人を育てるということ          


3月になり、私の部屋では、今年もクンシランの花の芽が出てきました。

このクンシランは、札幌の私の祖母が、大切に育てていたもので、

祖母が亡くなってからは、札幌の実家に置いてあったものです。

 

祖母が亡くなってから、花は咲かずに、葉ばかりが大きくなり、

実家が引っ越した時に、埼玉の私の家に、移り住んで来たものです。

 

クンシランと言うのは、本当にきれいな花が咲、私の子供の時の思い出にも残っています。

思いでの中には、クンシランの鉢のそばに近づくといやなにおいがしたのも覚えています。

きっと今から考えると油粕か何かの肥料だったのでしょうか。

あとは祖母が、よく鉢を庭から玄関、玄関から外、窓のそばへと移動していたのを、覚えています。

いまから思うと、この肥料、場所を変えてあげることは、花をきれいに咲かすために行っていたと、思います。

 

埼玉に引っ越してきてからは、とりあえず、クンシランの育て方の本を買ってきて、

私なりに勉強して、昔の思い出とともに、外に出したり、日光に当てたり、肥料をあげたり、

もちろん水も切らしたりわざと乾燥させたりして、育てました。

この中で、花を咲かせるためには、0℃〜10℃の間に、60日間は置いておかなければ、

花は咲かないと言うことです。難しいのは、霜を当てると、葉は茶色くなって枯れてしまいます。

また、寒すぎても、葉は変色して、茶色くなり、花を咲かすどころか、最後は枯れてしまいます。

 

ここで仕事と併せて、考えてみたいと思います。花を咲かせるのが仕事の結果とします。

ひとりひとりがきれいな花を咲かすことを、本人たちが望んでいるとします。

そのために、周りの環境を変化させる必要があります。太陽を当てたり、水をあげたり、

肥料をあげたりするのです。

 

本人たちが、本当に花を咲かせたいのか、どうかは最後までわかりません。

私のクンシランの様に、札幌の実家では咲かなかった花が、環境が変われば咲く花も 

あります。そのまま、咲かずに終わる花も、あると思います。 

花を咲かせるのに、寒さが必要かもしれません。しかし、もっと大切なのは、クンシラン自身が、

花を咲かすと言う気持ちが、あるからこそ、寒さを与え、 厳しくした結果、大きな花を

咲かせることができるのです。

 

二つ大事なことがあります。人を育てるときに、 

@本人が育ちたいと、花を咲かせたいと思っているのか

A環境が花を咲かせる環境にあるのか

 

この二つが本当に大切なことと思います。

何時までも花の咲かない植木鉢を工場に置いておくと、花にとっても不幸な事と思います。

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

河岸宏和(かわぎしひろかず)