==================================食品安全教育研究所発行=

■■  就職したのか、就社したのか
■■■                  2014年6月21日発行 
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おはようございます。河岸です。
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 就職したのか、就社したのか
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大きくなって何になりたいのか

 魚屋、八百屋、肉屋、惣菜屋で働くと長年経験を積む
ことで職人になる事ができます。
 ドイツのマイスターと同じで働く方の手、体で仕事を
覚え、そして働く方自身が成長していきます。
 日本にも職人という人たちがいます。工芸品、大工、
指物師、など職人の世界がまだあるはずです。
 家を建てるときにも、柱一本一本の原料を見極め、加
工していく家の建て方と、2×4のように工場で作られ
た物を組み立てて建てる方法があります。
 日本の従来工法で建てるためには、何年も修行し経験
を積むことが必要です。
 しかし、2×4工法で家を建て、外壁にサイディング
を施せば一見おしゃれな家に見えますが、本当に住みた
い家に仕上がるのでしょうか。
 誰かが設計したものを組み立てるだけの仕事にも工夫
の余地があると思います。
 同じインスタントラーメンでも作り方によって味が違
ってきます。
 あらかじめどんぶりを温めて置くかどうかでインスタ
ントラーメンの味も異なってきます。しかし所詮インス
タントラーメンなのです。
 大きな会社に就職することが大切なように感じている
方が多いように思います。
 仕事がしたいのでは無く、大きな会社に就職したい。
会社の中で何をするのでは無くとにかく有名な会社に勤
めたい。
 「子供の頃に大きくなったら何になりたい」と聞かれ
ると「大工さん」「パン屋さん」「サッカー選手」と答
えていた子供達も大人になり学校を卒業する頃になると、
大きな会社に就職したくなるのです。
 子供の頃の夢は仕事の内容が明確です。家を建てる事、
パンを毎朝作る事、サッカーの試合に出ること等仕事内
容が明確になります。
 大きな会社に就職しても、リストラされ会社を辞めた
ときには何も手に仕事が残って居ない状態になってしま
うのです。
 飛行機会社でもパイロットの方は会社を辞めてもパイ
ロットの資格は手元に残るのです。
 大手の会社でも、テレビ局のアナウンサーは専門職と
して採用を行います。応募する方も「アナウンサーにな
りたい」と思って就職するのです。
 大手ファミレスに就職する方は、「厨房で働きたい」
と思って就職される方は少ないと思います。ファミレス
を経営したい、運営したいとなんとなく思って就職され
る方がほとんどだと思うのです。
 せっかく大学で食品の機能について学んでファミレス
に就職しても初めの厨房での作業で行き詰まり辞めてし
まうことになるのです。
 ファミレスでも多くの仕事があります。経営、経理、
総務、資金繰り、人事、店舗開発、厨房作業、教育、
仕入れ、商品開発、品質管理、等、日本の企業は総合職
として採用し、社内ローテーションで様々な仕事をさせ
る場合が多いようです。
 しかし、人によっては厨房で働くのは向かなく、原料
仕入れを行いたい方もいると思うのです。
 外食の現場は、調理場が最前線の現場です。
 大工さんは家を建てるのが仕事です。
 家を建てるときは設計士、大工、電気屋、水道屋、左
官と職種にきちんと別れて職人さんがいます。
 大工さんは決して電気屋さんになることはありません。
 ローテーションで水道屋さんになることもありません。
 日本でも厨房で働く方が、看護婦さん、アナウンサー
の方のように専門職として採用し働くべきだと思います。
 厨房で働く先輩は、入社してきた後輩に仕事を教え、
経験を積み一流の料理人になっていくべきだと思いませ
んか。
 

成長すること 

 人間は働く事で成長すると思うのです。
 大学でどんなに栄養学を学んでも、美味しい料理を作
る事はできません。
 仕事には下積みの仕事があります。下積みの仕事を行
わないまま働いている方もいますが、下積みの仕事は大
切だと思うのです。
 料理人のスタートは皿洗いから始まり、魚、野菜、肉
の下処理を経験し、スープ、そして味付けと経験するこ
とで成長すると思うのです。
 処理された冷凍食品を解凍し、味付けされた仕入れ品
を温めるだけでは経験の積みようが無いのです。
 現在のファミレスの仕組みは、人を育てる仕組みには
なっていないと思うのです。
 「「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます
」で伝えきれなかった事、人を育てる事、人を成長させ
ること。本来企業は行わなきゃならないはずです。

 企業としては忘れてはいけないことだと思います。
 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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