賞味期限の設定について
2004年、新聞、テレビ報道のなかで、鶏インフルエンザよりも半年前の卵を出荷した
記事が大きく波紋を呼んでいるようです。 ↓↓↓
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/gisou2.htm
賞味期限なんかいい加減だという主張がほとんどですが、
皆さんの工場で製造されている、商品の賞味期限の設定はどのようにしてい
ますか、設定の根拠を見せてくださいと新聞記者がきたら、設定の根拠をすぐ
見せられますか。では、その賞味期限の根拠はなんですか。
再度、原点に戻って賞味期限について、考えてみたいと思います。
賞味期限は基本は各メーカー、製造メーカーで決めることです。
では、何を根拠に決めたらいいのでしょうか?
簡単には
、その期間、おいしく食べられる事が最低の条件です。よく勘違いするのが、細菌検査をして一般生菌数が300以下だったから大丈夫ですと
答える方がいますが、私たちが製造しているのは、食品ですから
、細菌的に腐っていないから大丈夫です、というのはちょっと違うような気がします。
まず、五感で検査する必要があります。
視覚 みること
嗅覚 においをかぐこと
触覚 触れてみること
聴覚 音を聞いてみること
味覚 味を見てみること
この五感の代用特性として
細菌検査 一般生菌数、大腸菌、サルモネラ等々です。
理化学検査 水分値、蛋白値等々
官能検査 五感の変化すなわち、食べて見ることです。
変色等色の変化もあります。
レオロジーの検査 破断値、ひっぱり強度、食品の物性強度等の変化ですね。
この代用特性というのは、本来人間の五感に頼って食べられるかどうかを、
検査した方がいいのですが、人間は、その日によって体調が違いますので、
ある程度機械に、その人間が持っている五感を計測させて、代用特性とするのが
いいですね。特に賞味期限の検査は、腐っている可能性もありますので、
人間が口に入れるのは、ちょっと考えてしまいます。
では、今回の卵の事件について、本来卵の賞味期限はどう設定したらいいので
しょうか?その卵の日持ちを左右する、ファクターは何があったのでしょうか?
y=ax+bx+cx+・・・・・・・・・・
というように、yは賞味期間、すなわち日数です。
aは要因、bも要因というように、日数を伸ばす要因がいろいろ積み重なって
賞味期間はのびて行きます。
今回の卵の事件で、一度冷蔵保管して、そして冷蔵庫から出して、常温保管して
出荷前に検査→報道によると行っていた検査は、単純に割って、黄身の盛り上がりを
見ただけとの事でした。悪い要因がどんどん重なっています。
卵の賞味期限を左右する、ファクターとしては次の物が考えられます。
a鶏種
b餌の種類
c鶏舎の環境
d集卵方法
e集卵から洗浄までの保管方法
f洗浄方法
g洗浄からパックまでの保管方法
hパック時の殺菌方法
iパックの方法
jパック後の保管方法
k配送方法
l販売時の保管方法
この要因によって、yの賞味期間がのびます。このファクターの中で、卵の場合賞味期間を
のばす一番大きな要因は温度です。採卵してからいかに
、早く冷やすかと、言うことです。生まれてからすぐ採卵して、すぐ冷やすのがポイントになります。
皆さんがレタスを買われるとき、真空予冷と書いた箱があると思いますが、レタスの鮮度も
いかに早く冷やすかがポイントです。生鮮品に関しては、流通温度はかなり賞味期限に
対して効果があります。
では、卵業界はどうやって賞味期限を決めているか、是非みなさん仕入れている
仕入れ業者に対して、質問をしてみてください。
「あなたの会社の賞味期限設定の根拠はなんですか?」 と
答えが詰まります。
では、逆にあなたの工場の製品の賞味期限の設定は
、ファクターの設定から計算して設定が出来ていますか。
一度原点に戻られることをお勧めします。
決して、昔からの習慣でたまごは14日を付けているから、
なんて答えませんよね。
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