==================================食品安全教育研究所発行=

■■  箍(たが)を締める
■■■                  2013年12月28日発行 
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 箍(たが)を締める
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責任者の役割

 木で出来ている樽を思い浮かべてください。四角い木で出来て
いる胴板を組み合わせて出来ている樽です。
 胴板を組み合わせて、金具で締め付けて、胴板がばらばらにな
らないように締め付けています。
 この締め付けている金具などを箍(たが)といいます。
 「箍が緩む」「箍が外れる」という言葉があります。箍が外れ
てしまうと、胴板がばらばらになってしまい。全く水が溜まらな
くなってしまいます。
 箍が緩んでしまっても、胴板と胴板の隙間から水が漏れてしま
い、水が溜まらなくなってしまうのです。
 樽に溜まっている水の高さが食品工場の品質管理のレベルとし
ます。
 解り安くお話すると、溜まっている水の高さが、衛生レベルの
高さとします。
 全く水が溜まっていない状態は、清掃、洗浄が全く行われてい
なく、5Sが出来ていない工場になります。まさしく何時、食中
毒が起きても不思議では無い工場になります。
 強盗に入られやすかった外食のすき家は,衛生管理の面でも人
手不足が響いたそうです。
 注文、盛り付け、配膳、片付け、会計等々一人でこなす時間が
深夜帯は非常に長いのです。
 お客の入っていない時間にしか、整理、整とん、清掃、洗浄、
殺菌などの基本作業が出来ませんから、お客さんが入ってしまう
と自然に衛生面に不備が発生してしまいます。
 すき家の考え方は、手の空いたときに清掃を行えばいいと言う
考え方にしか見えないのです。
 衛生面に関しては、箍が外れて閉まっていた状態なのかもしれ
ません。
 箍を締めるのは誰の仕事か。もちろん組織の現場のリーダーの
仕事なのです。
 食品工場であれば、工場長の仕事になります。
 飲食店であれば店長の仕事になります。一人で行って居る場合
は、自分で自分を律しないと行けないのですが、深夜帯にお客さ
んがたくさん入ってしまえば、自分を律して箍を締めるのも限度
が出てくると思うのです。

現状に慣れてしまう

 そして、徐々になれてくるのです。
 箍が緩んだ状態に現場にいる方が慣れてしまうのです。
 常に同じ環境で仕事していると正しいことがわからなくなって
しまいます。
 特に、初めて働いた職場が、外部から見ると箍が外れていても、
箍が緩んでいてもそんなものかと思ってしまうのです。
 整理整頓が全く出来ていない工場。
 段ボールに入った包装材料が段ボールごと包装室に入って居る
工場。
 作業着に着替えてから、工場の外を歩く工場。
 作業着を家庭で下着と一緒に洗わせている工場。
 「白い恋人」の問題があった時に外部の有識者が、「家庭で作
業着を洗濯させるのはおかしい」と報道されて居ました。まさし
く、内部にいると、箍が緩んでいる事に気がつかないのだと思い
ます。
 飲食店で考えれば、床がべたべたしている。トイレが汚い。ト
イレに手洗い洗剤が補充されていない。従業員の制服が洗濯され
ていない。等と行った状態になって来ます。
 そして開き直りが責任者の心の中に発生してくるのです。
 「うちの店は安く提供しているのだからしょうがない」
 「安い店の管理はこんなものだから」
 「何処の店もこんなものだから」
 たまに注意してくれるお客さん、外部の方がいても、「あの人
はうるさいひとだから」特別な人と思ってしまうのです。
 本来箍を締めるべき現場の責任者の方も、注意して従業員に嫌
われるより、何も言わずにすごしてした方が楽なのです。
 責任者に注意すべきオーナー、経営者の方も、注意するより利
益が出ていた方がいいと思い出すのです。
 作業着を会社で洗濯を行うより、家庭で洗濯させた方が、表面
上の利益は出てしまいますから。
 箍が緩んだ組織が出来てしまうのです。

 皆さんの工場は第三者から見て箍が締まっていますか。
 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

 

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