PMについて (予防保全)


PM(preventive maintenance予防保全)について。読者の方から質問をいただきました。

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機械設備にて対しては、日々のケアーが必要であり、その積み重ねが、人間と機械と

の信頼関係を、構築してくれるものと考えます。

人間が食事を摂るように、機械に必要なものを与えてあげなくてはいけません。

人間が病気し、診断を受けるように、平素から、機械の調子、特に、音などには気を

つけて、管理してやらなくては、なりません。

さて、工場内にある機械設備については、基本的には、その機械に従事する人が責任

を持ち、管理していくことが責務であり、役割です。

ここで、企業の大小もあると思いますが、いわゆる、営繕担当部門を持つかどうか

迷っています。営繕担当部門を設け、営繕業務だけを担当職務とした場合、機械設備

が良好に稼動した場合、営繕担当者は、これと言った仕事がありません。

しかし、トラブルが発生した場合、オペレータが女性の場合などは、活躍の場はあり

ます。技術的には、女性よりかなりレベルが高いので、遠方から機械メーカーの方が

来社するのを待つ必要がありません。

品質、生産性、原価など、考えるポイントで回答は難しいと思いますが、

さて、基本的にどのように考えたらいいのか、教えてください。

一般的な事例でも結構です。

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読者の方からの質問は、メルマガ、HPを運営していまして、本当にうれしい事です。

事実、継続の力になります。

今回の質問について、気になる所があります。

 

「設備が良好に稼働した場合 これと言った仕事がありません」

 

この発想を変えなくてはいけません。

機械、設備は、壊れてから直す物だと、いう発想を変えないといけません。

お客様から注文があって、いざ製造しようと思うと機械が壊れてしまっている。

それでは、注文をこなすことが出来ません。しかも、出勤してきた従業員の方も、

遊んでしまう。そうすると結果として工場の稼働が落ちてしまいます。

こういった場合は、PM、予防保全の考え方を導入されることを、是非お勧めします。

車であっても、3000Km毎にエンジンオイルを交換したり、20000Km毎にATFの

オイルを交換したり、壊れる前のメンテナンス作業は、たくさん有ります。

 

設備担当者の仕事としてやらなければならないのは、毎日記録を付けることがあります。 

機械の稼働率

ボイラーのメンテナンス

浄化槽の管理

電気の記録

水の使用量

ガスの使用量 等々  

 

工場運営の中で、設備担当が必要な事ってたくさんあると思います。

毎日の数字の変化から、何か工場内の不都合やコストダウンのネタを拾う事が

出来ると思います。

では、専門の営繕担当部門をもうけたときのデメリットを考えてみましょう。

車で考えてみますと、毎日運転する人がきちんとメンテナンスしている車は長持ちします。

オイルをきちんと交換している車、おかしな音がエンジンからしてきたら、修理するとか

です。営繕担当部門を設けると頼り切ってしまう傾向があります。毎日のオペレーターが 

自分たちで修繕出来ることまで頼んでしまって、何も整備しなくなる傾向があります。

 

 

また、営繕担当といっても、本当の細かい専門職の所は、わからない場合が多いものです。

最近の生産機械は、修理と言ってもパーツをそっくり替えて修理することが多いので、

結局メーカーの方を呼ばなくてはならなくなってしまいます。

工場長のあなたが、営繕担当に何を求めるのかが大切な所です。単純な営繕担当か

最近のコンピューターシステムまで期待するか、作業性を上げる、IE、生産技術まで

期待するか。

 

仕事は人を入れると出来てしまいます

 

人に仕事を付けるのではなく、仕事に人を付けることが必要と思います。

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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