=================================食品安全教育研究所発行=

■■  ルールを守らない従業員をどうするか
■■■                  2014年8月17日発行 
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おはようございます。河岸です。
 労災が起きた時に、「あーー彼なら起こしそうだった」、交通事故を
起こした時に、「彼の運転なら何時かは起こすと思っていた」等と
起こってしまってから、あれこれ言う方がいます。
 起きる前に注意する、どうしたら注意出来るか考えて見ませんか。
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 ルールを守らない従業員をどうするか
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サンキューボード

 人間は怒られることよりもほめられる事を喜びます。
 子供を育てるときにも、叱るのでは無くほめると子供
は伸びるといわれています。
 しかし、日本の子供たちは「あのおじさんが怒ってい
るから止めなさい」「泣いているとほかの方がうるさい
でしょう」と言われて育っています。
 「なぜ、その行為を行ってはならないか」の説明も無
いままに「他の人の迷惑になるから」と言う理由で怒ら
れてしまうのです。
 理由も無く叱ることで「他の人に怒られなきゃいいん
だ」「見つからなければいいんだ」という考え方が出来
ていると私は思います。
 私が外資系の企業で働いた時の私の経験です。
 事務所の中に、大きな掲示板がありました。そこには
「サンキューボード」と書かれていました。
 サンキューボードには様々なメモが貼られているので
す。「○○さん 先日は急な資料作成ありがとうござい
ます」「○○さん いつも笑顔で挨拶ありがとうござい
ます」と言ったメモが貼られているのです。
 日本人は感謝の気持ちを伝える事が苦手とされていま
す。
 はじめのうちは照れくさいのですが、自分でもボード
にメモを貼って見ると、書かれた方から「ありがとうご
ざいます」と伝えられるとうれしい物です。しかもいま
まで会話が無かった方からも、お礼が言われると仕事自
体が順調に進んでいるように思えました。
 メモを貼ることよりもいい仕事をした方には、バッチ
を渡す事もありました。
 バッチは名札に付けて、いい仕事をした証拠としてた
くさん付けている方もいたのです。
 ただバッチを渡すのでは無く、儀式が必要なのです。
 いい仕事を行った方を表彰するときは、従業員全員の
前で、バッチを渡し全員で拍手する事が大切なのです。
 人の拍手には不思議な力があります。大勢の方に拍手
されると人間の気持ちは高ぶってくるのです。
 「全員で、すばらしい事を行った方を褒めること」い
い仕事をするためには必要な事だと思っています。
 バッチを渡した方は、記録を残し、昇級、昇進の時の
評価に加えるとさらにすばらしいと思います。

結局だめな場合は

 「いい仕事をしよう」「いい会社にしよう」と思って
仕事をしている集団の中には、どうしてもなじまない方
が出てきます。北海道の偽装挽肉会社の社長が代表的な
例かもしれません。
 「出来れば楽をしてお金を儲けたい」と思ってしまう
のも理解できます。しかし、超えてはならない「線」が
あると私は思っています。
 「人間はずるをするもの」と考えて対応を行っている
例もあります。
 食品工場では、トイレの手洗いを順番通り、時間通り
に手を洗わないとドアが開かない仕組みを取り付けてい
る工場もあります。
 手を洗っているところ、ローラーをかけている所をカ
メラで撮影し、チェックしている工場もあります。
 スーパーなどでも、レジからお金を持ち出す、従業員
が商品を持ち出している場合があります。
 持ち出しを牽制するために、従業員が帰るときに私物
をすべて検査を行う事、しかも抜き打ちで検査を行う事
を伝えた所、持ち出しが減ったスーパーもあるのです。
 なんらかの牽制機能、監査体制が無いといい仕事は出
来ないのかもしれません。
 「新幹線の回数券を、個人管理にしたところ、金券シ
ョップに売ってしまった」等と言った事が起きないよう
な監査体制が必要なのかもしれません。
 しかし、牽制機能、監査機能にはコストがかかります。
従業員の時間も取られます。
 不正を行う従業員を牽制するための「出張報告書」
「経費精算書」などをなくせば、どのくらいの時間が企
業全体で削減できるか、業務の効率化が出来るか考えた
方がいいと思っています。
 新幹線のエクスプレスカード、自動チャージスイカを
従業員に渡して、精算をなくすことを考えてみてもいい
と思っています。
 企業の携帯電話の私用の電話が無いか、毎月の通話記
録を調べている企業もありました。
 通話記録を調べる方の人件費を考えたら、従業員を信
じた方がいいと私は思います。
 しかし、多くの従業員の中にはタイムカードを無くし
た瞬間、会社に来ないかもしれません。
 一人が入れ墨を入れる、ひげを生やした瞬間に多くの
方がまねをするかもしれません。人間は楽な方に流れて
しまいます。
 従業員を信じてレジを任せる、従業員を信じて携帯電
話を渡す、もし不正使用したらどうなるかを明確にしな
くてはならないのです。
 もし、不正使用したら組織にはいることが出来ないこ
とを文章で明確にするのです。
 不正使用が発覚したときには、白黒を明確ににし対処
する事が必要なのです。
 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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