==================================食品工場の工場長の仕事とは== ■ ■■ 要求品質展開表から新商品を ■■■ 2011年8月28日発行 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ おはようございます。河岸です。もう8月も終わりです。今年は3月11 日以降時間が早く過ぎるように感じるのは私だけでしょうか。すこし 地に足をつけて考えて見たいと思います。 ツイッターをしています。食について是非合智しませんか。 https://twitter.com/ja8mrx ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 10月28日金曜日 埼玉県さいたま市 ソニックシティーで無料講演 を予定しています。講師は私、河岸宏和です。 「安全でおいしい食品を選ぶために」もちろんセシウム牛肉、o-157カルビ についても触れます。 埼玉で働いている方、住んでいる方が対象です。検索してみてください。 12月8日木曜日 東京でサイエンスフォーラム主催の講演会で私、河 岸宏和が話します。テーマは「風評被害を抑える情報の伝え方」です。 毎日新聞社の方、そのた豪華な講師陣です。是非、手帳に印を。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・食品工場の参考になる本 http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102 ・中食・外食で参考になる本 http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22 ========================================================== ★☆ ======================= 要求品質展開表から新商品を ============================ ぼやっとした一次要求 マインドマップ等を利用して新商品を考えたとします。 具体的な新商品の絵を描いたとしても実際に製造することは難 しいと思います。 おいしい豆腐を考えたときにも、お客さんからは「去年より売 れておいしい物がいいよ」と非常に抽象的な要求しか出てこないと 思います。 「もっと具体的に教えてください」と開発担当者がお客さんに答 えを求めても「去年より売れる物がいいな」くらいの返事しか戻っ てこないと思います。 「去年より売れる物」このぼやっとした要求品質をより具体的に する物が二次要求品質になります。「居酒屋よりおいしい物」「充 分な量があるもの」「添加物の少ない物」「新鮮であること」「食 器として使えること」等と言った言葉が出てきます。 この二次要求品質は思いつきで作成してはいけないのです。でき れば、マインドマップ等の理想の絵を作る過程で充分議論すること をお勧めします。 新商品の開発を担当される方は、一人で考える方が多いのですが、 一人で考えていると思い込みが出来てしまいます。 思い込んで市場の要求と合っていればいいのですが、ずれてしま うとせっかく開発した新商品は全く売れないのです。 市場の要求を素直に受け取るためには「素直さ」が必要だと思い ます。 市場が欲しい物と、製造側が作りたい物がずれる場合が多いのは 作り手の素直さが無い性だと思っています。 工場に落とすために 新商品を開発しても工場で製造しないと市場に出すことは出来ま せん。 「去年よりおいしい物をお願いします」と工場に伝えても新商品は 出てきません。 より具体的に去年の製品よりもどんな物を作ったらいいかを伝える ために三次要求、四時要求、数値化があるのです。 「去年よりもおいしい豆腐」と言っても製造を担当する方はイメー ジが出来ません。 しかし「大豆一俵からとれる豆腐の数を10%少なくして大豆のお いしさを伝えられるようにしてください」と現場の方に伝えると、作 業性、価格など問題点を現場の方と考える事が出来ます。 新商品を現場に落とすときに大切な事があります。はじめに思いつ いた新商品の絵に対してどこまで徹底出来るかと言うことです。 新商品を考えたときは「本当にいい商品を思いついた」と思っても、 現場に落とす段階で妥協する点が出てくるのです。 原価、作業性、現場の反対等々が出てきます。はじめに考え抜い た新商品にどこまでこだわれるかが売れる商品になるか、全く売れな いかの差になってくると思います。 コンピューターのアップル社の商品が売れています。iPhone 等は発 売時にお店の前に並ばないと買えない時もありました。iPhone、iPad 等を手に取ると細部まで細かくこだわっていることに気がつくと思い ます。 日本製のパソコン、携帯電話もよくできています。しかし、製品の ロゴ、ソフトのロゴのシールを日本製のパソコンはぺたぺた貼ってい ます。 iPhone、iPadはシールは全く貼っていないのです。ロゴまで細かく こだわり妥協していないことが伝わって来ます。 私はiPadに名前を入れました。名前を入れた場所は、凹んでいると 思いましたが、触ると平滑な状態のまま私の名前が入っているのです。 細部まで妥協しないからこそiPadは売れたのだと思います。 新商品の一次要求を明確にして、そして細部にこだわることで新商 品は具現化していきます。そのときにはじめに考えたこだわり、思い を具現化する時に妥協しないことが大切だと思います。 日本人は市場に出た新商品を小さく、使い安くすることは得意だと されて居ます。しかし、フェイスブック、Twitterのような新しいシス テムを考え出したり、iPadのような全くの新しい物を考え出すのは得 意じゃ無いとされて居ます。 みなさんが市場の分析を行い、マインドマップ、要求品質表を用いて、 本当の日本の新商品を作られる事を期待しています。 |
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。