========================================食品工場長の仕事とは===

    整理整頓について


工場の管理は6Sで行います。

 工場管理は6sと言われます。整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seisou)、

躾(Situke)、測定(Sokutei)、笑い(smile)この頭のSを取って6Sと言います。

http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/6s4.htm

 

昔から言われていたときの工場管理の手法は、整理、整頓、清掃、躾の4Sでし

たが、最近は、HACCP、ISOがらみで測定、校正が大事な仕事になってきました

のであえて6Sの方がいいと思います。最後の笑いは、工場で人と接するとき教育

を行うときには大切な事と思います。笑顔で座っているのと、難しい顔をして座って

いるのでは、話しかけやすいか、話しづらいかは言うまでも無いと思います。また

躾ではなく習慣と言われる方もいますが、習慣よりも工場長の立場としては、躾の

方がいいと思います。毎朝挨拶をしなさい、とか挨拶は必ず相手の目を見てしなさ

い。とか 躾に関する事の方が習慣よりも一つ上のような気がしますからその方が

いいと思います。

 

整理整頓は工場管理の基本です。

 よく、子供に対して「整理整頓しなさい。」って話しますが、良く伝わらないことが

有ります。同じように、工場のメンバーに対して毎日毎朝整理整頓と繰り返して話

しても伝わらないことが多いと思います。では、具体的にどのように話したらいいの

でしょうか?言葉が通じると初めてコミュニケーションが成立します。最近思うのです

が、朝礼等で話しても伝わって居ないことが多いのでは無いかと言うことです。本当

に、話した言葉が通じているか試してみるとおもしろい物です。私はよく。、「本当に

判っているの?」と聞いてみます。聞いて見て話した相手に、伝わった事を聞いてみ

ると伝わって居ないことが多数あります。図解の『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』

を書いたのも言葉より図の方が伝わりやすいと思い図にしました。工場内で働いて

居る方々も日本語を理解していない方もいるので、これからは図表を多く使って説明

していくことが必要だと思います。子供の頃の紙芝居のイメージになります。

 

 整理とは、使うものと使わない物を分けて使わない物はかたづけること。自宅の場合

と工場ではちょっと考え方が違いますので、そこの所は含んで聞いて頂きたいのですが、

思い出の品、いつも手元に置いておきたい品を外して考えて頂ければ、工場も自宅も

同じだと思います。洋服でも体型が変わったり流行が変わったりすると着られなくなる

服があります、洋服という機能だけを考えると、使える物でもったいないと考えてしまい

ますが、去年の同じ時期から一回も着ていない服は、これから先一年間は着ないと思

います。礼服の様に冠婚葬祭が無いと着ない服も有りますが、それ以外は整理すると

言うことは、捨てると言うことになります。この一年間使わなかったものを一ヶ月間、三ヶ

月間、半年、5年と考えてきちんと話すと整理するという意味がきちんと伝わると思いま

す。子供の様に体が大きくなったり、学年が上がったりすると古い教科書が捨てられた

り、ランドセルが捨てられますが、大人になるとなかなか踏ん切りがつきません。ランドセ

ルを捨てるというと抵抗が有る方もいると思います。工場の中も同じで、大事につかって

いた機械、備品を捨てるのは思いっきりがいります。ランドセルを取っておいても思い出

以外にはなりません。

 

整理がおわれば整頓をします。

 本箱は、本を入れるところ。では例えば「バカの壁」の本はどこに置いて置くのが正しい

のでしょうか?買ってきたときは本箱のどこに置くのが正しくて、読んだ後の本はどこに置

くのが正しいのでしょうか。まず、本は本箱に置きなさい、読み終わったら有った所に戻し

なさい。

 

スタートはここからです。

 進んだ工場では、買ったらこの場所に置いて、読み終わったらこの場所に置いてと全て

場所まで決まっているとすばらしく整頓が出来ます。次のステップとしては、本箱の大きさ

を決めたら、入らなくなってきたら、本箱を買いたすか、読まない本を捨てるかのどちらか

です。その判断をしないで、工場のメンバーに対して整頓がなっていないと話していません

か。

 

どこから整理整頓を進めるか

 さーここで更なる問題です。整理整頓しなさいという話しをすると、とりあえず倉庫に片づ

けてしまいます。家で考えると物置、屋根裏、押入、レンタルの倉庫等々目にとまらない所

に物を押し込んでしまいます。思い出と暮らしたい方は別ですが、部屋は狭くなってきます。

部屋が狭いだけならいいですが、本来倉庫に入れなくてはならない物が、入らなくなったり

更に倉庫を建てなきゃならなくなったりします。土地と建物を考えると、普通の家でも坪10

0万近くなってしまいますので本来いらない物、使わない物を保管する必要があるかどうか

決めなくてはいけません。レンタル倉庫に家庭のものを入れてしまうと、今度はそのレンタル

倉庫の中にどんどんものがたまってくることになります。人間は目の前からものが消えてしま

うと一安心してしまいますので、管理下にあるものはすべて明確にしておく必要があると思い

ます。もちろんレンタル倉庫代がかさんで来ることになります。工場でも、書類がたまってくる

と、倉庫を建てたり、古い貨車を買って倉庫替わりに利用しますが、税務上必要な書類以外

は廃棄が原則になります。

 

ここで整理整頓しなさい。と話す前に決めなきゃならないことをおさらいします。

1 何ヶ月使わなかった物を整理するか

2 整頓するスペースをどう考えるか

この二点を、きちんと決めて次のステップに進まれることをお勧めします。

 

自分の家の中の整理整頓をしてみてはいかがですか。

まず、家の机の中、本箱の整理整頓をお勧めします。

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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