==================================食品安全教育研究所発行=
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■■ ロースとんかつを仕入れるとき
■■■ 2015年4月26日発行
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おはようございます。河岸です。
私、河岸宏和が雑誌「毎日が発見」5月号に豆腐について、
投稿しています。
http://www.mainichigahakken.net/yokoku-201505
是非 手に取ってみてください。
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・食品工場で便利な備品
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22?_encoding=UTF8&node=16
青いラップなど便利な備品です。
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ロースとんかつを仕入れるとき
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ロースとは何か
サンドイッチでロースカツサンドを企画したとします。
おいしい豚肉のロースカツを仕入れることにしました。
基本的な事で豚肉のロース部位とはどこかと言う事を
考えて見ます。
豚の枝肉から骨を取り、ロース部分とバラ部分に切り
分ける時に、バラ肉がロース部位に付くように切り分け
た結果が今のロース肉の形になるのです。
なぜ、ロース肉にバラ肉を付けてしまうのかは、ロー
ス肉が120円とするとバラ肉は半分の60円程度でしか売れ
ないからです。
肉を切り分ける時に、バラ部位をロース側に付けて切
り分けロース部分が多くとれるように切り分ける職人が
腕のいい職人と言われて来たのです。
とんかつサンドで企画を考えているのであれば、豚肉
あれば何処の部位でもいいのですが、「ロースとんかつ
サンド」と言う企画であれば、ロース肉とは何かを明確
にしないととんかつを仕入れることは出来ないのです。
ミートホープ、雪印食品と肉屋さんがらみの問題が多
いのは、価値の低いものを価値の高い物にいかに混ぜ込
むかと言う事が肉屋さんの体質として有るからなのかも
しれません。
とんかつとは何か
ロース肉の規格を明確にした次には、「とんかつ」の
定義を明確にする必要があります。
豚肉にパン粉を付けて揚げたものがとんかつです。
しかし、揚げて直ぐに食べないサンドイッチの場合は、
揚げてからの時間が経ってとんかつ肉の水分が少なくな
るとぱさぱさになってしまいます。
ぱさぱさ感を押さえるために、肉に水分を含ませます。
この時に燐酸塩などを使用すると、筋繊維の中に水分が
含まれやすくなります。
油で揚げて冷却し保管することで、肉中の水分が15%
失われるとします。失われるべき水分をあらかじめ肉に
含ませておけば、食べるときに美味しく食べる事が出来
ます。
更に20%、30%と水分を含ませる事が出来れば、とん
かつのコストを下げることが出来ます。
単純に水分を含ませると、とんかつが水っぽくなり食
べる事が出来なくなるので、豚肉以外の乳、大豆、卵な
どのタンパク質を加える事になります。味も薄くなるの
で、アミノ酸などの味を加え、食べた感じはとんかつの
食感、味の物が出来てしまいます。
とんかつを仕入れるときに、大豆等の異種蛋白が入っ
た物をとんかつと呼べるかどうかの基準を定めて置くこ
とが必要です。
「安ければ何でもいい」と言う考え方もあります。
しかし、「ロースとんかつサンド」と謳って販売する
ためには、「ロースとんかつ」とは何かという定義付け
が必要なのです。
定義づけて、文章化する事が必要です。この時に「ど
うせお客様にはわからない」と言う考え方を捨てて、何
時配合、中身が、公開されても問題無いことを決める必
要があるのです。
規格を押さえること
「ロースとんかつ」の定義が決まりました。ロースと
んかつの定義が決まれば、表示、製法、原料などについ
て、製造メーカーと文章で約束をします。
配合などについて「社外秘で公開出来ない」とされる
メーカーもあると思いますが、配合、製法については、
文章で約束することが大切です。
特に、包装資材、段ボール資材などは、厚さ、材質に
ついて明確にします。製造工場が資材のコストダウンと
称して材質を下げてくる可能性があるのです。
規格についてもばらつき、基準値を明確にする必要が
あります。
ロースとんかつ「一枚35g」と決めた場合は、平均値
35gなのか、下限重量が35gなのかを明確にする必要が
あります。
基準を決めて、文章化する事が必要です。
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