========================================食品工場長の仕事とは===

  工場自体の安全について


読者の方からメールを頂きました。

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こんばんは

 いろいろお答えいただきありがとうございます。参考になります。

しかし、現実は、そうはいかず、なかなか改善は進みません。

上司の命令は、絶対などと言う管理職がごろごろいます。

 さて、今回は、警備の話しです。

日曜日未明、工場の窓ガラスが20数枚割られました。金網の入った

ガラスなので、小さい破片が飛び散り増したが、侵入の形跡はありませんでした。

もっとも、どう見ても、窓を割るのが目的のような割られ形で、みんな口々に

割るほうも大変だったろうなというほど、枚数や割り方がそう見えました。

 怨恨・・・・みんな思ったそうです。思い当たることがあったようで・・・。

それはともかく、夜間の警備体制は?というと、守衛不在、赤外線センサーなし。

ということは、侵入は、防げません。モニターカメラは、あるにはあるが、半分は、

ダミー。映っていてもろくに犯人特定できないもの。

 

 今まで、車の盗難数回、未遂数回 ついに、工場内かと。

私たちが、夜勤の間に、命がけで外周道路(公道)を車で巡回します。

命令です。夜勤中2回も。何かあったも、追うな、通報しろ。個人の携帯で?

プロの警備会社も巡回に来ますが、1回だけ。

 守衛なし、警備なし。社員が命がけで・・・・。

何で、経費のためだそうです。モニター代、警備費用、すべてケチるため。

未遂の現場に出くわしたことも。相手が逃げたので幸いでした。

 普通では、考えられないですよね。でも、そういう会社も多いです。

せめて、センサーなどで、侵入検知だけでも出来たらねえって。

 多分、誰かが犠牲にならないとだめなんだよね。そんな声が聞こえます。

 楽天の新規参入と同じで、夜勤当事者の話しより、管理者は、

警備もするのは当たり前とのことだそうです。命令だそうです。

 工場長、取締役として、そんな理不尽な命令を出せるのでしょうか。

従業員の安全は、守られないのでしょうか。

 数年前、ウランの溶液で核反応が起こり被爆死亡っていう事件がありましたが、

命がけの作業でしたね。

 何回、何百回に1回の出来事で、作業者は、亡くなってしまいました。

 そんなことにならないためにも、皆さんの意見を聞きたいです。

 本当に、経営者の考え方には、わからないことが多いです。

数百円の無駄に目くじらを立てて、数百万円の無駄な機械には、惜しみなく

投資するってところ。

 そんな管理者は、わたしたちの目標にはなりませんね。

いつもいつも、愚痴のようですが、そんな会社にいます。

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 工場自体の安全管理、セキュリティー管理は、今まであまり考えられていませ

んでした。しかし、食品の安全が注目をあびるに従って、工場内外の安全管理が

求められるようになってきました。外部訪問者の管理、外部から搬入される荷物の

管理、従業員の異物の持ち込みの管理、商品等の持ち出しの管理が必要な

時代になってきました。従来の日本の工場では考えられないことですが、会社から

解雇処分、リストラ等で解雇通知を受けた従業員が逆恨みをして異物を混入する

事も考えなくてはいけません。従業員が工場に入るとき、工場から出るときは、

必ずタイムカードを打って、入退場時間が記録に残ることが必要です。出来れば

従業員の出入り口は、監視カメラの導入が必要です。何か問題が有ったときに

出勤時と帰宅時の鞄の大きさが違うとか、違う物を持って帰った時の証拠になりま

す。食品工場では、持ち込んだ鞄の中身を出勤時と帰宅時に中身をあけてチェック

する必要があります。この行為が有るだけで、異物の持ち込み、商品の持ち出しを

防ぐことが出来ます。

 

外部のお客さまも鞄のチェックが必要です。

 外部訪問者で定期的に訪問する方たち、毎日の配送車の方、様々な管理業者の

方については、タイムカードの作成が必要です。受付にタイムカードを作成して、

入退場するときにタイムカードを打つようにします。また、商品の持ち出しを監視

するために、空容器を配送車に積み込むときには、中身が空かどうか確認する行為が

必要です。空容器の中に工場で製造している商品を早朝で誰もいないときに詰め込んで、

持って帰る事は良く聞く話です。不定期で商談等に来られる方は、アポ無しの訪問は

断るようにします。「等工場は予約の無い方の商談はお断りします。」と一枚張り紙を

しておけば、断りやすくなります。アポの入っている業者の方は必ず入場時間と

退場時間を記入してもらって、鞄のチェックをする必要があります。この自体に

やりすぎと言うことは無いと思います。

 

小さな事でも警察に届ける姿勢が必要です。

 事故が起こってしまった場合の対応です。必ずどんな小さな事故でも警察に届けます。

メールを頂いた事件でも必ず警察に届けることが必要です。そして現場に表示をします。

「何月何日こんな事件が発生しました、何か目撃した方、情報をお持ちの方は連絡を

ください」と表示をします。写真を撮り、発生したのと同じ時間帯に、なるべく多くの方から

情報を取るようにします。同じ時間帯に同じ道を通って、通勤している方、散歩している方は

多い物です。配送車の方などは本当に同じ時間帯を走っていますので、事情を聞くには

非常に参考になります。ここで解決しない場合は再発防止策をとります。監視カメラ、

防犯センサー、警備員などが考えられます。怨恨の場合は、再発が考えられます。監視

カメラをスポットで、レンタルして設置することがお勧めです。現在は大きな音がすると

その数秒前から記録が出来る物があります。事故発生からしばらくは、社員の見回りも

有効です。但し、この場合は一人では危険ですので必ず二人以上での見回りが必要です。

社員二人の金額と警備員の金額を考えると安全面を考えても警備員が有効です。

 

 駐車場、工場の周りなどは24時間明るくしておくと、防犯面では有効です。出来れば

草木を綺麗に植えて、明るくしておくと、犬の散歩の方、ランニングされる方が増えてきますので

そういった世間の目を増やすと、世間の目に守られて工場は安全になってきます。

工場の裏に、いらない荷物を積み上げて。汚くしていくと、人は集まらずにネズミが集まって

巣を作るようになります。工場の周辺は常に綺麗にする必要があります。

 

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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