工事中の注意点について
読者の方から質問を頂きました。
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いつも拝見させていただいております。
先日、知り合いの食品工場経営者の方から
「工場の改装工事で使用していた塗装に関係する臭いが
食品についたらしくクレームになり謝りにいってきた。
オレもうかつだったが施工業者にも責任がないのだろうか」
との話しでした。
購入された方は、少し臭ったが食べてしまい吐いたそうです。
まさか臭いがうつるとは思っていなく、鼻もすぐ慣れてしまい
普段とおり生産・販売をしていたそうです。
どこでも起こりうる事故だなと思いながら聞きました。
予防・対処への考え方を教えて頂けますでしょうか。
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この手の事故はみなさんキット経験していると思います。私も会社を変わるたびに
この手の事故を経験します。
では、どんな時に気を付けなければいけないのでしょうか?
1 ペンキ塗り
2 電気配線等の電気工事
3 設備の入れ替え
1 ペンキ塗り
床、壁、天井、設備全て入ります、においはなれてしまいます。工事につきあっ
ていると、鼻がなれてしまいます。設計の段階で、何時間以上経たないと使用
出来ないとか、換気をどうするかとか、考えておく必要がありますね。
2 電気配線等の電気工事
電気配線、設備の修理で電気関係の工事をすることは多いと思います。
そのとき、電気配線に使った、コードの破片が入る可能性は高いですね。
3 設備の入れ替え
ダクトの入れ替え、生産設備の入れ替え等々工場の中の、設備を入れ替える
事は多いと思います。
外から直接設備を入れると思ったより、色々な物が一緒に入ってきますね。
では、どのように気を付けたらいいのでしょうか。責任者の方が立ち会うと答える
方も多いと思いますが、工事の関係者の方と次の項目に従って打ちあわせて、
事前に、製品に危害が及ばないようにしておく必要があると思います。
実際に作業する方が、次の項目を事前に気を付けるか付けないかが大きな
点になると思います。
1 生物的危害
2 物理的危害
3 化学的危害
一項目ずつ具体的に、お話しします。
1 生物的危害
製品が腐敗することを防ぐ必要があります。冷凍機を入れ替えるときに温度が
上がってしまう、半製品に外からの菌が着いてしまうなどが、考えられます。
工事をするところに、製品、半製品、原材料は置いては置けませんね。
2 物理的危害
電気配線のくず、ダクト工事のステンレスのくず、外から持ち込んだ埃、
コンクリートくず、今までに経験した物理的危害(異物)です。この物理的
危害は、歯を折る、口の中を切る等の具体的な危害が見えてしまいますので
非常に解決が困難な時があります。
作業するときに、電線を切るときは、切ったいらない方も捨てない
壁に穴を開けたらその切りくずはその都度集める
外から搬入するときは一度外観を掃除する
などなど、通常で資材を搬入するときの注意を事前に打ちあわせる必要が
有りますね。
3 化学的危害
今回の読者の方の質問です。一番難しいですね。目に見えませんから。
でも理屈が一番付けやすい物です。塗装工事なら、有機溶媒を使った塗料を
使用する場合は、換気をどうして、最低何時間換気しないと、いけないと
事前に打ちあわせる必要がありますね。理想は、有機溶媒を使用しないで
このようなにおいがうつらない物を使用できればベストですけど、経費等使用
しなければならない時があると思いますので充分注意する必要があると、
思います。
さて、大事なのは、ここからです。
工事が終了しました。
誰が使っていいと判断しましたか?
その判断は、何に基づいて判断しましたか?
工場長のあなたは、生産が差し迫っていますから、つい設備を使ってしまいますよね。
お客様の立場で、チェックする事が大切です。
1 生物的危害
2 物理的危害
3 化学的危害 がそれぞれ問題が無いか?
最後に自問してみてください。
その設備を使用して製造した製品をあなたの子供に食べさせることが出来ますか?
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
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