========================================食品工場長の仕事とは===

   おいしい鶏肉は?(鶏肉の基本知識)


このお店の鶏肉は、美味しいね。あそこの焼き鳥は美味しいね。鶏肉を買うなら

あの店だよ。食にこだわる人は色々な話をします。豚肉、牛肉もお店によって

だいぶ味が違いますが、鶏肉もお店によってあれって言うくらい味が違います。

鶏肉は値段も安いのでこだわってもたくさん食べることができます。今日のお話

しで理解して頂いて、お店の人を困らせてください。

先日焼き鳥のお話しをしましたら質問がきましたので、今日のお話しになります。

http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/yakitori3.htm

 

食べ物のおいしさは何が要因として、効いているかは物によって違います。

いまからお話しすることも複雑に混じり合っていますので、これが効いているから

美味しいと言うことはありません。実際はあの肉屋さんは信じられる。あの焼き鳥

屋さんは信じられる。なぜなら。。。と言うことになります。では、実際のお話です。

1 鶏の種類

2 鶏が何を食べているか

3 鶏の育っていた期間

4 鶏の育っていた環境

5 鶏を処理してからの期間

6 鶏肉の保管方法

7 鶏の部位

 

肉屋さん、鶏肉屋さん行くと、色々な鶏肉が売っています。主に銘柄が書いてあります。

産地、県名が書いて有ったりしますが、その背景に今からお話しすることが、あります。

 

1.肉用の鶏は色々な鶏がいます。

  日本に元々いた鶏、南米の鶏、アジアの鶏、羽の赤い鶏、羽の白い鶏、

  色々な鶏がいます。その鶏をどのように育てるかで、決定的に鶏肉の味は決まります。

 

2 鶏が何を食べているか

  動物系の餌を食べているか、植物系の餌を食べているか、蛋白のの含有率はどうか

  癖のある餌を食べていると癖のある味になります。ハーブを食べている鶏を売り物

  にしている所もあります。

 

3 鶏の育っていた期間

  普通のブロイラーは60日です。普通のこだわった鶏肉はもう少し長く飼養している

  場合が多いです。この飼養期間が長ければ、こくが出て、肉が締まってきます。

  但し、採卵系の鶏のように2年間くらい飼養した肉は、今の日本人にはちょっと

  固いかもしれません。

  http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/issyou4.htm

 

4 鶏の育っていた環境

  ブロイラーの飼育環境は、なるべく鶏が動かないように、薄暗い環境で飼育します。

  ひよこを体育館のような所にいれて、初めて太陽を見るのは、処理場と言うこと

  になります。飼育効率を上げるために、動かないように薄暗くして、満員電車の中の

  ような飼育方法が、普通の環境です。

  一方、農家の庭先を自由に飛び回っている、鶏がいます。このように飼育した

  鶏肉もいます。一般的には少し固くなります。但し、鍋などの出汁を取るときは

  ブロイラーより美味ししかもしれません。

 

5 鶏を処理してからの期間

  朝締め鶏、などと鶏肉は絞めてからの時間が、おいしさの勝負です。肉はしめた後

  ATPが分解されて、おいしさの基、アミノ酸に変化していきます。その美味しさも

  時間がたちすぎると、また変化してしまいます。ATPが一番アミノ酸に変化して

  なおかつ、死後硬直が無くなって来たときが、肉は軟らかくて美味しいときに

  なります。活魚を締めてもらって直ぐお刺身で食べると、こりこりしていて、あまり

  美味しくないのは、死後硬直が始まって、まだATPがアミノ酸に変化していない

  事の例になります。一般的に鶏肉は絞めて12時間くらいが一番美味しいときに

  なります。

 

6 鶏肉の保管方法

  鶏肉をどのようにお店まで運んでいるかです。死後硬直の変化は、温度に

  よって変わります。また細菌も温度によって増殖の状態が変わります。

  肉の状態は、凍結すると、筋繊維の中に氷の結晶ができてしまい、筋繊維が

  切れて、一般的にはもそもそしてきます。

  理想的には、絞めてからチルドで、運ばれてきた肉を12時間以内に食べると

  びっくりするくらい美味しいです。

  凍結する場合が、ある場合は、凍結は一回にした方が、二回三回と繰り返す

  より美味しくなります。何回も凍結するいい例は、凍結肉を解凍して味を付けて

  再度凍結する事。工場ではよく有ることと思います。

   例えば、タイで味まで付けて氷らせた味付け肉を一回のみ氷らせて日本に

  運んでくれば、これもびっくりするくらい美味しいです。

 

7 鶏の部位 

  日本では、もも肉、胸肉、ささみ、ケンタッキーでは、ドラム、ウイング、キール、

  サイ、リブと呼びます。日本人はもも肉が好きで、何故かアメリカでは胸肉が

  好きです。

  部位は本当に好きずきです。一度、鶏肉を一羽分買われて、それぞれ焼いて

  食べてみると、思わぬ発見があるかもしれません。もも肉でも一枚買われると

  おもしろいです。是非一度挑戦してみてください。

 

 

早速、スーパーの肉売り場で質問してみてください。

お店の方はどのくらい説明ができますか??

 

あなたは何にこだわって肉を買われていますか?

 

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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