==================================食品工場の工場長の仕事とは==

■■    生産性を優先するか安全を優先するか

■■■                            2009年9月12日発行 

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おはようございます。河岸です。秋を感じる季節になりましたね。

セミナーの案内です。

「食品期限設定における科学的決定法と期限切れ商品の取り扱い」

日時 平成21年10月26日(月)10:00〜18:30

会場 [東京・蒲田] Pio C会議室

私も講師を行います。

http://www.gijutu.co.jp/doc/s_910122.htm

講師割引がありますので是非受講してみてください。申込時に河岸の

紹介と是非伝えてください。↓↓↓↓↓

http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/syousemi95.htm

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今週のお勧めの本です。

ゴミ分別の異常な世界―リサイクル社会の幻想 (幻冬舎新書) (新書)

                       杉本 裕明 (著), 服部 美佐子 (著)

自治体によってこんなに違うって

 日本の自治体のゴミの集め方処理の仕方を詳しく解説しています。

 私の住んでいる町では何でも燃えるゴミになってしまいます。

 ビデオテープ、皮の鞄、ビニール類がすべて燃えるゴミです。

 分別ゴミは、ガラス瓶、アルミ缶、鉄缶、燃えないゴミ、ペットボトルと

こちらの分別も非常に種類が異なっています。

 日本中の自治体がどんなゴミの分別を行っているかが、良く解ります。

 惜しいことに、「だからどうしたらいいんだ」「日本の行政はどこに進む

べきか」と言う提案が抜けているので★は4個です。

 ゴミの事を考えている方にはお勧めの一冊です。

http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4344981332

★4個です。

 

 

ISOマネジメントシステムの崩壊は、何故起きたか (単行本

                                西沢 隆二 (編集)

ISOはマークでは無い事を

 名刺にISOの認証を受けていることを印刷している方は多い物です。

 何故あなたは名刺にISOの認証を印刷しているのでしょうか。JISマー

ク、STマーク、JASマークなどと同じで、「我が社の商品はすばらしいん

だよ」とマークを付けているような気が私は思っています。

 ISOマネジメントの本来の目的は、「コア活動」を行う事と著者は語っ

ています。

 コア活動とは「それがないとその組織の活動の存在意味が無くなる」

という意味で使います。

 ではISOのコア活動とは何か、不良品を減らし、クレームを減らし、利

益を上げるマネジメントを行う事になります。

 ISOとは書類にはんこを押すと思っている方にお勧めの一冊です。

http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4773376635

★5個です。

 

・食品工場の参考になる本  

   http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102

・中食・外食で参考になる本 

   http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22

  

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 生産性を優先するか安全を優先するか

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読者の方からメールを頂きました。

どのような質問でも受け付けますので是非メールをお願いします。

皆さんからのメールがメルマガ継続の力になります。

質問はこちらから  http://form.mag2.com/rouvoviami 

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ご意見、ご質問:

 はじめまして。毎回参考にしています。私は、冷凍食肉加工工場の工場

長をしています。

 工場には40人くらいのパートさんがいます。工場自体には製造ラインが

ありません。

 作業に応じて、毎日機械や作業台を動かしています。つい最近までは

小品種大ロットで良かったのですが、今は多品種小ロットにシフトしていき

食肉機械や金属検査機が足りないため、どうしても半製品の滞留がおき

てしまいます。

 肉を先にカットして、袋詰めは午後からとか・・・。品質的にも生産性を見

ても悪くなるのは分かっています。

 現状の設備では限界があるし、今のところ会社は設備投資を考えてい

ません。

 何でもよろしいので、アドバイスをお願いします。

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天秤にかける事ではありません

 質問を頂いた工場長の誠実さが伝わってくるメールです。

 工場長の立場であれば、生産性を優先してある程度の品質は犠牲にす

る工場が多いのに、何か工夫が出来ないかと考えることはすばらしい事

だと思います。

 生産性と安全、品質は両天秤のように生産性を上げるためには、品質を

犠牲にしても良いと思っている方もいると思います。

 しかし、安全性は家の土台のような物で、無くてはならないものなのです。

 日本映画に「砂の器」と言う映画があります。指揮者として成功した人生

を送っていると思えるような人でも、自分の人生の土台の部分が砂で出来

ていれば、あっと言う間に崩れてしまうという映画です。映画の冒頭のシー

ンで、砂で作った器で遊ぶ子供が描かれています。砂で作られた器は海

の波にあっと言う間に流されてしまいました。

 

品質を基本に半製品を考える

 一貫して製品を作り上げることができれば品質上の問題は出てこないは

ずです。

 しかし、肉のカットと包装設備の生産能力に差があればどこかで製品の

滞留が起きてしまいます。

 製品の滞留が起きてしまって、半製品の状態で保管を行わなければな

らないときに、品質が損なわれない状態までは製造を続けることが大切

です。

 品質を損なわない状態まで製造を続けると結果として製品歩留が上がり、

生産性がよくなると私は信じています。

 肉のスライスであれば、スライスした肉を袋詰めし、シールする直前まで

は一連の流れで行った方がいいと思います。

 シールまでするのがいいのは、言うまでもありません。

 ここで注意が必要なのは、金属探知機などの検査工程を後回しにすると

きに、従業員の方が誰が見ても検査が終わったものか終わっていないも

のかが識別できるように容器の色などを変えて、加えて表示が必要になり

ます。

品質を土台に考えることが大切になります。

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

ご意見はこちらから

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河岸宏和への質問



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「スーパーの裏側」

「食品販売の衛生と危機管理がよ~くわかる本 」

「食品工場の衛生と危機管理がよ〜くわかる本」

『“食の安全”はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実』 

『ビジュアル図解 食品工場の点検と監査 』

『ビジュアル図解 食品工場の品質管理』 

『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』

 

河岸宏和(かわぎしひろかず)