========================================食品工場長の仕事とは===

サルモネラ菌、採卵養鶏場4分の1で検出 養鶏協会調べ

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おはようございます。

河岸です。昨日の朝日新聞の一面トップが鶏卵のサルモネラに関する記事

が出ていました。夏が終わり9月には大きな食中毒が出る時期になってきて

います。外気温が下がると、食べ物に関する注意力が落ちるのと、何より

人間自体の体力が落ちてきているので、今までは症状が出なかったものでも

菌の種類によっては食中毒になってしまいます。充分な注意が必要になる

時期です。

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サルモネラ菌、採卵養鶏場4分の1で検出 養鶏協会調べ

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鶏卵は出所が判ることが大切です。

 鶏卵、卵はどこからくるか、この当たり前な質問をあなたが仕入れている卵の

仕入れ先に尋ねて見てください。私のメルマガを読まれている方は、外食産業で

働いている方も多いので、サルモネラ中毒は非常に身近なものと思います。これ

からの時期は十分に注意する必要があります。卵はもちろん鶏から産まれます。

ダンボールに入っている卵も、10個パックに入っている卵も鶏から生まれます。

その目の前に有る卵が、何時何処で産まれたのか、生まれるところは見ることが

出来なくても、何時鶏舎から採卵したのかを聞いて見てください。スーパーなどで

見ることの出来るパック卵には、卵を洗浄選別したところは書いてありますが、

生まれた農場が書いてある卵は非常に少なくなります。そして、採卵した日付が

入っている卵はもっと少なくなります。何故、採卵した農場が大切かというと、サル

モネラは農場毎で検査していますので、洗浄選別している場所よりも採卵した農

場が大切なのです。農場が安心できれば次は採卵してからの温度管理がどのよ

うになっているかを、卵の納入業者に聞いて見てください。卵はもちろん産まれた

ときは鶏の体温36℃以上になっています。36℃の卵がどのように温度変化をし

てあなたのお店、工場に届いているか聞いて見てください。

 

農場

配送車

洗浄選別工場の温度

配送車

あなたの工場、お店の管理温度

使用時の温度

 

温度管理が何故大切かは、日卵協のホームページを見て見てください。

http://www.nichirankyo.or.jp/ansin/amsin01.htm

 

この中でイギリスのハンフリー博士の実験結果が出ています。この表の中では

29℃までが書かれていますが、この博士の結果では36℃に保管した場合は

なんと24時間でサルモネラが食中毒を起こす菌数まで増えるテスト結果が出て

います。真夏の養鶏場から常温のトラックで配送して、あなたの暑い厨房、工

場で卵が管理されているとしたら、サルモネラは直ぐ食中毒として現れてきます。

 

鶏卵は保管温度が非常に大切になります。

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サルモネラ菌、採卵養鶏場4分の1で検出 養鶏協会調べ

2006年09月15日08時08分 朝日新聞より

 全国の養鶏業者が加入する社団法人「日本養鶏協会」が04年度、食中毒を

引き起こす恐れがあるサルモネラ菌感染の初めての全国調査を行い、調査した

204の採卵養鶏場の4分の1以上にあたる54養鶏場の鶏舎と鶏からサルモネ

ラ菌が検出されていたことが、同協会の非公表の報告書などから分かった。農

林水産省は来年度から、食品の生産・流通現場での微生物汚染の調査を始め

る方針を決めた。

 養鶏場のサルモネラ菌を一斉に調査した例は過去になく、汚染の実態が全国

規模で明らかになるのは初めて。調査は、3269万円の費用の全額を農水省所

管の助成金から受けて行われた。

 昨年3月にまとめた報告書などによると、調査対象は全国に約3600ある採卵

養鶏場の戸数から都道府県ごとに1割程度抽出した養鶏場。そのうち調査に協力

した204養鶏場が、それぞれ50羽分の鶏のふんと鶏舎の換気口、換気扇に付い

たちり、ほこりを2検体ずつ提供した。

 その結果、15養鶏場の鶏ふんと、48養鶏場のちり・ほこりからサルモネラ菌が

検出され、いずれかで陽性だったのが54あり、全体の26.5%に上った。さらに

10万羽以上の大規模養鶏場では80のうち27養鶏場と、3分の1以上が陽性だ

った。

 54養鶏場から検出されたサルモネラ菌株のうち半数以上は日本で過去に食中

毒を起こしたタイプだが、最も多く食中毒を起こすサルモネラ・エンテリティディス

(SE)菌は1株だけだった。

 専門家によると、サルモネラ菌に感染した鶏は高い場合で数%程度の確率で

感染卵を産むという研究報告があるという。

 欧米で定期的に行われているサルモネラ菌の全国調査は日本では行われてお

らず、汚染の疑いが高い場合などに自治体や業者が個別に調べているだけだ。

このため農水省は、生産から販売現場までの微生物汚染の調査を来年度から5年

かけて行う方針で、8700万円の予算を要求した。

 一方で、日本養鶏協会は調査をもとに会員向けの感染防止マニュアルを作ったが、

調査結果は公表しなかった。「鶏卵の多くが汚染されているかのような誤解を消費

者に与える恐れがあったためだ」と説明している。

     ◇

 〈キーワード:サルモネラ菌〉 牛や鶏の消化器に付く細菌で、肉や卵に感染する

ことがある。2501種類のうちSE菌やサルモネラ・ティフィムリウム(ST)菌など少

なくとも20種類以上が、体力の弱い人に下痢や高熱などを起こすことがあり、日本人

の食中毒の代表的な原因菌。血液に入ると敗血症などでまれに死亡し、国内で年平

均1人程度の死者が出ている。7月にはSE菌に感染した大阪府の女子児童(9)が

死亡し、食べた生卵との関連が疑われている。

 

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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