========================================食品工場長の仕事とは===

■■    仕分け作業について


読者の方からメールを頂きました。少し質問がたまっていますので返事は遅く

なるかもしれませんが、必ず返事しますのでどんな事でも質問を送付お願いし

ます。

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はじめて投稿させていただきます。

私は今年、食品工場に勤務になった新入社員です。

現在、仕分けと言われる部署で研修中です。そこで先輩の社員に言われたこと

なのですが、仕分けは生産していないから利益を生まないということです。だから

私の工場の仕分け室では、品質管理も工場長も誰も踏み込んでいないのです。

果たして本当に利益がでないのでしょうか?

このままだと不安で毎日同じ作業に没頭し向上できない気がします。

よろしくお願いします。

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通いコンテナが増えてきています。

 工場からお客さまの所までは、運ばなくてはいけません。日本の物流は段ボー

ル物流が殆どです。日本のスーパーなどにお店にトラックが着くと色々な荷物を

下ろしています。よく見ていると段ボールに詰めている物、コンテナ(プラスチック

容器)に詰められているもの、そのコンテナが折りたたみの物など色々あります。

段ボールは、お店まで運ばれると段ボールの使命は終わってしまいます。その

後リサイクルされますが、運ぶだけに使うのであれば、コンテナの方が経済的に

なります。但しコンテナは回収が必要です。回収するためには、毎日同じ所に配

送して、同じ所から回収する必要があります。トラックの有効利用を考えると、行

きと帰りで別々の荷物を運んだ方がいいので、日本は段ボール物流が多くなって

きています。強度、水濡れ、段ボールの止め方があります。段ボールの一番の必

要性は強度です。中身の商品がつぶれてしまっては大変ですから、トラックいっぱ

いに積んでも一番下の段ボールがつぶれない事が大切です。一般的には2m位

積んで自重でつぶれない強度で設計しています。

 

箱詰めでも付加価値を考えることができます。

 業務用の食材を製造しているところは、通いコンテナが増えています。工場の

包装室に外で流通していた段ボールを直接入れることは出来ません。必ず外箱を

はずして持ち込むことが必要です。工場に在庫するときは、物理的に壊れない強

度が必要です。包装室に持ち込むときは、ゴミ、埃などが付いていないことが必要

です。タケノコの皮をはぐように、各工程で外側の皮をむくように包装してあれば、

納入先の工場に対して大きな付加価値になります。コストを抑えるためには、段ボ

ールの在庫量を減らす事が必要です。段ボールを全ての商品で共通段ボールを

使用して、箱詰め、テープ貼りを自動化する事で、省人化、在庫の量を減らすこと

ができます。商品の区別のための表示は、インクジェットを用いて直接段ボールに

表示が出来る印刷機が開発されています。段ボールから商品を取り出すときに、

カッターなどを使用して、テープを切らないでも、テープの端が簡単にとれるように

しておくとか、冷蔵庫の中で日付を確認するときに、見やすい大きさにするとか、

賞味期限、入荷日、使用期限などの日付をかけるようにするとか、付加価値を考

えると付けることはいくらでもあると思います。

 

付加価値を付けた仕分けが求められています。

 単純にお店毎に仕分けして届けるだけでなく、付加価値を付けていく時代になっ

てきました。スーパーなどのお店に並べるときに、ゴミが一切でないようにしていく

事。お店で並べるときに棚毎、カテゴリー毎に仕分けされていること、もっと先を考

えている配送センターでは、配送された棚毎入れ替えればお店の陳列が終わって

しまうように、仕分けることが出来れば、お店での効率は非常に上がってきます。

単に仕分けをするだけではなく、付加価値を付けることが必要です。仕分けで付加

価値を付けることを考えて、毎日の作業を行うか、単純に仕分け作業を続けて行く

かは、結果として大きな差になって行くと思います。付加価値を付けることができれ

ば、その価値が、工場の魅力に変わって行くのです。

 

工場の作業の中で付加価値が付かない作業はありません。

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

河岸宏和(かわぎしひろかず)