========================================食品工場長の仕事とは===
問屋に求められる品質管理とは
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はじめまして。
工場長のお話しはいつも見ていて勉強になります。
私は新卒で今年就職しました。
問屋業の品質管理の仕事に困惑しています。
私の会社でも今まで品質管理がおらず、営業のみで
問屋業を営んで参りましたが、協力工場でクレームが
多発することで自社にも品質管理を!と言う感じで今年から採用したようです。
しかし、問屋としての品質管理の仕事というものが理解できず、
毎日何をすればよいか悩む一方です。
営業が探してくるメーカーさんの工場を視察にいって改善箇所を指摘すること
ぐらいしか頭に思い浮かびません。
一体問屋業の品質管理は何をすればよいのでしょうか?
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出荷前検査、受け取り検査という考え方もあります。
品質管理の仕事で悩んでしまう所です。品質管理がどうのように始まったかを
考えると、受け入れ検査が基本になります。今回の質問の方も問屋の品質管理
について悩んでいますが、メーカーからの商品を、お客様に渡すときに、メーカの
出荷前検査が信じられないから、もしくは不十分と考えるから、お客様が実施する
受け入れ検査の替わりを、メーカに出向いて行うことです。今回の工場がどこに
あるか判りませんが、中国から輸入する場合、品質管理がしっかりしていない
工場から商品を仕入れる場合は、受け入れ検査、出荷前検査を自ら行うことは
非常に大切な事と思います。極端な例で言えば、食肉処理を行うときに当局の
検査官がいなければ、食肉製品が処理できないように、問屋から派遣の品質
管理、すなわち検査官の出荷証明が無ければ、製品が出荷できないという考え
方があります。実際、ハムソーセージメーカーなどでは、検査官を輸出国に送り
こんで、その方の検査印が無ければ出荷できない仕組みを作り込んでいるとこ
ろもあります。
攻めの品質管理の考え方もあります。
「ハードル理論について」お話ししました。
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/ha-doru35.htm
このハードル理論の考え方を今回の事例に当てはめて考えてみます。問屋の
差別化を考えて見ます。あなたの問屋から仕入れると何かが違いますね。
と言わせるのです。逆に、私たちから仕入れると、ここが違いますよとセールス
トークとして使えることをいくつか考えます。その他の問屋と違うところを少し
だけ、ハードルを高くします。例えば、使用している原料は全て日本国産を
使用しています。とか、使用している野菜は、こういった農薬以外は使用して
いませんとか、契約農場以外の野菜は使用していませんとか、いくつかの
セールスポイント、ハードルを考えます。もちろんこのハードルは、会社の特徴に
なり、差別化に繋がります。皆さんの会社もいろいろ差別化を考えていると思い
ます。当社は品質管理があります。とか、当社はISOを取得しました。では
差別化に繋がらないのです。この差別化のハードルを明確にして、そのハー
ドルが守られているかをしっかり検査、確認するのです。そうすると攻めに繋がる
品質管理が確立できます。
「信頼される食品表示について 差別化の表示について」
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/sabetu8.htm の中でお話ししたような
差別化の原材料を使用して、差別化の品質管理を行うことができれば、原材料
から製造工場、お客様まで全ての方が幸せになれると思います。
攻めの品質管理のハードルを考えることが大切だと思います。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
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