===========================================工場長の仕事とは===

■■   卵の流通温度帯について

■■■                            2004年1月21日発行            

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おはようございます

関東は今朝 冬の雨がちらっと降りました 雨の日は憂鬱になりますが最近

乾ききった木々には うれしい雨ですね 暖かいのも今日までと言うことです

今週 登録して頂けた 読者のみなさん ありがとうございます

お話する テーマ ありましたら リクエスト よろしく お願いします

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卵の流通温度帯について

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読者の方から 生卵の配送は 常温ではダメかとの質問が ありましたので

卵の産卵から 少し お話 したいと 思います

たまごは 鶏から生まれます この鶏から生まれた鶏卵を通常たまごと言って

いますが もちろんカラスも インコも卵を産みます ここでは たまごは 鶏卵と

理解してください

 

卵が 農場から食卓までの流れを 説明しましょう

 1 農場で産卵

 2 卵を採卵

 3 採卵した卵を保管

 4 パック詰め工場で洗卵

 5 外観よりの選別

 6 投光検査による血卵の選別

 7 重量規格ごとの選別

 8 パック詰め

 9 配送容器詰め

10 配送までの保管

11 配送

12 売り場までの保管

13 売り場

 

大きくは このくらいの工程に別れます また 各工程の受け渡しがありますので

その間についても 管理が 必要に なります

 

今日のお話は 先日お話しした 業務用生卵の規格について ↓↓↓ の

http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/tamagokikaku3.htm

温度帯での管理のお話として 理解してください

いま 家の冷蔵庫に卵が有る方は 一度持ってきて見てください 冬の寒い時期は

そうでも ありませんが 冷蔵庫で冷え切った 卵を外に出すと 露がつきます

その温度変化と 表面についた露が 卵の品質に対して 悪影響がでますので

温度帯は 1→13まで 変化させないことが 品質に対して 重要な事になります

また 卵の危害の一番である サルモネラに対しても 10℃以下の保存が

万が一 サルモネラに汚染されている卵に対しても 温度管理が有効で

あるとの学説が 有ります ↓↓↓

http://www.nichirankyo.or.jp/ansin/amsin01.htm

では 具体的に 各項目について 考えてみましょう 皆さんの仕入れられている 

所に対して 確認されてみるよ いいと 思います

 

 1 農場で産卵

    農場は常温です これは 生き物を飼っていますので どうにもなりませんね

    

 2 卵を採卵

    いかに生んだ卵を早く 集めるかが大切です また 生み終わった卵が一晩

    鶏舎 農場の中で 採卵が漏れていないか また 採卵のベルト等の途中で

    たまって一晩開かしていないかが 大切です

 

 3 採卵した卵を保管

    ここからが 大切な点です 牛乳であれば 搾乳(さくにゅう)したあとすぐ農家で

    冷蔵庫に牛乳が入って それを タンクローリーでチルド配送しています

    いまの日本で 農家の規模の農場では 採卵したあと 冬は寒く 夏暑い状態で

    有ることは 間違いありませんね この農場に夏一晩おかれた 卵を生卵として

    食するには 勇気がいると 思います

 

 4 パック詰め工場で洗卵

    基本は農場からベルトコンベアで繋がっている工場が理想です

    繋がっていない場合でも 洗卵される前に クーラーで空調されていることが

    最低条件になります

 

 5 外観よりの選別

    ヒビ 汚れ 奇形卵を選別します

 

 6 投光検査による血卵の選別

    血卵を人の目で 光を当てて選別します 但し人の目は疲れて来ますので

    最近は自動血卵探知機が常識になって来ています

 

 7 重量規格ごとの選別

    家庭用のL Mの大きさの重量での選別です

 

 8 パック詰め

    ここでパックされます 

 

 9 配送容器詰め

    コンテナ 段ボール等の配送単位で容器に入れられます

 

10 配送までの保管

    トラックまでの 配送を待つ場所です

    ここで おさらいをします 生まれた卵は35℃くらいです

    そこで 洗卵前の部屋が 25℃とすると ここで冷やし込む必要が あります

    10℃以下の管理が 必要になっていきます

11 配送

    トラックの配送温度です

    EU アメリカでは 法律でチルド管理が 定められています 日本では

    法律が無く 無管理ですが サルモネラを考えると ここでの配送温度が

    ポイントになります 皆さん 常温配送のトラックに真夏 乗って見てください

    荷物の乗っている箱の中身は 何度になっていますかその中に 今晩

    子供に食べさせる 生卵が入っていると思うと ぞっとしませんか?

    

12 売り場までの保管

    トラックから卵を降ろします よく見る光景は スーパーのプラットホームに

    卵が台車ごと置かれています 私の見た一番ひどい光景は 真夏

    外のテントの中に 卵と マヨネーズが山積みになって テントの周りを

    ブルーのシートで覆っていました もちろん テントの中は何度か想像つきますね

13 売り場

    工場の方 外食の方は使用されるまでの保管場所と考えてください

    理想は5℃以下の 専用の冷蔵庫です

    卵の表面は洗浄されていますが 万が一サルモネラが付いていたときに 

    生食用のレタス等と一緒の保管していると 汚染してしまいますね

 

生まれたときが 35℃

あなたが使用するときは 5℃ その間で 温度が下がり続ける これが 理想です

 

 

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