=================================食品安全教育研究所発行=

■■ 食品工場の作業着について 2
■■■                  2018年4月22日発行 
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おはようございます。河岸です。
 新人教育の中で作業着、作業靴などの管理の教育を行っていますか。
 すり減った作業靴では転倒などの労災の可能性が出てきます。

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食品工場の作業着について 2
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作業着は何処で洗うか

 「作業着の洗濯は何処で行っていますか」
 この質問を行うと、ほとんどの方が「従業員の家庭で
行っています」と答えると思います。
 もちろん家庭での洗濯でも次の点を守っていれば問題
はないと思います。

1専用の洗濯機であること
2洗剤は香りの無い洗剤を使用すること
3洗う水は新しい水を使用すること
4乾燥は専用の乾燥機で行うこと
5アイロンをかけている事
6作業着をたたむときは専用の敷物を引いてその上で行うこと
7作業着を入れる袋も専用で洗濯前と洗濯後を分ける事

 以上の7点を守ることが出来れば、従業員の家庭で洗
濯しても問題はありません。
 但し私がお話している条件を守ることは、ほとんど不
可能だと思います。
 従業員の方の家庭では、下着を洗っている普通の洗濯
機で洗って、外に干していると思います。
 洗濯物を干しているそばには犬小屋があり、犬が気持
ちよさそうに寝そべっているかもしれません。
 作業着は専用の洗濯をする必要があります。
 洗濯を業者に任せている工場もあると思いますが、洗
濯をしている現場の確認が必要です。
 点検のポイントは、専用の洗濯機であるかどうか、他
の洗濯物と一緒に洗っていないか、最後にアイロンがか
かっているかがポイントになります。
 特に最後のアイロン工程は、生物的危害防止上不可欠
な工程になります。
 洗濯が終わって届けられてきた作業着を細菌検査して
みると色々な結果がわかると思います。
 細菌検査方法は、洗濯後の作業着に滅菌水をかけて絞
って、絞り汁を検査することで容易に行うことができま
す。
 作業着には、帽子、前掛けなどが含まれます。帽子は
毎日洗濯していない工場もありますが、作業着は毎日洗
濯したものを身に着けることが大切なことです。

 

作業着は消耗品

 「作業着の交換頻度を教えてください」
 「破けるまでです。破けたら現物交換をします」
 工場で交換頻度を質問するとこう答える方がいます。
 ワイシャツでも何度も洗濯をしていると、体の触れ
る部分、特にネクタイをして首と擦れる部分の繊維が
ほつれてきます。
 ほつれてしまったワイシャツを着ている方は少ない
と思います。
 あなたが着ている作業着、あなたの工場の作業着を
確認してください。
 手で触れて見てください。繊維が毛羽立っていませ
んか。
 作業着の表面の繊維が毛羽立っていると毛羽立ちに
毛髪がひっかかって下まで落ちることなく、製品に異
物混入する可能性があります。作業着は何回洗濯した
ら交換するか決めておく必要があります。

 

作業着は誰ものか

 作業着、エプロンなどは従業員、個人個人専用にし
ている工場が多いと思います。
 週に一度しか働かないアルバイトも専用のロッカー
が有って作業着、エプロンが専用の工場が多いと思い
ます。
 洗濯の問題、通勤着と作業着を同じロッカーに入れ
てはいけない事を考えると、作業着は、洗濯後のもの
をサイズ別に保管して、毎日会社で洗濯したものを誰
でも着るように管理することが、一番管理が容易だと
思います。
 「誰が着たか判らない作業着を着るのはいやだ」と
声がでるかもしれませんが、旅館に泊まった時の浴衣、
ホテルのバスローブなどを例に挙げれば従業員の理解
を得ることに問題はないと思います。

 

作業靴は専用の洗い場を設置

 作業着は洗濯がしてあれば、誰が着た作業着でも問
題は無いと思います。
 しかし、作業靴は、やはり誰でも履くルールにする
と抵抗があると思います。
 作業靴は長靴、短靴がありますが、どちらの靴も使
用後は毎日洗うことが重要です。
 靴を何処で洗うことが出来るか確認してみてくださ
い。何処で、どんな洗剤を使用して、どんなブラシで
洗うことができますか。
 洗った後の靴を干すことができますか。
 長靴を洗うときに長靴を履いたままでは靴底を洗う
ことはできません。短靴でも靴の裏を洗うときには靴
を脱いで洗う必要があります。
 靴を洗う場所は、作業場から出て靴を脱いで、下駄
箱に入れるまでの間に靴を洗う専用の流し場がいるこ
とになります。
 長靴の中に材料などが入ってしまって長靴の中を洗
いたいとしまいます。
 長靴の中を何とか洗ったとしても干す場所はありま
すか。私も若いころ現場で長靴を履いていました。
 私が働いていた工場は現場事務所でも長靴のままで
したので一日中長靴を履いていました。
 当時は長靴の中を洗うことなどしませんでしたから、
水虫になってしまいました。長靴の中を洗って干せる
場所が必要になります。

 

作業着のことを本気で考える事が必要

 毛髪混入クレームが出ると、入場前のローラーがけ
の充実、作業中のローラーがけを第三者で行います。
 などと言った対策が良く考えられますが、まったく
改善されない場合があります。
 異物混入が多い工場などは、今回のお話の作業着の
ことを真剣に考えてみると改善が出来るかもしれませ
ん。
 従業員の事を考えると、毎日綺麗な作業着で気持ち
よく働きたいものです。
 アルバイトが一週間前に着た、汚れている作業着を
着て、「今日もがんばろう」とは思わないと思います。

服装規定を決める

 服装規定は従業員、仕入れ業者、見学者に関して決
める必要があります。
 従業員のみ服装規定がしっかり出来ていて、工場見
学者がスーツのまま外から履いて来た靴のまま工場見
学を行っているケースもあります。
 従業員の作業着の中に着る下着などが毛糸で出来て
いて毛糸が製品に混入する可能性もあるので毛羽立っ
た下着などは着ない様にする規定が必要になります。

 

従業員の作業着を考える事が毛髪混入防止の第一歩です。

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
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