==================================食品安全教育研究所発行=
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■■ 市場回収を考える
■■■ 2015年7月19日発行
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おはようございます。河岸です。
ゴキブリの足が製品に入っていたとします。
お客さんから「この製造ロットは回収しないのですか」と
問われたときにあなたはどのような答えを出しますか。
何時起こるかもしれない事を責任者は常に考えて置く事が
大切なのです。
私、河岸宏和の記事が掲載されています。
→ 2度と行くか!最低の焼き鳥店、ここで見抜け
近所の「あの店」、チェーン、居酒屋は大丈夫? |
「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます
- 東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/76987
私、河岸宏和もコメントしています
→ 給食袋からゴキブリ、そして飛んで行った
「巣を作っている可能性」専門家指摘
http://www.j-cast.com/2015/07/15240350.html
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・食品工場で便利な備品
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22?_encoding=UTF8&node=16
青いラップなど便利な備品です。
・食品工場の参考になる本
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市場回収を考える
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会社の考え方が明確になる回収の判断
2008年に発生した中国毒入り餃子事件は、報道によると
2007年10月に既に異常が有る物が、流通上の仕分け作業
中に発見され、お客様からも異臭のクレームが発生してい
ました。
中国毒入り餃子事件は、過去に発生した食品偽装とちが
って、人体に被害が発生しています。もし異常に気がつい
た時点で徹底した調査と、商品の回収が行われていれば、
人体への被害は防げたと思います。クレームが発生したと
きは常に最悪の事態を想定し対処することが大切になりま
す。
一つの事例で考えて見ます。アメリカで1982年に起
きた鎮痛剤の回収の事例で検証してみれば中国毒餃子事件
との対応の差が浮き出てくると思います。
アメリカのシカゴでシアン化化合物の中毒で7人が死亡
しました。警察の調査では、7人とも死亡する直前に鎮痛
剤のタイレノールを使用していました。
この時点では、タイレノールはシアン化化合物混入の疑
いがあるだけで死亡原因かどうかは不明でした。しかし、
製造メーカーのジョンソン・アンド・ジョンソンの責任者
はマスコミと協力して、製品の全品回収を決断しました。
もちろん「タイレノールは飲まないように」とマスコミ
などを通じて警告をしています。
ジョンソン・アンド・ジョンソン社は、調査に調査をし
ましたが、結局、死因とタイレノールとの因果関係は不明
だったそうです。
会社の方針が大切です
ジョンソン・アンド・ジョンソン社の信条には「トラブ
ルが起こったら直ちに正直にデーターを公開し、メディア
を責任追及で攻撃してくる敵ではなく、事故を報道するこ
とで回収を手伝ってもらえるパートナーとみなす」と約束
毎が書いてあります。
タイレノール事件の時にこの信条に従い行動しただけだ
ったのです。
鉄道事故で考えてみます。1962年に発生した常磐線三河
島事故が160名もの死者を出してしまったのは、事故発生時
に直ぐに近くを走っている車両を事故後直ぐに止めなかっ
たためと言われています。事故が起きてしまい事故車両か
ら避難している人たちを上野行きの電車が跳ねてしまって
二重被害が起きてしまいました。
事故で怪我をした方より、二次被害で怪我をされた方が
多かったのです。
JR東日本では電車事故が発生した場合は、まず近くの電
車をすべて止めることを教育しているそうです。
まず、お客様の安全を第一に考え被害が広がる可能性が
ある場合は市場回収が必要なのです。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
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