========================================食品工場長の仕事とは===
ペストコントロールについて
読者の方からメールを頂きました。雨の日曜日に映画を見るかメルマガを書くか
は皆さんのメールの後押しがあれば必ずメルマガを書いています。皆さんから
の質問、ご意見のメールを是非お待ちしています。
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今日はじめて拝見させていただきました。
「すごい!」の一言です。
私は食品工場の工場長をしております。
今、私が悩んでいるのが、「虫」です。私どもの工場は陰圧になっておりますが、
これもなかなか解決できません。各部屋のドアもスイングです。外部進入、内部発
生共に良いアドバイスお願い致します。
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ペストコントロールが出来ているかどうかが工場管理の指標になります
工場の中にハエが飛んでいる。作業上の片隅でネズミがかじった跡がある。昔
の食品工場では良く聞いたことです。働いている方は毎日の事ですから、ハエが
飛んでいるところで、マスクをして包装をしていても何も気にとめなくなってしまいま
す。細菌検査で大腸菌群の検査を行います。何故、大腸菌群の検査を行うのでしょ
うか。一つめは、検査が非常に簡単な事です。簡易法を使えば、ガス発生確認する
だけで陽性と判断できます。二つめは、人糞を検査すれば必ず陽性になります。即
ち、大腸菌群が検出されれば、糞尿に近いところに作業上があると判断することが
出来ます。Pest(害虫、工場内にいては困る物)が飛んでいることも工場の指標とし
ては、充分使えます。クラス10,000の包装室と称して、作業室内に、ハエが飛でたり、
蜘蛛の巣が張っていては、環境を整える前に、ペストが作業場にいては、作業は続
けてはいけないという、衛生教育を再度行う必要があります。
工場内に侵入させないために
ペストを工場内に、侵入させない構造が必要です。ペストの気持ちになって工場内に
侵入しようと思っても入り込めないそんな構造が必要です。ネズミは6mmの隙間があれ
ば侵入できます。また排水管の水の中を泳いで入ってくることも可能です。配水管は、
6mm以下のフイルターを途中にかませないと、普通のトラップでは侵入が可能になりま
す。無窓工場が理想ですが、火災の場合の排煙窓がどうしても着いてしまいます。その
窓の隙間から小さなペストが侵入してきます。隙間は見つけ次第、シリコンパテなどで
ふさぐ必要があります。
工場内で増殖させないために
侵入したペストが工場内で増殖出来ない環境が必要です。食品工場ですから、食べる
もの、飲むものはたくさんあります。また温度コントロールも出来ていますから、一度侵入
してしまうと、増殖する可能性は非常に高くなります。侵入したペストは必ず捕まえる。餌
になる食品残渣は排水升、作業室の隅も含めて一切残さない。シンクの中の水分は拭き
取って一切水分を残さない。餌と水を与えない覚悟が必要です
内部発生か、外部から侵入しているか確認します
ペストコントロールも数値で確認することが大切です。モニタリングは工場の内外で行いま
す。工場の外ではネズミの罠による調査になります。ネズミの通り道に罠を仕掛けます。
ネズミの通り道はラットサインと言ってネズミの体が触れるところは黒くサインが付いてきま
すのでそのサインの有るところに罠を仕掛けます。このモニタリング調査も、月間変動、年間
変動が解るように長期間続ける必要があります。工場内は飛翔ペストとゴキブリ、ネズミの
ような地面を這いずるペストに分けてモニタリングします。飛翔ペストは、工場内に設置され
ている補虫機に捕獲されている虫の数を数えます。補虫機は、工場内に入る可能性のある
場所全てと、包装室には設置が必要です。補虫機に付いている虫の種類と、数を数えてそ
の種類から、外部から侵入しているペストか内部発生しているペストかを分類します。工場
内でも、機械室の様に暖かくて、人が普段いない場所、包装室でも包装機のモーター部分
などペストが生息する可能性の有る場所は数多くあります。
毒餌を撒くだけでは無く壊滅することが大切です。
ゴキブリを包装室で見かけた、ネズミを工場内で見かけた、この時点で非常事態です。人
目に付くようにゴキブリ、ネズミがいた場合は、まず生息調査をします。粘着テープを床に貼
れるだけ、貼ります。包装室で見かけた場合は、包装室の床面全てに敷き詰めるつもりで粘
着テープを設置します。一日だけでは無く、最低三日間設置します。そうすると、捕まる場所
が特定されます。例えば包装機のそばで数多くのゴキブリが、捕獲されたとします。次には徹
底的に包装機を分解します。そうすると必ずゴキブリの巣を見つけることが出来ます。暖かい
モーターのそばに巣を見つけることが出来ます。従来の害虫駆除業者は、ゴキブリを見つけ
るとベイト剤を塗りつけるだけの、駆除業者が殆どでしたが、食品製造工場の中に、ゴキブリ
駆除剤、ネズミの毒餌と言っても、化学的危害に繋がる物を安易にまき散らす駆除方法は、
問題があると思います。ネズミを見かけた場合も同じように、粘着テープを設置します。ネズ
ミの場合は、天井裏に引けるだけ粘着テープを設置することでかなりの成果を上げることが
できます。
毎月毎月のペストの指標が改善されていることが大切な点になります。
その指標を下げるためにこつこつ仕事を続ける事が大切です。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。