原材料の受け入れチェックについて


何回もお話ししている事項ですが、先日ある工場で最終製品に異臭がでました

この原因は、使用した原材料が酸化していたのが原因の様ですが、それを

防ぐためには、受け入れ検査で官能検査もしくは、理化学検査を入れなくては

いけません。その所を追加してみました。皆さんの工場では、どんな管理を

していますか?

アメリカのBSE問題でも、そうですが全数検査、全頭検査と言うのは簡単で

すが、原材料の場合、全数検査をしてしまうと、使える物がなくなってしまいます。

そこで、統計学に基づいた、サンプルをもちいた受け入れ検査の考え方が、あります。

「原材料をロットごと検査しています。」

トラブルが起こったときに、原材料メーカーに聞くと、良くこう答える事が、あると思い

ますが、そのロット区分が適正かどうか、原材料を供給してくれる場所まで、足を運んで

確認する必要があります。

本当に、品質を左右する要因がロット区分されていますか?

問題が発生した場合、原因をつかむことは出来ますか?

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荷受けの条件について

1 材料が注文書通りか

2 材料が決められた規格書通りか、味等の品質には問題がないか

3 入荷の温度は配送車の温度も含めて定められたとうりか

4 原材料の日付は納品限度内か

5 配送する運転手さんの服装は適切か

6 伝票を綴じるのにホチキス等は使用していないか

7 トラックの内部の整理整頓はできているか

8 おろした荷物は台車等に載せ直置きしていないか

 

では

各項目について、お話ししたいと思います。

 

1 材料が注文書通りか

  原材料が入ってくると言うことは、注文しているということです。最近の

  宅急便は着く時間指定ができますが、工場の納入時間も時間指定

  している工場もおおいと思います。朝一番に入荷しなければ、材料として

  使用できないと言うことです。そう考えると数量、規格、時間をチェックしないと 

  いけません。100しか注文してないのに、125できたからと受け入れしては

  いけません。

 

2 材料が決められた規格書通りか

  大きさ、包装形態等々規格書どおりかということです。内部のチェックは

  受け入れ時点では難しいのですが、包装資材ラベル、フイルム等は

  その一部分を段ボールの表面に、貼ってもらうことによって確認できます

  ラベルの印刷の色が、いつの間にか変わったとか、ロットによって色が

  違うとかは、よくある話しです。 

更に、原材料については、味、品質の確認が大切です。

  肉であれば、簡単にボイルして、食べてみる、焼いて食べてみると言うことで

  変質、酸敗、酸化しているかどうかは確認できます。

  色々なセンサーが登場していますが、一番簡単なのは食べて見ることです。

  私がハムソーの原料を担当していた時は、原材料のロットが変わるたびに

  ソーセージを造って食べていました。

 

3 入荷の温度は配送車の温度も含めて定められたとうりか

  チルド品の基本は10℃以下です。一部液卵等は8℃以下がお勧めです。

  受け入れ温度を、毎日表面温度計で測定している工場もあります。

  先日郵便局のゆうパックを受け取りに行ったときにチルド品にもかかわらず、

  荷物を持った瞬間、常温でした。そんな場合も有りますので測定できるように

  表面温度計(商品に触れることなく温度が測定できる温度計)の整備が

  必要です。

 

4 原材料の日付は納品限度内か

  この入荷基準は、あなた工場長が決めることですが、賞味期限×0.3が

  入荷限度で、使用限度は、賞味期限×0.7が原材料としての使用限度です。

  もう一点大切な事は、前回納入された日付より古いものが入っては、いけません。

  このチェックのためには、一度、倉庫に確認に行かなくては、いけません。

  管理としては、賞味期限もしくは製造年月日を、受け入れ時に、伝票に記入する事で

  後で確認することができます。このことは、あとでもめたときに大切ですので、出来れば

  運転手さんに記入してもらうといいと思います。

  また入荷日を、段ボールに直接マジックで記入すると先入れ先出し時に管理ができやすく

  なります。もちろん記入する場所は倉庫で確認しやすいところに記入する必要があります。

 

5 配送する運転手さんの服装は適切か

  食品工場ですから、帽子の着用、靴の履き替え、ひげの禁止、清潔な服装は

  最低の基準です。ひげについては、綺麗にそろえていればいいじゃ無いかと

  言う意見もありますが、食品工場に関しては、ひげの運転手は避けた方が

  いいと私は思います。服装についても、毎日洗濯がしてある、ボタン等がほつれて

  いない等清潔感が大切です。 

 

6 伝票を綴じるのにホチキス等は使用していないか

  http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/kinnzoku1.htm 

 

  工場内で異物混入を防ぐためには、工場内に異物を入れないことが大切です。

  その一番の意識付けのためにホチキスがあります。ホチキス、ゼムクリップ等々は 

  食品工場には入れない事が大切です。荷受け時点の伝票等はバインダー等で閉じて

  有ることが大切です。

  

 

7 トラックの内部は整理整頓できているか

  あなたの工場の整理整頓と同じです。まずぱっと見て。整理整頓ができているか

  http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/yusoutyuu7.htm

 

  同時に食品と同時に運んではいけない物を運んでいないか、チェックする必要が 

  あります。食品以外を混載しているトラックはあなたの工場にふさわしくはありません。

  現実化学薬品が漏れて、商品回収が発生しています。

  http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/yusoutyuu7.htm

 

 

8 おろした荷物は台車等に載せ直置きしていないか  

  トラックからおろした荷物は、直接工場の床におろしていませんか?

  工場内の直置きは禁止です。この直置き禁止は、このときから始まります。

 

 

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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表紙イメージ 河岸宏和への質問



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