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・食品工場の参考になる本　　
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　卵がスーパーに並ぶまで
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大きく二つの流れ

　親鶏が卵を産んでからスーパーに並ぶまでには大きく二つの
流れがあります。
　企業養鶏の５０万羽以上飼育している大型養鶏場は、親鳥が
産んだ卵をベルトコンベアーで自動的に集め、人手に触れるこ
となく洗卵選別機で洗浄され、ヒビ、血卵を自動で取り除き、
重さ別に区分けされてパック詰めされます。
　毎日毎日卵は鶏から産まれてきますので、同じ量の卵が毎日
パック詰めされることになります。
　しかしスーパーの卵の売れ方は毎日違います。卵の特売を行
えば通常の１０倍以上は売れます。
　大型スーパーになれば、土曜日、日曜日の買い物に来られる
お客様の数が平日の数倍以上の方が来られます。
　パック卵は買い物に来られた方が必ず購入する物の一つです
ので、買い物客が多いときは多くのパック卵を仕入れることが
必要です。
　しかし、スーパーの売り場のバック卵の賞味期限が数種類あ
ると、賞味期限の残りが少ない物は売れませんので、売り場の
パック卵の賞味期限はすべて同じにする必要があります。
　パック卵の洗卵選別場では、パックするときの賞味期限は注
文に応じて生産しますので、金曜日にパックする商品は産卵日
から１４日後の日付、木曜日にパックする商品は産卵日から
１５日後の日付、水曜日に生産する商品は産卵日から１６日後
の日付と日付を打って行くことで、水曜日、木曜日、金曜日の
産卵した卵は、パック日が異なってもすべて同じ賞味期限の商
品になります。
　通常の生産量の三倍のパックを生産する事ができるのです。
　賞味期限の日数を変更しても卵が不足する場合は、大型養鶏
場に隣接している洗卵選別場でも、金曜日、土曜日の卵が売れ
るときには、一般農家からの卵を仕入れて洗卵選別して出荷し
ていきます。

鶏だけを飼っている農家

　もう一つの卵の流れは、昔ながらの農家で鶏を飼っている場
合です。
　通常一つの農家で５万羽くらい飼っています。産んだ卵は人
手で一つ一つ拾って行きます。
　拾った卵は、洗卵選別機のある場所にトラックで運んで行き
ます。トラックの積載効率を考えて、トラックに乗るだけ積み
ますので、残った卵は翌日回しになります。
　鶏は卵を午前中に産みます。産んだ卵は集められて、夕方に
洗卵選別場に運ばれます。運ばれた卵は翌日以降にパック卵に
使用されることになります。

　
冷蔵で保管している場合があります。

　２００４年には京都の養鶏組合が半年以上前の卵をパック卵
として出荷したと報道がありました。
　洗卵選別される前の卵は賞味期限などの表示が無いので、卵
相場と需要に応じて利用されるのでこのような事が起きてしま
うのです。
　洗卵選別する前の卵を冷蔵保管して、需要に応じて洗卵選別
することがあります。
　卵は夏に需要が減り、おでんの季節になると需要が増えてい
きます。最大の需要期は１２月になります。
　おでん、クリスマスケーキ、すき焼きの季節になると、卵の
需要は極端に増えて行きます。
　大手ハンバーグチェーンの月見バーガーが販売されると非常
に多くの卵が必要になります。月見バーガーが売られていない
ときの卵がどこに行っていたか考えて見ると、冷蔵保管されて
いることが認識できると思います。

温度管理が必要です。

　鶏卵の潜在的危害はサルモネラ菌です。サルモネラ菌は鶏卵に
必ずいると思って管理する必要があります。
　農家で鶏卵を生産している場合は集めた卵を、洗卵選別場の配
送するまでの間の保管を冷蔵保管する必要があります。
　特に真夏の養鶏場は、サルモネラ菌の増殖が一日で食中毒レベ
ルまで増殖する温度帯になるので注意が必要になります。
　洗卵選別場から、スーパーの注文に応じて、スーパーのセンタ
ーまで運ばれ、センターからお店まで運ばれて行きます。
　卵は専用の什器に積まれてスーパーの売り場までそのまま並べ
られます。

　
　あなたがすき焼きで食べようとしている卵は、何時、何処で産ま
れたのかが一番大切だと思いませんか。
　
　
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。