==================================食品工場の工場長の仕事とは==

■■    「祖谷そば」産地偽装

■■■                            2010年1月17日発行 

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おはようございます。河岸です。

今晩

1月17日日曜日のTBSラジオ、サイエンス・サイトークに出演予定です。

日曜日の夜9時〜9時半の30分間です。

食品に関してお話ししますので是非聞いてみてください。

放送は関東のTBSラジオだけですが、ポストキャストで何時でも聞けますので、

是非聞いてみてください。

http://www.tbs.co.jp/radio/xitalk/

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「Science Xitalk(サイエンス サイトーク)」は「人間を科学する」トーク番組。

21世紀に入り、人は宇宙を、地球を、生命をどこまで知ることができたのか。

そして私たち人間自身をどこまでわかってきたのか。

「Xitalk」はインターネットの「Site」と「talk」を合わせた造語です。

「Xi」にすることで、「X」の未知な雰囲気や「Excite」するなどの意味も持ちます。

毎回科学の最前線に立つ研究者をスタジオに招き、

ジャーナリストの日垣隆が鋭く迫ります。

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今週のお勧めの本です。

クラウド・コンピューティング仕事術 (朝日新書) (新書)

西田 宗千佳 (著)

アイホンをどう使うか

 クラウド・コンピューティングの入門書です。メールは消さずにすべて残

すこと。

 特にGメールについて詳しく解説しています。

 いままでのメールは消すことがパソコンを早く使うためにも必要でした

 しかし今の時代のパソコンなら著者の言われるように消す必要は無いの

かもしれません。

 必要なデーターが分散しないようにどうしたらいいかと、データーを集中

することによる危険性を伝えてくれています。

 データーを集中してアイホンなどで活用する事が大切です。

 特にパスワードの危険性を改めて解説してくれています。

 クラウドされどクラウドです。

 クラウドが何か知りたい方のための入門書です。

http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4022732954

★4個です。

 

・食品工場の参考になる本  

   http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102

・中食・外食で参考になる本 

   http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22

  

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 「祖谷そば」産地偽装

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枠内表示をみれば

 食品の表示は枠内に表示することと定められています。

 食品表示の信頼性を上げるためには、やりすぎの事はありません 

 毎朝新聞を読んでいると、三面記事の下に毎日のように、お詫びの社告

を見ることが出来ます。

 2002年の雪印食品の、牛肉買い上げ事業の補助金詐欺事件からは、特

に目に付くようになって来ています。

 表示に関する社告では、アレルギー物質の表示が抜けていたというもの

と、賞味期限表示が間違っていたと言う、信じられない物があります。

 アレルギー物質は、設計段階では確認できなかった物が入ってしまった

場合が多いようです。

 この事故を防ぐためには、書類上の審査を強化することはもちろんですが、

原材料の中で一次加工されている物については、定期的に外部検査機関

による検査結果を添付させる必要があります。

 原材料の規格書だけに頼らずに、最終商品でのアレルギー検査を、細菌

検査と同じように定期的に実施する必要があります。

 

最低限必要な表示です

 表示は、最低限書かなくてはいけないことがあります。

 名称、事業者氏名、住所、原材料名、添加物、内容量、賞味期限表示、

保存方法、使用方法、原料の原産国、公正マーク、その他の特定事項が

あります。

 今回のそばの偽装表示は、「原材料は使用した量が多い順に記載しな

ければならない」と言う項目で、原材料表示にそば、小麦粉と書いてあっ

たため発覚したとされています。

 枠内表示に実際に使用している原材料、添加物と異なる物を記載する

と法律違反になってしまいます。

 原材料は使用している量の多い順に記載すること。

 添加物も使用している量の多い順に記載すること。

 この2点が守られていない工場が多いのも事実です。

 これに企業としては次の表示がいります。

 コールセンターの電話番号、コールセンターの受付時間、メールアドレ

ス、ホームページのアドレス、危険表示などがあります。

 これらの表示は、見えやすい位置に8ポイント以上の活字を使用して表

示しなければなりません。

 また栄養表示の表示も必要です。栄養表示は罰則規定がありませんか

ら、表示されていない食品が数多く存在しています。

 

より親切な表示です

 食品表示はお客さまが、商品を選ぶときに見えやすいことが大切です。

 法律上では、8ポイント以上の活字を使用して表示することになってい

ますが、日本の高齢者社会になってきたことを考えると10ポイントの活

字を使用して、より見やすく表示することが、差別化に繋がると思います。

 加工食品の場合、調理法が大切な点になります。

 調理法を解りやすく表示する事によって、美味しく食べて頂けます。

 実際に表示されたとおりに造るとびっくりするくらい美味しくできあがる

加工食品があるとそれは、表示がセールスポイントになります。

 

情報の公開が必要

 この商品は鹿児島産の黒豚を使用しています。よく見る表示です。

 お客さまの立場になって、原料の差別化の表示を考えてみます。

 畜産加工品でお客さまが知りたい情報は、どこで産まれて、どこで飼育

したか、いつからいつまで飼育したか、誰が飼育したか、どんな種類なの

か、どんな方法で飼育したか、何を食べて育って来たか、屠殺したあとの

格付けはどうであったのか。

 この全ての項目に対して、工場の製品ロット毎にトレース(紐付け)が出

来る必要があります。

 例えば、鹿児島産の黒豚で言えば、農林水産省の「黒豚」定義によりま

すと、黒豚とは純粋バークシャー種同士の交配から生れた豚をいい、この

豚肉のみについて黒豚(肉)と表示できる事になります。

 バークシャー種の特徴全身は、黒色の毛で覆われていますが、鼻先、し

っぽと4本の足首は、白毛です。いわゆる6白の豚になります。

 この黒豚を産まれてから屠殺までを全て鹿児島で育てていると考えるの

が一般のお客さまです。

 

全ての原料の履歴をつかむ必要があります

 工場の製品で差別化の表示をした場合には、いつでもお客さまからの問

い合わせに答えられるようにしておくことが大切です。

 商品をお客さまの手元に届いたときにはその商品の製造工程の記録、原

材料の氏素性が明確になっているデーターが、コールセンターに記録として、

保管できるようにしておくことが必要になります。

 差別化の表示のためには、サプライチェーンシステムと同じような考え方で、

原料メーカーからの統一した考え方が必要です。

 そのときには、いままで生産者がタブーとしていた情報(抗生物質の使用、

薬剤の使用)まで工場でつかむことによって、よりお客さまからの信頼を得る

ことが出来ると思います。

 

クイックレスポンスが大切です

 全世界から原料を集めてきて食品を製造しています。

 それぞれの国でどのような方法で造られた原材料か、データーを付けて

明確にする事で、工場の信頼性は一段と上がると思います。

 コールセンターに問い合わせたときに、直ぐにその商品のロットは何時何

時のどこどこの原料を使用して製造しましたと即刻答えることが出来れば、

お客さまの信頼は非常に深まると思います。

 

改めて貴方の工場の表示を見直してみませんか。

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「祖谷そば」産地偽装

中国産使用 県、つるぎの業者に改善指示

偽装が発覚、県から改善を指示された北室白扇(つるぎ町半田で)  県は

13日、中国産のそば粉で作った干しそばに「秘境祖谷(いや)谷産そば粉」

のラベルを張って東京都豊島区のスーパー「サカガミ」(坂上和也社長)に

販売したとして、つるぎ町半田の製めん業「北室白扇」(北室サキ社長)に

対して、日本農林規格(JAS)法に基づく改善を指示した。農水省関東農

政局もサカガミに改善を指示した。

県によると、北室白扇は2008年9月〜09年10月、中国産そば粉で作っ

た干しそば「手のべ祖谷そば」(1袋300グラム)をサカガミに計7760袋

(2328キロ)販売。サカガミは東京都と埼玉県の店舗で1袋380円で売っ

ていた。そば粉の1キロ・グラム当たりの市場価格は中国産が200円、国

産が500〜600円という。

北室白扇は02年からサカガミとの取引を開始。元々中国産のそば粉を使

っていたが、サカガミから送られてきた「祖谷産」のラベルをそのまま使用し

ていた。農政局の調査に対し、サカガミは「中国産とは知らなかった」と話し

ているという。

農水省が09年7月から全国でそば加工品の特別調査を実施。10月、原材

料の重量割合が小麦粉の方が多いのに、表示欄にそば粉を先に記入した

配合割合の規定違反でサカガミを調査。原産地についての書類の提出を求

めたところ、偽装が発覚した。県と農政局は両者に対し、改善結果を2月15

日までに報告するよう求めた。

北室白扇の北室淳子常務(34)はこの日、読売新聞の取材に対し、「やめ

ようと思いながらずるずると続けてしまった。私が甘かった」と偽装を認め、陳

謝した。

北室常務は「もともと中国産の粉を使っていた。サカガミと取引をするように

なり、『祖谷そば』として売られていることを知った」と経緯を説明。食品偽装

が各地で相次いだ約3年前から問題の重大性に気づき始めたといい、「サカ

ガミ側に『このままでは大変なことになる。名前を変えたい』と申し入れたが、

『それでは売れない』と相手にしてもらえなかった。消費者のことを考えてい

なかった」と述べた。

すでに昨年10月からそばの製造はやめているといい、「今は、そうめんの

製造も含めて白紙です」とした。

 

 

(2010年1月14日 読売新聞)

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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