==================================食品安全教育研究所発行=

■■  美味しい卵焼き
■■■                  2014年2月1日発行 
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おはようございます。河岸です。
 facebookでは毎日一枚の写真を解説しています。2月からは、
フードディフェンス、危機管理のお話を毎日解説します。
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「食品期限設定試験における科学的根拠構築/実証手法」
 食品期限、消費期限、賞味期限の設定方法、管理方法につ
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 美味しい卵焼き
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卵を割ってからつくる

 東京の築地市場に行くと、多くの玉子焼き屋さんがあり
ます。店の前を通ると玉子焼きの焼きたての美味しそうな
香りが伝わってきます。
 店の中を覗くと、大きな玉子焼き専用の鍋で、職人さん
が一本一本焼いている所を見ることが出来ます。
 卵だけで塩か、砂糖を入れるだけで焼く玉子焼きも美味
しいのですが、卵に出汁を入れて焼く玉子焼きも美味しい
物です。
 卵と出汁の比率は関東よりも関西の方が高く、より食べ
た時の出汁感が関西の方が強くなっています。
 築地のお店もお店によって、この出汁の味が特徴になっ
ているのです。
 家庭で出汁入りの玉子焼きを焼くときのポイントを一つ
だけ上げるとすれば「新鮮な卵を使用する」この一言に尽
きます。
 濃厚卵白と言って、卵を割ったときに盛り上がる白身の
部分が多い方が卵が出汁を抱える力が強くなります。
 厚焼き玉子を食べたときのふっくら感も濃厚卵白が多い
方が強く感じる事が出来ます。
 濃厚卵白は卵が生まれたての時が一番多く、時間と共に
水溶性蛋白と言って、盛り上がらない蛋白に変化していき
ます。
 産まれたての卵を冷蔵管理することで、水溶性蛋白に変
化するスピードを遅くすることが出来るのです。
 ふっくらと出汁を含んだ厚焼き玉子を作るためには濃厚
卵白をたくさん含んだ卵を使用することが大切になるので
す。
 卵白を泡立てるメレンゲも同じですが、卵白は黄身が混
じってしまうと混ぜたときに膨らみが悪くなってしまいま
す。
 黄身が卵白に混じってしまわないように、新鮮な卵を割
って、出汁を混ぜてさくっと混ぜて、素早く焼くことがポ
イントになります。
 

工場で作る厚焼きたまご

 価格の安い回転寿司などで厚焼き玉子をよく見てみてく
ださい。
 ホテルの朝食バイキングなどで出てくる厚焼き玉子もこ
の厚焼き玉子はよく見る物です。
 厚焼き玉子の断面が、プリン状になって層になっている
のがはっきり見える玉子焼きがあります。
 食べて見てもプリンを食べているようでふっくらした感
じ、出汁を含んでいる感じがない玉子焼きにあたる時があ
ると思うのです。
 このプリン状の厚焼き玉子は工場で作った物なのです。
 玉子焼き工場では、玉子焼きの形になっている釜の中に
玉子を流して、重ねる様に何度も焼いていきます。
 この重ねる工程でどうしてもプリン状になってしまうの
です。
 プリン状になる理由は、卵の鮮度が落ちると、濃厚卵白
が少なくなり、ふわっとしなくなるのです。
 ここでよく考えて見ると、工場で作る玉子焼きも、鮮度
のいい卵を使用して、焼くときにかき混ぜる事によって、
築地の職人が作ったのと同じ玉子焼きが作れることになる
のです。
 ただ、玉子焼きの形をした厚焼き玉子を製造するか、職
人が焼いた様な厚焼き玉子を製造するかは、使用する卵の
鮮度と、ちょっとした工夫かもしれません。
 卵の価格は、夏に安くなり、クリスマス、年末の卵をた
くさん食べる時に高くなります。
 卵の価格が安い夏に買った卵を凍結液卵にして保管し、
年末に玉子焼きに使用することで原料費を安く上げること
ができます。
 しかし、凍結液卵を使用すると、ふっくらと厚焼き卵は
仕上がることなく、プリン状のものが出来てしまいます。
 美味しい物を作ろうと思うのか、儲かる物を作ろうとし
ているのか、厚焼き卵に使用している原料を見るとその工
場の考え方が解ってしまうのです。
 楽しみにしていた厚焼き玉子がぷりんぷりんしていたら
淋しくないですか。
 

 あなたの工場は美味しい物を作ろうとしていますか。
 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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