==================================食品工場の工場長の仕事とは==
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■■ 消費者に分かり易い表示とは
■■■ 2011年7月25日発行
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おはようございます。河岸です。セシウム牛肉の広がりが想像を超えてきました。
これから何が出てくるか、どの食材に問題が出てくるか分かりません。
みなさんの工場では、最終商品の表示、仕入れ原料に対するトレースは
確実に出来ていますか。何か起こる前に準備を行う事が大切になります。
ツイッターをしています。食について是非合智しませんか。
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8月25日木曜日 賞味期限設定のセミナーを東京で開催します。
講師は、私、河岸宏和です。
是非、手帳に印をどうぞ。
http://www.gijutu.co.jp/doc/s_108132.htm
講師割引き
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10月28日金曜日 埼玉県さいたま市 ソニックシティーで無料講演を予定
しています。講師は私、河岸宏和です。
「安全でおいしい食品を選ぶために」もちろんセシウム牛肉、o-157カルビ
についても触れます。
埼玉で働いている方、住んでいる方が対象です。手帳に印を。
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・食品工場の参考になる本
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102
・中食・外食で参考になる本
http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22
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消費者に分かり易い表示とは
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小さい店で考えると
農家の前に小さな小屋があります。小屋の前には「野菜一袋百円」と書
いて有ります。
小屋で売っている無人販売の野菜は目の前の農家で作った物として消
費者は購入しています。
産地直送の直売店でも「○○さんの家で収穫した朝取り枝豆」と表示し
てあります。
産地に近い場所では、収穫した農家の顔まで産地表示する事が可能な
のです。
農協の選果場に農家から集められ、大きさを揃えて包装しされた時点で
農家の特定、集荷日の特定が出来なくなります。
都会への流通、大型店の販売を行う時点で、農家の顔の情報が消えて
しまうのです。
大型スーパーでも地元野菜のコーナーに行けば、生産者の顔写真とと
もに農家の名前住所が明確になった野菜も売られています。
市場で販売されている野菜は本来安全なはずです。より安心な野菜を
求める消費者の方は価格が高くても顔の見える野菜を買われると思います。
宅配、共同購入の野菜についても、何処で、何時取れたかの情報はJAS
法で定めるよりも細かく伝えてくれています。
大量に販売するために、産地表示が県名単位の野菜か、より細かく農家
の顔が見える表示の物を選ぶか消費者の選択が出来る用になったと思い
ます。
商店街、モール単位で、「私たちの商店街では、法律でさだめられた表
示より細かく産地表示をしています」と表示し、細かく産地表示、生産者の
農家の情報を出す事で買われる方がより安心感がもたれるとおもいます。
魚屋さんであれば、何時、何処で、誰が釣ったのか明確に表示をするの
です。「静岡産」と言った水揚げ港を表示するだけでなく、釣った海域を細
かく表示するのです。
実は魚は釣った時期が大切なのです。今年の3月12日以前に釣った魚
を加工した干物であれば、産地が何処であろうと安心して食べる事が出来
るのです。
今年の3月12日以降の原料を使用した干物であれば釣った海域が大切
だと思いませんか。
畜肉であれば、産まれ育った場所に、食べてきたものを明確にすることが
必要かもしれません。魚、野菜は、収穫した場所と放射線物質の測定値を
つけるだけで安心感がありますが、肉、特に牛肉は、産まれた所、育ったと
ころ、食べたものすべてに汚染の可能性がありますから、「この牛肉は何処
で産まれて、何処で育って、何を食べて来たか」明確に店頭に表示すること
で安心感が生まれると思うのです。
小さな店で牛肉の販売を考えると、牛肉は規格肉の塊で仕入れる事にな
ります。塊で仕入れた時点で産まれ育った農家の特定ができるので、農家
に対して何を食べて来たのか、調査する必要が出てきます。
畜産農家であれば、仕入れた餌の台帳があるはずですから、公開するこ
とはそんなに難しい事では無いと思います。
小さな肉屋さんで塊で牛肉を仕入れていれば、挽肉、細切れにも産地表
示、個体識別番号の表示はできると思います。
大きなスーパー、大きな加工場で挽肉に対して「個体識別が困難だから」
と言う理由で、挽肉、細切れに対して識別番号が記載されていません。
しかし、小さな肉屋さんでは個体識別番号を記載する事は可能だと思い
ます。
おいしい日本の牛肉を楽しみにしている人たちがいるはずです。放射線
物質を測定して、「規定値よりも少ないから安全」と言われても規定値自体
の信頼性がないため、本当の安心感は無いと思います。
「この牛肉は何処で産まれて、何処で育って、何を食べて来たか」明確
に店頭に表示することで安心感が生まれると思うのです。
加工食品の考え方
商店街、モール単位で、「私たちの商店街では、法律でさだめられた表
示より細かく産地表示をしています」と表示を行った時に加工食品の表示
はどのように考えたらいいのでしょうか。
商店街のコロッケ屋さんで考えて見ます。
コロッケの原料はビーフコロッケで考えると、ジャガイモ、タマネギ、牛肉
になります。そして塩、こしょうが原料になります。
毎日毎日同じ産地の物を使うことが出来れば表示は簡単なのですが、
昨日までは鹿児島のジャガイモを使って居て、今日は鹿児島と長崎が混
じると言った事が発生してしまいます。
「今日のジャガイモは鹿児島産」「今日のジャガイモは鹿児島と長崎」と
正直に表示を行うといいと思うのです。
表示の代わりに使用しているジャガイモの箱を店頭に並べてもいいかも
しれません。
パテシエのいるケーキ屋さんでは、使用している洋酒の瓶を並べている
のと同じ考え方です。
加工食品の場合、小さな店は、使用している原料の産地を確実に表示
する事が出来ます。しかし、工場でコロッケを製造する場合は、製造時点
で使用している原料の産地がつかめていても、包装材料に産地を表示す
るときに、フイルムに印刷している場合は、原材料の産地が変わると対応
が難しくなります。
小さな店では対応できることが、大きな食品工場だと対応が難しくなっ
てしまいます。
食品工場で大量生産するから、細かい産地表示ができないという理屈
になってしまうのです。
小さな店で、今日作ったコロッケを今日販売するときには、食品添加物
を使用する事はありませんが、保存させて流通する場合は、食品添加物
を使用する事が必要になってきます。
食品添加物を毛嫌いするかたもいますが、私は、大量生産、大量流通、
販売が出来るのは食品添加物の力によるところが大きいと思っています。
もし、食品添加物を使用する場合は、使用した添加物の表示を多い順
に表示する必要があります。
使用している添加物の種類が少ないときは簡単に計算できますが、使
用している添加物が多いときは、使用量の多い順に表示する事は難しく
なってきます。
添加物の表示は、使用量の多い順に表示する事とされて居ますが、私
は使用している添加物をすべて表示すれば、あえて多い順に表示する
必要は無いと思っています。
使用している食品添加物をすべて記載する。このあたり前の事を行うの
はそんなに難しい事では無いと思うのです。
あなたの工場では消費者の安心感のための表示を行いますか。
それとも効率化のための食品表示を行いますか。
自分の子供に食べさせる食品に必要な表示は何だと思いますか。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。