==================================食品安全教育研究所発行=
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■■ ウエイトチェッカーの設定について
■■■ 2015年5月31日発行
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おはようございます。河岸です。
みなさんの工場では、ウエイトチェッカーが確実に稼働するか
どうか始業前に重量を設定よりも軽くしたテストピースを通過さ
せて排除できるかどうかのテストを行っていますか。
金属検出器と同じようにウエイトチェッカーも作動確認が必要
です。
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ウエイトチェッカーの設定について
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計量法と商道徳
ISO、HACCP、AIBなどと言った様々な工場管理手法が
世の中にはあります。地域によっては地域認定HACCP工場
という仕組みもあります。
ISOを取得している工場でも、お客様が満足する商品を
製造しているとは限らないのです。
あなたが一消費者だったとします。ある商品を買ってき
て、たまたま家にある秤で計ってみたら商品に表示してあ
る重量100gより2g少なかったとします。包装材料と共に
量ってみると表示してある重量があります。包装材料の重
さは2gありました。
一般的に考えると、製品の重量は包装材料以外の中身だ
けの重量と考えるのが一般的です。
あなたは包装材料に書いてあるお客様相談室に電話をし
ました。
「私が買った製品の重量が表示よりも少ないのですが」
「何グラムでしたか」
「98gでした。表示より少ないのですが」
「計量法という法律で、マイナスの誤差が認められてい
ますので、2gのマイナスであれば問題はないと思います。
「表示してある重量よりも少ないのは法律がいいと言っ
ていてもおかしいのではないですか」
「当社はコンプライアンスを重視していますので、法律
は守っています。同じような質問を受ける場合があります
が、みなさん計量法の話でご理解いただいています」
「100gと表示している製品で表示重量よりも少ない
のは、法律でいいと言ってもおかしいのではないですか」
「計量法で認められているので当社は問題がないという
見解です」
あなたが工場の品質管理の立場だったらどうしますか。
あなたが消費者、お客様の立場だったらどうしますか。
入れ目の考え方
100gの製品を作るのに100g丁度に造るのは至難の業に
なります。100g定量で量れる商品があっても必ず充填量
のばらつきがでます。
充填量のばらつきを少なくすることが工程改善の基本な
のですが、二流の管理の工場では、ばらつきを少なくする
努力よりも平均値を下げる管理をおこないます。
ばらつきを少なくする一流の管理であれば、表示重量よ
りも軽い製品を製造する事は無いのですが、平均値を下げ
る二流の管理であれば、表示重量よりも軽いものが発生し
てしまいます。
工場のラインには、ウエイトチェッカーという自動で重
量を測定し、規定重量より重いもの、軽いものをはじきだ
す機械が設置されています。
ウエイトチェッカーの下限の重量設定を100gではなく、
計量法ぎりぎりの設定に変更して管理をおこないます。
そもそも計量法でマイナスの重さが認められているのは、
製品の特徴によって保管中に自然の乾燥等によって、重量
が軽くなっても法律上大きな問題にならないようにマイナ
スの重量を認めていると私は思います。
一流企業は入れ目と言ってお客さんが商品を使用すると
きに表示重量よりも軽くならないように数%表示重量より
も多くなるように製造しているものなのです。
液卵を使用していて、メーカーを変えた時に製品の歩留
が変わった事がありました。理由を調べると、液卵メーカ
ーの入れ目の違いが大きく製品歩留に出たという経験があ
ります。
ウエイトチェッカーは
製品重量+風袋(包装材料)+入れ目
で軽量の基準を設定するのが一流企業だと思います。
入れ目、風袋の考え方の再確認が必要です。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
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