========================================食品工場長の仕事とは===
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ポジティブリスト制度について■■■ 2006年3月5日発行
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おはようございます。
河岸です。食品の安全について、5月29日から施工される、「食品中の残留す
る農薬等の基準に係るポジティブリスト制度について」について、皆さんの工
場は、検討は終わっていますか。法律がどんどん厳しくなるのは、その法律の
隙間をねらって、食品を作り続ける方が多いことが上げられます。日本の風土
として、先日問題になりました、ビジネスホテルの不法改築が代表例だと思い
ます。東横インの社長は、ハートビルド法、横浜の市条例に違反した事に対し
てインタビューで次の様に答えています。「どんなちっちゃな条例違反でも、違
反は違反だから、軽く考えてはいけない。時速60キロ制限の道を67〜68キ
ロで走ってもまあいいかと思っていたのは事実。これからは60キロの道は60
キロできっちりと走ると肝に銘じる」 と答えています。この段階で、この会社は
何か間違えています。ポジティブ制度の様な法律がどんどん増えることなく
食品を製造する人たちの、良心でいいものが作られる、職人の世界に早く
ならば、いいなと考えているこの頃です。
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食品中の残留する農薬等の基準に係るポジティブリスト制度について
厚生省のhpを参考にしてください。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/11/h1129-2.html
−−厚生労働省のHP より−−
厚生労働省では、平成15年5月に食品衛生法等の一部を改正する法律
(平成15年法律第55号)によって改正された食品衛生法(昭和22年法律第
233号)に基づき、食品に残留する農薬、飼料添加物及び動物用医薬品(以下
「農薬等」という。)に関し、いわゆるポジティブリスト制度(農薬等が残留する
食品の販売等を原則禁止する制度)を平成18年5月末までに導入することとし、
関係法令等の整備を行ってきたところですが、本日、本制度に係る関係法令が
公布されましたので、お知らせします。
なお、本制度は食品衛生法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定め
る政令(平成17年政令第345号)により、平成18年5月29日から施行するこ
ととしています。
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5月末から施工されるこの法律に対して私たちは何を準備すればいいのでしょうか。
道路交通法が改訂されて、携帯電話を使いながらの運転が禁止された時は、ハンド
フリーの通話装置が発売されました。そして、ポスター、マスコミ報道でも運転しながら
の携帯電話の利用は禁止ですよと何度も報道されています。工場でも何か準備
しなくてはいけないことが理解できると思います。
卵の例でいえば次のような準備が必要と考えます。
卵の納品メーカーに対して、何を準備させるのか
飼料の成分
飼料の検査結果
飼料の製造工程
最終商品の卵の検査結果
採卵農場の交差汚染の可能性
どのような頻度で検査を行うのか
どこの検査機関を使うのか
検査機関の検査精度はどのように評価するのか
もし 検査で 何かが出た場合
その商品はどうするのか
どうすれば、再度納品が開始できるのか
原料納品は二社以上の納品先を持っているのか
問題が発生した場合、代替え納品は可能なのか
法律だから もしでたら 販売はできません
そのリスクをどう回避するか、事前に検討しておく必要があると思います。
法律だからもし、禁止されている農薬が検出されたら納品は出来ませんと
伝えるのは簡単です。その時の代替えの原材料の納品先が確保出来て
いますか。原材料が納入されてこなければ、製品は出来ないのです。このとき
こそ、フードチェーンの力の見せ所だと思います。お客様が待っている最終商品を
届けるために各部門で何をすべきか、充分に考える必要があると思います。
あなたの工場は具体的に何を準備されていますか。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。