●私、#河岸宏和　の最新刊が発売されました。
「食品工場の点検と監査(改訂版) (ビジュアル図解」
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　樽からの水漏れを発見すること
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ドベネックの要素樽

　樽の胴板を「部門ごとの管理状態」と考え
ると樽に貯められる水の量は、樽を構成する
胴板が最も低いところで決まります。管理で
きていない部門が一つでもあれば、そこから
水が漏れていきます。
　水漏れ箇所（＝管理が十分にできていない
部署）があれば、十分な水を貯められなくな
ります。
　いかにして問題の箇所を修理するか考える
必要があります。どの胴板の高さが低いのを
考えるのであれば、4M（machine、material、
man、method）の考え方を使うことも有効で
す。“タガ”が緩んでいても、水は貯まりま
せん。
　タガは工場長の管理状況になります。
箍（たが）とは桶の胴板周囲にはめ、樽の胴
が分解しないように押さえつけてある、金や
竹で作った輪のことをいいます。
「箍が外れる」とは、「規律や束縛から逃れ
てしまりをなくす」ことを意味します。

●「緊箍児」をしめる呪文
　樽を思い浮かべてみてください。せっかく
溜まった水が樽の箍をはずしてしまうと、水
を桶にいくら注いでも、水が溜まることはあ
りません。
　樽の中の一部にいると、会社としての箍が
外れているかどうかはまったくわからない場
合があります。
　責任者の乗っている車は新車で磨きこまれ
ていても、生産設備はペンキがはがれてペン
キ片が製品に混入している工場はたくさん私
も見てきました。
　人間は誰からも監視されないと、楽な方に
流れてしまいがちです。
　しかし、楽な道を歩いてしまった時に経営
者の頭にはまっている孫悟空の頭の輪；「緊
箍児」がキュとしまれば、責任者も産地偽装、
賞味期限のすぎた原料を使用することなどは
行わないと思うのです。
　理想的な工場は、働いている従業員の方が、
自分の工場だと思い、偽装などを指示されて
も、呪文を唱えて、箍を締める行為を行うの
が理想的な工場だと思っています。

チェックのポイント
１　製造責任者自らが製造現場の点検を行っているか
２　従業員が水漏れに気がついた時に報告する仕組みがあるか
３　従業員の水漏れ報告を適切に処理しているか

　
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。