==================================食品工場の工場長の仕事とは==

■■   セシウム牛肉を考える
■■■               2011年12月11日発行 
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おはようございます。河岸です。 
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 セシウム牛肉を考える
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なぜ牛肉の汚染が広まったのか

 3月の福島原発事故のあと、4ヵ月以上もたってから、牛肉の
セシウム汚染が発覚しました。
 牛肉の汚染は、2つのルートから考えなければいけません。
 ひとつは、誰も公にしていないことですが、牛特有の「流通」の
問題です。
 食肉には、豚肉、牛肉、鶏肉、その他とありますが、このうち
「流通」が最もはっきりしていないのが、じつは牛肉なのです。
 牛を含め、家畜の繁殖は人工授精によって行われます。
 牛の場合、出産後は子牛の状態で産地に連れていき、そこで育
てることが一般化しています。その繁殖地が福島、鹿児島、北海
道にあるのです。
 なぜこんなことをするのかというと、ひとつはブランド牛に対
するニーズです。
 福島で繁殖させて福島で育てればいいようなものですが、それ
だと「福島牛」ということになってしまいます。しかし、子牛を
米沢に運んでそこで育てれば米沢牛、松坂で育てれば松坂牛とい
うブランドになるのです(これはたとえ話で、実際に米沢牛、松
坂牛が福島から運ばれているという話ではありません)。
 JAS法で定められている「牛の産地」とは、「その牛が一番
長く過ごした土地」ですから、子牛を他の土地に運んで育てて、
その土地のブランドとして売っても法律違反ではありません。
 では、なぜそれぞれの産地で繁殖をさせないのでしょうか。
 以前は、家畜業者がそれぞれに受精をさせ、繁殖させて育てて
いたのです。
 ところが、ほかのところで一括して受精させて、ある一定の大
きさの子牛にまで育て、それを運んできて成牛に育てたほうが、
同じ面積で2倍の牛を育てることができます。というよりも、
100しか生産できないところで200の牛を育てようとした結
果、こういうことが行われるようになったのです。
 なぜ、そんなにも生産効率を求めるのか。
 その背景には、日本人のブランド牛に対する過剰なまでの「信
仰」があります。
 ブランド牛を誰もがありがたがる。だから、牛は歩けないほど
太らされ、病気になってその部分が腐食しているような状態にな
っているのです。
 サシが入った肉が高級とされていますが、本来、筋肉に脂肪が
入っているのは異常といえます。そんな牛を、日本人はありがた
がって食べているのです。まずいですか?
 こうした生産システムのおかげで、牛肉の本当の産地がわから
なくなってしまっているのが、第一の問題です。

誰も気にしていない牛の汚染

 牛肉汚染が全国に広がった2つめの理由は、報道されているよう
に、エサの流通・拡散によるものです。
 今回の原発事故では、当然牛たちも放射能に汚染されました。放
射性物質を空気から呼吸で取り込み、水から取り込み、さらにエサ
からも取り込んでいます。こうしてどんどん牛は汚染されていき、
濃度が高くなって、ついに暫定規制値を超えたのがセシウム汚染牛
の真相です。
 私には、牛の汚染が発覚するのは時間の問題だとわかっていまし
たが、当初それを訴えても誰も気にしてくれませんでした。残念で
なりません。
 牛のエサは、一部は配合飼料(濃厚飼料)ですが、ほとんどは草
です。
 配合飼料は輸入された穀物などが原料ですが、干草、青草、稲わ
らなどは、国内のものを食べさせています。そして、宮城や福島は
稲わらの出荷地域でもあるのです。
 事故が起こったとき、本来ならば、稲わらが汚染されないように、
扉の閉まる屋内に保管するか、あるいは離れたところに持っていか
ければなりませんでした。しかし、それは誰もやっていなかったの
です。
 その結果、汚染された稲わらは、全国へと運ばれていったのです。
 なぜ、稲わらの管理を厳重に行わなかったのか。出荷を止めるべ
きだと気づかなかったのか。
 そこには、「人間の食べるものではないからいいだろう」という
慢心があったとしか思えません。

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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