PMについて(予防保全)の具体例について
昔のバス、トラックを思い出して見てください。私は昭和33年1958年生まれ
ですので、子供の頃のトラック、バスのタイヤがついているナットは黄色いペンキが
塗られて、その上に赤い線が引いて有ったような気がします。
黄色のペンキはゆるみ防止で、赤い線はゆるんだときの目印でした。
朝、バスの駐車場を見ると、小さなハンマーを持ってこんこんたたく姿を見れた
物です。私もトラックの駐車場をよく見ますが、小さなハンマーを持ってたたいている
姿は見ませんね。横浜の主婦がタイヤに殺された事故もありました。結果としては
三菱の設計ミスになりましたが、それは結果であって、毎日のこつこつとした
行動をとっていれば防げた事故には間違いないと思います。
先日PMについては少し、お話ししました
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/pm7.htm
その安全基準、私が良くお話しするハードル理論 ↓↓↓
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/ha-doru35.htmのハードルをPMをしながら、上げていく必要が有るのです。
そこでコストとの競争になると思います。毎朝、小さなハンマーでコンコンたたく
もしくはたたくPMの方を雇うと確かにコストアップになります。最近の技術の
進歩と、経費削減から、はじめにお話しした、毎朝のコンコンの風景は消えて
しまった様な気がします。安全、予防保全のハードルをいかに上げるかそれは
企業姿勢そのものですね。
2000年3月に発生した、地下鉄日比谷線脱線事故でも、毎日の管理を確実に
してその上でハードルをいかに上げるかを考えていれば防げた事故と考えます。
当時の読売新聞を見てみると
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◆脱線防止へ補助レール基準見直し 読売新聞より
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営団地下鉄日比谷線の脱線・衝突事故で、営団は9日、脱線防止用の補助レールの設置
基準見直しの検討に入った。事故現場の線路のカーブの度合いが内規基準より緩いことで、
補助レールが設置されていなかったことを重視、従来のR140(半径140メートル)を
今回の事故現場のR160(同160メートル)以上に変更したいとしている。これを適用すると
設置場所は倍増する。営団では「今回の事故原因ははっきりしていないが、早期に何らかの
対策を取りたい」としているが、
私鉄の中にはR400や300といった厳しい基準を
設けている会社も多い。
補助レールは、線路と並行して内側に設けられ、二本のレールで車輪を挟み込む形となる。
運輸省令の普通鉄道構造規則で、「脱線の危険がある場所」への設置を求めているが、
基準値はなく、各社がそれぞれ内規に当たる「整備心得」で基準値を作って同省に届け出る
ことになっている。
営団では、1960年代からR140を基準値としていたため、事故現場に補助レールは
設置されておらず、脱線原因の一つに挙げられることになった。営団は事故後、現場の
全長200メートルのカーブのうち60メートル区間に補助レールを設置した。現在、日比谷線
ではカーブ8か所に補助レールが設置されているが、R160に変更されれば、対象は
21か所になる。ほかの路線も含め全8路線では、倍増するという。
ただ、私鉄の小田急電鉄は基準値がR400で、カーブ51か所に補助レールが計
約1キロも設置されている。京王電鉄もR300を基準にしている。
ある私鉄幹部は「地下鉄の場合、民家下やビルのくいを避けるためにどうしても急カーブが
多い。すべてに補助レールを取り付けろとは言わないが、もっと安全対策に力を入れるべきだ」
と話している。(3月10日3:09)
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この記事で判るように、安全に対するハードルが、低い会社と、高い会社の差が
事故という結果に結びついたと思います。
食品の事故も人の命を奪いますが、工場の設備の事故も人に危害を与えます。
いくら労災で補償するといっても、指の無くなった方、手の動きが不自由になった方
手が無くなった方の人生は変わってしまいますね。
いくらコストダウンといっても、あのときハンマーでこつこつたたいていれば、人生は
変わったな、なんて話したくないですね。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。