==================================食品安全教育研究所発行==

■■  何故ルール違反をするのか
■■■                  2013年9月29日発行 
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おはようございます。河岸です。
 今日で9月の日曜日は最後になります。
 9月が終わると今年も残り三ヶ月、日曜日の夜にテレビを見ることも
なくなり、仕事に専念しますか。

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 何故ルール違反をするのか
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笛を吹く前にルールを明確に

 「何処の法律に書いてあるんだ」「法律にも書いていないこと
何故やる必要があるんだ」私が工場監査で指摘をすると何度も言
われる言葉です。
 企業は本来法律で決められた事よりも高いハードルのルールを
設定しなくてはいけません。
「法律に触れなければ、企業は利益を上げればいい」と言うこと
では無いと思います。
 日本では税金を払わないことが美徳の様に考えられていて売上
げを誤魔化し、いかにして税金を払わないようにするか、必死に
考えている経営者がいます。経営者が法律、倫理観をなくして税
金を払わない姿を見ている従業員は、様々なルールを守らなくて
もいいと思ってしまいます。企業倫理のもっとも現れるところの
一つが、税金問題だと思います。個人経営の企業で会社をいくつ
も設立し決算時期を少しづつづらしながら、税金を払わない企業
があります。そういう企業に限って従業員に対しては、利益を求
めていきます。
 税務上の会社の評価と、世間の評価と、従業員が経営者から求
められる評価が異なってしまいます。一番重要な事を誤魔化して
いる姿を、従業員に見せてしまっては、正直な倫理観に基づいた
経営は出来ないと思います。

 「企業の倫理観は責任者の倫理観を越えることは無い」
 私は講演でよくお話をします。
 では、何故人がルール違反を行うか考えてみます。
 日本でもありましたが、スペインでもカーブで減速をしないため
に列車が脱線した事故が発生しました。
 スペインの列車事故の動画がユーチューブで流れ衝撃的な映像を
見ることが出来ます。

1 ルールを知らなかった
2 ルールを理解していない
3 ルールを納得していない
4 みんなもルールを守っていない
5 ルールを守らなくても注意を受けたり、罰せられることは無い

 では詳しく考えてみます。日本のJR西日本の事故でのスピード違
反の例で考えてみます。
 

1 ルールを知らなかった

 電車を運転している人は、資格が有るはずですから、カーブの手
前でスピードを落とすルールは知らないはずはありません。

 
2 ルールを理解していない
  
  電車がカーブでスピードを出しすぎると脱線してしまう。この
ことを頭では理解していても体が理解していなかった可能性があり
ます。報道によると研修等で、今回の運転手が習った、先輩もこの
遅れを直線でスピードを上げて時間を稼ぐという技を使っていたと
聞いています。そうすると、ルールは頭では理解していても実際は
異なったと思います。
 

3 ルールを納得していない

  電車が遅れると、「日勤教育」という罰則が待っていれば、カ
ーブの手前でスピードを上げすぎてはいけないというルールを納得
することは難しいと思います。
 

4 みんなもルールを守っていない
  
  JR西日本の場合の最大限の要因です。みんなもルールを守っ
ていない。ルールよりも、定時運行が求められて、途中途中の経緯
は求めない。流通会社も大手になると、定時運行はもちろんの事、
配送車のタコメーターを運行の都度確認して、スピード違反が無い
か確認しています。JR西日本も定時運行の結果だけを求めるので
は無く、運航中のスピード等の経緯も求めていれば、今回の事故は
防げたと思えます。

5 ルールを守らなくても注意を受けたり、罰せられることは無い

  JR西日本の場合はルールが問題なんです。定時運行がルールに
なってしまい。肝心の速度のルールがルールで無くなってしまいま
した。直線のスピード違反、カーブの進入速度のルールがあってそ
のルールを違反したら罰則があれば今回の事故は防げたと思います。
工場で言えば、経営者が利益、売上げだけを求め、食品衛生法等の
ルールは問わなければ、結果は自ずと出てくると思います。

 ルールを守ることは、学校の試験において、カンニングで成績を
上げるような物であって、サッカーなどのスポーツでフェアでない
ルールでゲームを楽しみ、そして勝利したと喜んでいるような物で
す。
 論語の中に「過ちて改めず、これを過ちという」という言葉があ
ります。何がルール違反になるか自主的に考えられる事が基本にな
ります。
 日本は「和」を尊ぶともいいます。前任者から続いている事、他
の人も他の部署もやっていることで、このことを乱すと「和」が乱
れると考えてしまいます。
 棺桶まで黙って持って行こうと考えることが多いのですが、雪印
事件以来ルール違反を行った企業に対しては非常に世間は厳しい評
価を行います。
 法律の穴に乗じる事無く、いままでルール違反をしていた場合で
も、災い転じて福となるという考え方を進める時期に来ていると考
えます。 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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