==================================食品工場の工場長の仕事とは==

■■    スーパーに伝えたいこと

■■■                            2009年5月9日発行 

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おはようございます。河岸です。

 暖かくなるとホームセンターの草木のコーナーが混んできます。

 私は朝顔を毎年家の周りに植えます。

 水やりが大変ですが朝会社に行くときに花が咲いていると本当に気持ちが

いい物です。

「売り切りゴメン」日経BPnetのバックナンバーページが出来ました。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090430/150091/

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今週のお勧めの本です。

スーパーの裏側―安全でおいしい食品を選ぶために  By 河岸 宏和

原理原則を守ってほしい

 A玉を造った時に不良品として出るB玉は子供のころの遊び道具でした。

 B玉は最後までB玉なのです。最近報道されている食品偽装、産地偽装

は「B玉」を「A玉」に見せようとして利益を上げようとしているのです。

 私自身も、かつて先頭になって「B玉」を「A玉」に見せる仕事をしていまし

た。

 だからこそ、品質管理、衛生管理、倫理感の重要性を皆さんに伝えた

いのです。

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 スーパーに伝えたいこと

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おいしいものをおいしい時にならべる

 スーパーへの注文をいろいろ述べてまいりましたが、私の言いたいこと

は本当にシンプルなことにすぎません。

 お客さんはいいものを作れば喜んでくれるし、またその店に来ます。正直

に作ればいいのです。安全とおいしさを追及すれば、売り上げはあとから

ついてきます。

 店には一番おいしいものをおいしいときに並べるのが基本です。

 その大前提を無視して利益のみを追求するから、おかしなことになるので

す。ヨークベニマルの第9章のように、1回はお客様をだまして儲かったとし

ても、2回目からは買ってくれません。ということは長い目で見て、経営的に

損をするということです。

 「お客さんを自分の家族と思って」という提案は、うわべの取り繕いでも偽

善でも何でもありません。そうすることによって、お互いに喜びが生まれ、

よりよい結果が生まれるからです。

 スーパー側への提案が続いてしまいましたが、お客さんにとっても同じこと

です。地元のスーパーを愛し、育てるという心が、地域を守り、町を守ることに

つながるのです。

 地域社会と交流し、地元民に愛されるスーパーが、日本のあちこちに生ま

れることを願ってやみません。

 

いいスーパー in 日本

 では、日本のスーパーには評価できるところはないのかと聞かれますが、

日本のスーパーでも「ここはすばらしい」と思えるスーパーはもちろんあります。

 たとえば、東北を中心に展開している「ヨークベニマル」、北関東に拠点を置

く「ベイシア」などは、私がいいと思うスーパーのひとつです。細かくチェックす

れば本書に書いたことを100%実行しているとは言えないかもしれませんが、

企業姿勢は高く評価しています。

 ヨークベニマルの創業者・大高善雄氏は、次のような創業精神を掲げ、ヨー

クベニマルの基礎を築いています。ここは長いので、引用のように独立させま

した。

 一人のお客さまは10軒20軒の代表である。野越え山越えはるばるお店に

おいで下さるお客さまに誠実の限りを尽くせ。 お客さまへの奉仕の精神が

商売繁盛につながり、儲けというのは奉仕の結果であって商売の目的そのも

のではない。商売はお客さまのためにある。

 この精神のもと、ヨークベニマルでは「ヨークベニマル12章」という企業理念

を掲げています。この12章がまた素晴らしい。

とくに第9章の「お客様は一度だませても二度はだませない」という指摘は真

実です。第12章の「言葉や態度が店相をつくる。あなたはお店の代表である」

にも、心から共感できます。

 ベイシアもしっかりした企業理念を持っており、お客様満足ということを徹底

しているスーパーだと思います。

 企業理念だけでいえば、どのスーパーでも立派なことを言っています。しかし

大事なのは、それを本当に実行しているかどうかです。

 ヨークベニマル、ベイシアは、実際に足を運んでみると、雰囲気、従業員の

態度などから、企業理念を実行していることがはっきりと伝わってきます。

売り場に活気があり、商品にも目配りが行き届いています。もちろんロードラ

インも守られています。このようなスーパーでは、使い回しなどまさかしていな

いだろうというのが、雰囲気でわかります。

 こういうスーパーは、従業員が辞めません。社員もパートも大切にしている

からです。

 企業理念では立派な言葉を掲げながらも、従業員を大切にしていないスー

パーは、従業員がどんどん辞めていきます。そこに違いが出るのです。

 

 

〈ヨークベニマル 12章〉 

第一章 商売はお客さまのためにある。まず、お客さまの利益を考えよ。

第ニ章 一人のお客さまに誠実を尽せ。これが野越え山越えの精神で

       ある。

第三章 給料はお客さまから頂くもの、前のお客さまがあなたの主人。

第四章 喰べ終った時が販売の完了。まずかったらいつでも返金せよ。

第五章 自由に気軽に選びよく、品揃えと、衛生管理を怠るな。

第六章 経費を節約。安値を打ち出せ。これが最大のサービスなり。

第七章 おいしいことが絶対の条件。品質と鮮度がお店の生命である。

第八章 オトリ商法ではお客さまは釣れない。全商品が平均して安いこと。

第九章 広告にウソやハッタリは禁物。お客さまは一度はだませても、

       二度はだませない。

第十章 新製品を開発せよ。これが家庭の文化をつくる。

第十一章 お客さまの声は神の声、何でも聞いて改めよう。

第十ニ章 言葉や態度が店相をつくる。あなたはお店の代表である。

 

詳しくは 「スーパーの裏側―安全でおいしい食品を選ぶために」を是非

読んでください。  By 河岸 宏和

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私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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「食品販売の衛生と危機管理がよ~くわかる本 」

「食品工場の衛生と危機管理がよ〜くわかる本」

『“食の安全”はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実』 

『ビジュアル図解 食品工場の点検と監査 』

『ビジュアル図解 食品工場の品質管理』 

『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』

 

河岸宏和(かわぎしひろかず)