========================================食品工場長の仕事とは===
採卵方法について
採卵農場で人件費が一番かかっていたのが集卵作業です。
鶏舎の構造が多段のケージ方式に変化していった背景に人件費の軽減が
あります。餌の自動給餌は、ポンプで餌を吸い上げて、ポンプで餌をコンベアに
載せればいいので自動化は早い段階から進んでいました。しかし集卵作業は
割れやすい卵を集めるために、自動化が進んでいませんでした。しかし、人件費
が養鶏業の経営を左右するくらいに高騰してきたために、自動化が開発されまし
た。ケージから産まれた卵を自動でパックされる設備まで運ぶように開発されて
います。では歴史を追ってお話ししたいと思います。
1 庭先養鶏
2 平飼い
3 ケージの手集卵
4 ケージの自動集卵 農場で一時保管
5 ケージの自動集卵 包装設備まで自動で搬送
1〜5の様に歴史は流れてきました。
1 庭先養鶏
庭先で飼われている鶏は、毎日決まった所に卵を産みます。鶏は卵を産む
時には、小さな小屋(部屋)の中で卵を産みます。決して草の生えている平らな
所では産みませんので、卵を産む場所、小さな小屋を造っていれば毎日そこで
卵を産むようになります。その卵を集めるためには、かごを持ってかがみながら
一つ一つ卵を集めるので非常に大変な作業になります。
2 平飼い
大きなケージを造ってその中で鶏を飼う飼い方です。非常に大きな小屋を
金網で造ってその中に卵を産む小屋を造ります。その小屋の外側から集卵
出来るように工夫すれば、かがまないで採卵できるので効率はあがります。
3 ケージの手集卵
日本では一番多い採卵方法だと思います。ケージの中に鶏が何羽かづつ
いてそのケージの前に産んだ卵が落ちてきます。その卵を手で集めて歩く
ことになります。台車の上にエッグトレイ、30個乗るプラスティックで出来た
トレイに乗せて、卵の上に重ねながら歩くことになります。この方法でも
ケージが多段(重ねて置いてあるため)であるため、屈みながら歩いたり
背伸びしながら卵を集めるので非常に重労働になります。
4 ケージの自動集卵 農場で一時保管
ケージの前にコンベアを付けて、そのコンベアーで自動で卵を集めてきます。
その集まった卵を自動でエッグトレイ(30個乗るプラスティックトレイ)に乗せて
その卵の乗ったエッグトレイを、人手で、台車に乗せます。集卵された卵は
台車毎洗卵場に運ばれて行きます。
5 ケージの自動集卵 包装設備まで自動で搬送
4のコンベアが自動で洗卵機に繋がっています。人では掛からなくなってきて
います。この自動でコンベアをつなぐとどうしても、洗卵機の稼働が有るために
集卵作業をどのように集卵するかが、問題になってきます。この自動集卵装置を
付けるためには、最低50万羽の農場規模になってしまいます。そうすると、
1時間に5万卵流れる包装機(卵を洗ってパックに詰める機械)を使用すると
10時間掛かることになります。鶏は早朝から昼にかけて卵を産み出しますので、
早い鶏舎は、全ての鶏が生み終わる前に集卵のコンベアが動いてしまうことに
なります。また、最後にコンベアを回す鶏舎は、卵がコンベアにたくさん乗って
しまって割れてしまう原因になります。
集卵作業は、その日に産んだ卵をその日のうちに集めることが大切になります。
「卵の流通温度帯」で温度管理の大切さはお話ししました。
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/tamagohokan8.htm
鶏舎の中の温度は冬でも20℃以上になります。真夏では40℃を超える日も出て
きます。真夏に鶏舎の中に残された卵は、サルモネラ菌にとっては最適な温度帯と
言えます。集卵された卵はなるべく早く、温度管理された場所に動かすことが必要
です。せめて、真夏でも25℃を切る、クーラーの効いた場所に卵を置く必要があり
ます。
牛乳は、農家で搾乳して直ぐ、牛乳を冷蔵設備のあるタンクの中で低温保管します。
農家を回って牛乳を集めて回るタンクローリーも冷蔵設備が整っています。その
農家から食卓までの温度管理が牛乳の安全性を高めています。昔は、牛乳を家まで
配達してくれましたが、冷蔵設備の無い、トラックの荷台に牛乳を積んでそのまま
玄関先に置いてあったような気がします。
安全性の土台の上に効率を求めた設備が整うことを望みます。