要なのです。
 昔ながらの梅干しは、梅を漬けるときに塩を20%配合し、梅干
しを漬けていました。
 昔ながらの梅干しは、かびることなく、室温で管理をする事が
できました。食品を保存できる理屈は、なぜ「塩を20%使用する
と室温でかびなどが生えないか」が科学的に説明出来ないとなら
ないのです。
 カステラなどのお菓子類でも賞味期限まで日持ちする理論理屈
が必要になります。
 理論理屈があり、理屈をまず工程表に落とし込み、工程表通り
製造する事が大切なのです。食品がなぜ日持ちするかの理由がわ
からない開発の方が、塩分を落として薄味で設計し、食感を良く
するために殺菌時間、温度などを変更してしまうと、賞味期限前
に問題を起こしてしまう結果となるのです。
 現状の細菌検査的に問題無い商品を、時代に合わせるために、
薄味に改良して新商品開発を行うときには、「なぜ日持ちをする
か」の理論理屈を理解して、開発する事が必要なのです。
 現状の商品の賞味期限を延長するときにも、延長できる理屈が
説明出来る方が設計し、設計した商品が設計通り出来ている事を
確認するために、細菌検査を行うのです。
 商品を試作し、細菌検査結果が賞味期限まで問題無かったから
と言って安易に新商品を発売すべきでは無いのです。
 特に包装後の二次殺菌、レトルト殺菌を行わない商品について
は、包装室がたまたま綺麗で二次汚染が無かった時に、日持ちし
てしまったのかもしれません。包装室で起こりうる危害を充分に
考え、商品を設計すべきなのです。
 包装室の吸気フイルターを交換し、包装室のエアコンのフィン
を洗浄したばかりの時と、ある一定時間経った後では、包装室の
衛生度が変化してしまいます。包装室の衛生度をどの程度で初発
菌の汚染度の設計を行ったが工程異常があった時に大切になりま
す。
 商品の開発時の設計図には工程内の菌数の設計値が必要になる
のです。
 食品が日持ちするには理論理屈が必要なのです。特に昔から経
験則で造られて来た商品の塩分を下げ、殺菌温度を変更するとき
には充分な理論を検証してから変更する必要があるのです。
 包装後二次殺菌を行う商品であっても、一次加熱後、二次殺菌
前の段階で菌数が増えすぎてしまうと、二次殺菌の熱量で菌が死
滅しない可能性があります。
 二次殺菌前の菌数の基準を設定しておく事が必要です。特に二
次殺菌の加熱量で死滅しない菌が混入してしまうと殺菌後に問題
が発生する事になります。
 一次加熱後、殺菌後、包装前に使用する生産設備は、作業時間
が経つにつれ細菌が繁殖してきます。加熱後の商品に使用する生
産設備は、中間洗浄殺菌の頻度と方法について理屈を持って決め
て置く事が必要です。

原料検査も必要

 カステラで考えて見ます。カステラの配合は鶏卵、砂糖、薄力
粉です。水を加えて、30分程度焼くことでカステラができあがり
ます。
 カステラを焼いて直ぐに食べるときには問題が無くても、包装
し、賞味期限を30日つけるためには、なぜ30日間日持ちするかの
理屈が必要になるのです。
 原料に潜んでいる菌はどの程度まで設定するかは、設計時に定
めて置く必要があります。特に鶏卵については、通常の加熱温度
では死滅しない耐熱菌がいる場合があります。
 家庭では殻を割って卵を使用しますが、食品工場では、液卵を
使用します。使用する液卵の入荷時の菌数、特に耐熱菌の菌数を
原料規格書で設定し、出荷時の細菌検査結果を添付して貰うこと
で細菌数の確認を行う事が出来ます。
 原料として使用する材料の菌数の条件を設定する必要がありま
す。
 食品工場で原料として使用している液卵の菌数が高い時には、
液卵工場の監査が必要です。
 液卵工場の監査のポイントは卵の状態を確認する必要がありま
す。卵は、殻がキチンとついている卵を使用しているかどうかの
確認が必要です。私が見た割卵工場では、鶏糞がべったりついて
いるままの卵、殻がついておらず薄膜だけのたまご、すでに割れ
て中身が見えている卵を使用して液卵を製造していました。液卵
に使用する卵の内容をあらかじめ決めて置くことが必要です。
 カット野菜工場で使用する野菜も、野菜の鮮度などの条件を細
かく事前に決めて置かないと細菌数を制御する事は出来ないので
す。

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
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