==================================食品安全教育研究所発行=

■■  商品物語を作り上げること
■■■                  2014年1月18日発行 
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おはようございます。河岸です。
 従業員はトイレで温水での手洗い、作業場に入る前に
温水での手洗い、更に手袋の着用 3つのハードルを越
えて子供の口に入った事になります。よっぽどずさんな
管理 →

 給食パン原因と断定=工場でノロウイルス検出−
 業者に営業禁止命令・浜松食中毒
 http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jiji-2014011700731/1.htm

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「食品製造業に置けるヒューマンエラーを防ぐために」
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 商品物語を作り上げること
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製品に徹底的にこだわった売れるものを

 不景気、物が売れないと言う時代に、ほしくても買えな
い物もあります。アップルが販売している、アイホン、ア
イパッド等は予約しても変えない時がありました。
 携帯オーディオプレーヤーと言えばかつては日本のソニ
ーのものでした。
 しかし、何時のまにか携帯オーディオプレーヤーと言え
ば、アップル製品になってしまったのです。
 Ipodが売れたのは、社長自らのプロモーションの効果だ
と私は思っています。アップルの社長のスティーブジョブ
ズが、1000曲を持って歩けるとプレゼンした事が売上につ
ながったのです。
 携帯プレーヤーの技術自体はどの会社も技術的な差はな
いのです。
 アップルが消費者に受けいられて入るのはどこまで商品
に徹底的に拘り物語を作り上げているかと言う点だと思い
ます。
 実際にアップルの製品を手にとって見ると、製品が収ま
っているダンボールから取り出すところから物語りは始ま
っています。
 箱を開封するときのワクワク感は、他のメーカーでは味
わえないものです。開梱し、手に取るとデザインのすばら
しさに感心してしまいます。
 アップルの製品を見てみると、製品にシールなどの余計
なものが張ら
 れていないことに気がつくと思います。製品にシールを
貼ることなく徹底的にデザインを追及した結果だと思いま
す。
 たった一本の線で接続ができる、たった一つの機械的な
ボタンしかない。製品を作り上げるときに徹底した物語を
考えて作り上げた結果だと思います。
 私たちの製造している食品もただ美味しいだけではお客
さんが手に取ってくれなくなっています。
 何故美味しいのか、何故安いのかなどの商品に関するス
トーリー、物語が必要なのです。
 美味しいラーメン屋さんでもただ美味しいだけでは口コ
ミも広まら無いのです。
 豚骨で出汁をとっているから、自家製麺だから、チャー
シューは豚のばら肉を使用し、炭火で焼き上げた自家製だ
からと言った美味しい理由が必要なのです。
 ラーメン屋の親父が横浜の有名店で修行した、元フレン
チのシェフだった等と言った人に関する物語も良く聞きま
す。
 この時に注意すべき点は、有名なシェフが何に拘ったか
を明確にすることです。ただ「有名な方が作った」では商
品物語にはならないのです。「フランス料理で学んだ手技
の何を具体的にどう使ったからこのラーメンは美味しくで
きているのです」と言った商品物語が必要なのです。
 商品を宣伝、プロモーションする時にストーリー、物語
が必要になるのです。
 商品の物語さえ本物であれば、新聞、雑誌、テレビなど
のマスコミで宣伝を行わなくても、ツイッター、ブログな
どの個人的な情報で爆発的に情報が広がる時代になってき
ているのです。
 ここで注意しなければなら無いのは、商品の物語は本物
である必要があります。
 自社の農場で育てたジャージー牛の乳を使用していると
言う物語を作り上げたら最後までストーリーを守り続ける
事が必要なのです。
 例え物語として言葉にしていなくてもポスター、チラシ
等で自社農場の前で製品を手に持っていれば、ポスターを
見た方は、映っている農場の自社農場のジャージー牛の牛
乳を使用していると思ってしまいます。
 「本当に自社農場の原料を使用しているのですか」と言
う質問に対して、「製品の何処にも自社農場使用とは書い
ていないじゃないか」と開き直ってもポスターで表現して
しまっては言い訳はできないと思います。
 牛乳は牛乳だからどの農場のものでも同じと思っている
かもしれません。しかし、自社農場の牛の管理と同じ管理
をしているのだから牛乳の原料を仕入れていてもいいじゃ
ないかと思うかもしれません。
 しかし、製品を食べる方に対してポスターで訴えている
商品の物語と違う物を製造販売してしまっているのです。
 製品の物語と違うと言う事実を知ってしまった消費者は、
商品に対して裏切られたと感じると思います。
 物語と違うと言う事実を知ってしまった消費者は黙って
他の会社の製品に乗り換えてしまうのです。
 消費者の方に訴えているポスターは最新の設備の農場の
写真を使い、実際の農場は設備がぼろぼろと言う場合もあ
ります。
 「熟練した職人が丁寧に製造しています」と物語を作り
ながら実際は、入社したばかりのパートさんが製造してい
る場合もあります。
 世の中に伝えている商品物語と異なる事を行なっている
事は工場で働いている方が一番よく知っています。
 工場での事実と違う物語で宣伝されていると従業員の方
が知ってしまうと、製造現場の従業員の方のモラルが下が
ってしまい、決していい物を作る事は出来ません。
 商品物語を作る場合は、事実で商品物語を作る事が大切
なのです。
 お客さんに良く思われたいと思って事実と違う商品物語
を作り上げてはいけ無いのです。
 売り上げが増えて、物語どおりの原料がなくなった場合
は、正直に消費者に伝えることが大切なのです。
 物語どおりの原料を使用すると価格が合わなくなった場
合も消費者に正直に伝えることが大切なのです。
 「なんでこの商品は美味しいのですか」という商品物語
を正直に作り上げる事が大切だと思います。
 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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