==================================食品安全教育研究所発行=

■■  就職したのか、就社したのか
■■■                  2014年1月5日発行 
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おはようございます。河岸です。
 美味しい物をたべたい、家で作れない物を食べたいと思った時に
美味しいレストランが思い浮かびますか。
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「食品製造業に置けるヒューマンエラーを防ぐために」
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 就職したのか、就社したのか
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大きくなって何になりたいのか

 魚屋、八百屋、肉屋、惣菜屋で働くと長年経験を
積むことで職人になる事ができます。
 ドイツのマイスターと同じで働く方の手、体で仕
事を覚え、そして働く方自身が成長していきます。
 日本にも職人という人たちがいます。工芸品、大
工、指物師、など職人の世界がまだあるはずです。
 家を建てるときにも、柱一本一本の原料を見極め、
加工していく家の建て方と、2×4のように工場で
作られた物を組み立てて建てる方法があります。
 日本の従来工法で建てるためには、何年も修行し
経験を積むことが必要です。
 しかし、2×4工法で家を建て、外壁にサイディ
ングを施せば一見おしゃれな家に見えますが、本当
に住みたい家に仕上がるのでしょうか。
 誰かが設計したものを組み立てるだけの仕事にも
工夫の余地があるかもしれません。
 同じインスタントラーメンでも作り方によって味
が違ってきます。
 あらかじめどんぶりを温めて置くかどうかでイン
スタントラーメンの味も異なってきます。しかし所
詮インスタントラーメンなのです。
 大きな会社に就職することが大切なように感じて
いる方が多いように思います。
 仕事がしたいのでは無く、大きな会社に就職した
い。会社の中で何をするのでは無くとにかく有名な
会社に勤めたい。
 「子供の頃に大きくなったら何になりたい」と聞
かれると「大工さん」「パン屋さん」「サッカー選
手」と答えていた子供達も大人になり学校を卒業す
る頃になると、大きな会社に就職したくなるのです。
 子供の頃の夢は仕事の内容が明確です。家を建て
る事、パンを毎朝作る事、サッカーの試合に出るこ
と等仕事内容が明確になります。
 大きな会社に就職しても、リストラされ会社を辞
めたときには何も手に仕事が残って居ない状態にな
ってしまうのです。
 パイロットの方は会社を辞めてもパイロットの資
格は手元に残るのです。
 大手の会社でも、テレビ局のアナウンサーは専門
職として採用を行います。
 応募する方も「アナウンサーになりたい」と思っ
て就職するのです。
 大手ファミレスに就職する方は、「厨房で働きた
い」と思って就職される方は少ないと思います。フ
ァミレスを経営したい、運営したいとなんとなく思
って就職される方がほとんどだと思うのです。
 せっかく大学で食品の機能について学んでファミ
レスに就職しても初めの厨房での作業で行き詰まり
辞めてしまうことになるのです。
 ファミレスでも多くの仕事があります。経営、経
理、総務、資金繰り、人事、店舗開発、厨房作業、
教育、仕入れ、商品開発、品質管理、等、日本の企
業は総合職として採用し、社内ローテーションで様
々な仕事をさせる場合が多いようです。
 しかし、人によっては厨房で働くのは向かなく、
原料仕入れを行いたい方もいると思うのです。
 外食の現場は、調理場が最前線の現場です。
 大工さんは家を建てるのが仕事です。
 家を建てるときは設計士、大工、電気屋、水道屋、
左官と職種にきちんと別れて職人さんがいます。
 大工さんは決して電気屋さんになることはありま
せん。
 ローテーションで水道屋さんになることもありま
せん。
 日本でも厨房で働く方が、看護婦さん、アナウン
サーの方のように専門職として採用し働くべきだと
思います。
 厨房で働く先輩は、入社してきた後輩に仕事を教
え、経験を積み一流の料理人になっていくべきだと
思いませんか。

 
成長すること 

 人間は働く事で成長すると思うのです。

 大学でどんなに栄養学を学んでも、美味しい料理
を作る事はできません。
 仕事には下積みの仕事があります。下積みの仕事
を行わないまま働いている方もいますが、下積みの
仕事は大切だと思うのです。
 料理人のスタートは皿洗いから始まり、魚、野菜、
肉の下処理を経験し、スープ、そして味付けと経験
することで成長すると思うのです。
 処理された冷凍食品を解凍し、味付けされた仕入
れ品を温めるだけでは経験の積みようが無いのです。
 現在のファミレスの仕組みは、人を育てる仕組み
にはなっていないと思うのです。
 「外食の裏側」(仮題)をいま書いています。人
を育てる事、人を成長させること。本来企業は行わ
なきゃならないはずです。
 企業としては忘れてはいけないことだと思います。

 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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