========================================食品工場長の仕事とは===

   信頼される食品表示について 差別化の表示について 


情報の公開と、レスポンスのいい答えが大切です。

 

 この商品は鹿児島産の黒豚を使用しています。よく見る表示です。お客さまの

立場になって、原料の差別化の表示を考えてみます。畜産加工品でお客さまが

知りたい情報は、どこで産まれて、どこで飼育したか、いつからいつまで飼育した

か、誰が飼育したか、どんな種類なのか、どんな方法で飼育したか、何を食べて

育って来たか、屠殺したあとの格付けはどうであったのか。この全ての項目に対

して、工場の製品ロット毎にトレース(紐付け)が出来る必要があります。例えば、

鹿児島産の黒豚で言えば、農林水産省の「黒豚」定義によりますと、黒豚とは

純粋バークシャー種同士の交配から生れた豚をいい、この豚肉のみについて黒豚

(肉)と表示できる事になります。バークシャー種の特徴全身は、黒色の毛で覆われ

ていますが、鼻先、しっぽと4本の足首は、白毛です。いわゆる6白の豚になります。

この黒豚を産まれてから屠殺までを全て鹿児島で育てていると考えるのが一般の

お客さまです。

 

 

全ての原料の履歴をつかむ必要があります。

 

 工場の製品で差別化の表示をした場合には、いつでもお客さまからの問い合わせ

に答えられるようにしておくことが大切です。商品をお客さまの手元に届いたときには

その商品の製造工程の記録、原材料の氏素性が明確になっているデーターが、コー

ルセンターに記録として、保管できるようにしておくことが必要になります。これからの

差別化の表示のためには、サプライチェーンシステムと同じような考え方で、原料メー

カーからの統一した考え方が必要です。そのときには、いままで生産者がタブーとし

ていた情報(抗生物質の使用、薬剤の使用)まで工場でつかむことによって、よりお

客さまからの信頼を得ることが出来ると思います。

 

クイックレスポンスが大切です。

 

 全世界から原料を集めてきて食品を製造しています。それぞれの国でどのような方法

で造られた原材料か、データーを付けて明確にする事で、工場の信頼性は一段と上がる

と思います。コールセンターに問い合わせたときに、直ぐにその商品のロットは何時何時の

どこどこの原料を使用して製造しましたと即刻答えることが出来れば、お客さまの信頼は

非常に深まると思います。

 

お客様からの問い合わせにすぐ答える事ができますか?

答えた情報に間違いはありませんか?

 

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

河岸宏和(かわぎしひろかず)