========================================食品工場長の仕事とは===
サニテーションの実例について
「サニテーションの基本について」
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/sanite10.htm について読者の方から
質問を頂きました。皆さんからの質問がメルマガ推進の力になりますので
些細な事から大きな事まで何でも質問をよろしくお願いします。
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こんにちは
いつも拝読させてもらっています。
食品会社に勤務する会社員です。
今日のメルマガを読んで、いつも気に掛けていたことがあるので、思い切って
質問します。魚の身卸し(三枚卸し)工程でのフィレマシーン等の機械の清掃・
洗浄には苦慮しています。現状での方法は中性洗剤で洗浄→高圧洗浄機で
洗浄→熱湯殺菌(レオナード)→次亜塩素酸ソーダ殺菌→翌朝流水で濯ぐの
以上です。ただし、それでも48時間後(25℃保存)の一般生菌数は5乗〜7乗
です。一般生菌数、大腸菌群に有効な熱湯殺菌の温度帯を教えていただきた
くメールしました。
よろしくお願いします。
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原料の問題か洗浄の問題かを明確にします。
読者の方のメールではよくわかりませんので一般的にお話ししたいと思います。
最終の菌数が増えてしまうとの事ですので、この25℃での菌数が高いか低いか
の問題になります。実験的に非常に衛生的にした、包丁とまな板で、原料の魚を
処理します。非常に衛生的にとは、綺麗に洗浄して、75℃以上で、25分以上
加熱殺菌して殺菌後はそのままの状態で冷却して、使用前にはアルコールを
たっぷり振りかけます。もしくは使い捨ての、フイルム、使い捨てのナイフなどの
菌がいない状態で、原料をスライスして、現状と同じように、保存テストを実施し
ます。その衛生的にカットした場合の原料の菌数の増え方が機械を通しての菌数と
同じであれば、設備の洗浄の問題では無くなります。
実験的に行った菌数が増えずに、やはり設備が原因と考えられるときは次の
点を実施します。
1 拭き取り検査を実施します。
2 中間品の検査を実施します。
3 菌の同定をします。
4 洗浄殺菌方法を検討します。
1 拭き取り検査を実施します。
洗浄後すぐ、朝使用前、使用している間、一時間置きくらいに拭き取り検査を
実施します。特に可動部分、パッキンなどが使用されている、稼働部分は要
注意です。洗浄後、使用前は綺麗でも、すぐに汚染されてくる場合は、稼働
部分から、汚れがしみ出てくる場合がよくあります。
2 中間品の検査を実施します。
拭き取り検査と同じタイミングで、カット前の原料と、カット後の原料を検査します。
この中間品の検査によって、汚染がより明確に結果が出てきます。
3 菌の同定をします。
菌が何の菌か同定します。熱に弱い菌か、phで管理できるのか、殺菌剤が
必要かこの段階で明確になります。同定ができない検査室の場合は、殺菌
剤メーカーに依頼すればやって頂けると思います。簡単な培地の選択と
菌を簡単に加熱殺菌する事で菌種は判らないでも簡単に目星をつける事は
慣れている方ならできると思います。
4 洗浄殺菌方法を検討します。
全ての情報が出そろった段階で検討します。熱に弱い菌なら、その菌を試験管
に入れて、現状の殺菌状態で死滅するかが大切な点になります。塩素濃度が
適切かを検討する必要もあります。もっとも、冷蔵庫などからの二次汚染の
乳酸菌が発生して、菌数が増えている場合も有りますので、殺菌が全てでは
無くなってきます。
何故汚染しているかを検討して、その汚染を防ぐ方法を考えます。
決めつけずに、素直にデーターと向き合うことが大切です。