=================================食品安全教育研究所発行=
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■■ 人由来の異物を防ぐために
■■■                  2019年10月19日発行 
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おはようございます。河岸です。
 人毛などの異物が製品に入ったときに、作業者だけの
性にしていませんか。組織として改善できることを放置
していませんか。



●食品工場診断について
 車に車検制度、人間に定期健康診断制度があり、大きな事故、
病気になることを未然に防いでいます。
あなたの工場、従業員の管理状況の健康状態を検査してみませんか。
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 #河岸宏和 #食品安全教育研究所



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 人由来の異物を防ぐために
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経営者の考えが一番出るところ

 食品工場で人由来の異物にたいする考え方は、経営者の品質に
対する考え方が一番明確に出る項目です。
 作業場に入場するときに多くの食品工場ではコロコロローラー
を掛けて、毛髪などの異物を作業着から取り除きます。ローラー
を掛けてエアーシャワーを通過してから、タイムカードを打刻さ
せている工場がありますが、異物除去する工程は、本来作業時間
に含まれるべきなのです。
 異物除去の時間を作業時間に含むことなく、異物混入したとき
に作業者の責任にする工場は異物対策に対して真剣に考えていな
い工場と宣言している様なものです。
 人由来の異物対策で一番効果のある作業に関して、従業員が家
庭に持ち帰り洗濯をさせている経営者は、異物が入った時に従業
員を責める資格は無いと思っています。
 食品を取り扱う作業着を家庭で下着と一緒の洗濯機で洗うべき
では無いのです。
 作業着を入れるロッカーと、通勤着が同じロッカーと言うのも
避けるべき事項になります。日本の法律、ISOなどでも更衣室に
関する規定が無いので、外部監査員の方も注意することなく、日
本の食品工場は、作業着を家庭の洗濯機で洗わせてきたのです。
 

明確なルールブックが必要

 人由来の異物クレームを減らすためには、食品工場で働くと
きのルールをまとめたルールブックを作成する必要があります。
通勤時の服装から着替え、作業場の入場方法まで細かく定めた
ルールブックが必要です。
 ルールブックは、入社時に教育を行うときに説明し、出来れ
ば一人一冊配布し、ルールに迷った時に、常に振り返りながら
ルールを確認する事が出来るようにすべきです。
 外国の方を採用するときには、外国の方が理解出来る言語の
ルールブックを作成する必要があります。
 ルールブックでルールを規定するときには、始めにルールを
守れる環境を整備すべきです。
 例えば「常に作業靴は綺麗に洗浄する事」とルールブックに
定めながら、作業靴を洗う設備が無く、ブラシを手にして床面
で作業靴を洗っている光景は良く見かけます。
 作業靴を常に綺麗に保つためには、作業場から出る前に作業
靴を洗える設備を準備してから、ルールを定めるべきなのです。
 ルールブックの中には、資材、原料を搬入してくる業者の方
の入場方法、監査、視察の方のためのルールブックも定める必
要があります。
 現場で作業される方が、白衣に着替えているのに、原料を搬
入される方は、帽子もかぶらずに髪の毛を出したまま、トラッ
クを運転してきたそのままの服装で、搬入口から、冷蔵庫の中
まで入り原料を運び入れている場合があります。本来原料など
を搬入する場合はどうすべきかのルールを定めておく必要があ
ります。
 納入先のバイヤー等が工場監査で作業場に入る時の服装、ル
ールが定められていますか。
 バイヤーが女性の場合に爪が長く、マニキュアをしていた場
合は、入場できない旨を記載してあるルールブックが工場に必
要なのです。

ルールが紙に書いて有ることが必要

 「工場内のルールはありますか」と質問をすると「ルールは
私だ」と言われる工場責任者の方もいらっしゃいますが、工場
監査の基本は、工場内のルールを確認し、ルールが、仕入れ基
準と違っていれば、まず仕入れ基準とルールが違う旨の指摘を
行い、さらに現場で工場内ルールがルール通り行われているか
の確認を行うのです。
 ルールは細かく設定するよりも、ルールにしなくても、自然
に従業員の方が行えるような環境を造る事が大切です。
 「更衣室のロッカーの上に物を置かない」「ロッカーの上は
毎日清掃する事」とルールを作り従業員に徹底するよりも、更
衣室のロッカーの上に物を置けないように、また清掃をしなく
てもいいようにロッカーから天井まで壁を造る事で掃除をする
必要がなくなります。細かくルールを設定するよりも、従業員
の方が自然に守れるような仕組みを作り上げる事が大切だと思
います。
 「更衣室の床は一時間毎に清掃する事」とルールを定めるよ
りも、自動で動く掃除機を一時間毎に走らせておけばいいので
す。
 工場内の作業場に設置されている空調機、包装機などは、毎
日何処まで分解して、清掃するのか、毎週何処まで分解して清
掃するのか、定期的にどの部品を交換するのかなどのマニュア
ルは従業員の方が細かく理解出来るようなルールブックを作成
し、作業を行ったかどうかの記録を付けるチェック表を作成す
べきです。
 包装機などは、何処まで細かく分解し清掃すべきかは、十分
検証する必要があります。


私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
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