==================================食品安全教育研究所発行=

■■  日本人が忘れて来た物
■■■                  2014年5月25日発行 
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おはようございます。河岸です。
 「年収100万円の時代」という言葉が聞こえてます。
 高校、大学を出ても定職につかない方が増えて来ています。
 本人が悪いという考え方もありますが、仕事が無い事も事実
かもしれません。
 食品工場、飲食店で美味しい物を造り、売り上げを増やすこ
とをみなさんと考えていきたいと思っています。
 一緒に考えて売り上げを増やしたいと思っている方是非連絡
をください。
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 日本人が忘れて来た物
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利益さえ出ればいいのか

 何時から日本人は利益が出ればいいと思うようになったのでし
ょうか。
 会社の利益体質が悪くなれば社員のリストラを行い学校を出て
から定年まで働けると思っていた従業員の首を切ってしまう。
 社員の首を切り、同じ仕事なら派遣社員、パートなど賃金が安
い人を雇ってしまう。
 パートからしてみれば、派遣社員の方の方が給料が高い、しか
し、派遣の方の時給であれば年間通じて働いても、結婚して子供
を育てるまでの年収は確保できないのが現実です。
 夫婦二人とも派遣であれば、生活は出来るけど子供を産んで育
てる事は難しくなります。
 自分の部屋には、薄型テレビがあり、クーラーがあって生活は
問題が無いけれどいまのままでいいのか自分の将来はどうなるの
か不安に思ってしまう方が多いと思います。
 私が子どもの頃の昭和の時代は、日本中が貧乏であったけど何
か活気があったような気がします。
 皆が一生懸命仕事をすればいつかは車が買え、家を持てて素敵
な暮らしが夢が見られたと思うのです。
 TBSテレビで「渡る世間は鬼ばかり」というドラマがありまし
た。高校を中退したさつきさん(泉ピン子さん)がラーメン屋の
幸楽でバイトをしながら結婚し、子供を持ち、家族を持つことが
できました。
 さつきの父、大吉もサラリーマンを辞めて自分の家を改造し割
烹「おかくら」を経営しています。「おかくら」でも行く当ての
ない高校中退した壮太を板前の見習として雇い、仕入れから調理
までの修行を積ませたのです。
 さつきも壮太も平成の時代なら世の中から淘汰され、派遣かコ
ンビニ、ファミレスのバイトに行き着いていたと思うのです。
 ラーメン屋、割烹で働くのと、コンビニ、ファミレスで働くの
は同じような気がしますが、3年、5年、10年と働くと働いた
人の成長が大きく違うと思うのです。
 壮太が高校を辞めてファミレスの厨房で働いていたとします。
10年ファミレスで働いていても自分の店を持つことも出来ず、
貯金も貯まらず、親の面倒も、自分の家族も持つことが出来ない
と思います。
 壮太が「おかくら」で働いていたからこそ、魚を仕入れる事も、
旬の野菜を仕入れることも、魚をさばくことも修行できたのです。
 5年、10年と働く事で、職人として一人前に成長することが
出来たのです。
 仕事をして働いている方が成長できるのかどうかが大切な点だ
と思います。
 

成長できるか

 幸楽の餃子をインターネットで販売するお話がありました。
 野菜中心のさっぱりした餃子を全国に販売しようとする話です。
インターネットで宣伝し、サンプルを申し込んだ方にサンプルを
送り、評判をツイッター、ブログで広めようとする計画です。
 まさしく、世の中の流れそのものです。
 大切な点は、売る物があると言うことです。こだわりがあり、
特徴のある物が、自分たちで作れることが大切なのです。もちろ
ん店で焼いて出すときと、凍結流通する餃子のレシピ-が同じでは
美味しい物はできません。しかし、長年造り続けて、お客様に支
持されている餃子があること、その餃子を作ることの出来る人が
居ることが大切なのです。
 幸楽の餃子と称して、配合をミキサーで配合し、餃子を包むの
も、餃子製造器で包んで販売すると、幸楽の餃子では無くなるよ
うな気がするのです。
 職人が手で包む餃子と、機械が包む餃子を並べて食べても違い
は無いかもしれません。
 機械で包んだ方がばらつきが少なく、能力があるかもしれませ
ん。
 しかし、幸楽の餃子とは何だったのでしょう。
 「職人が手で包む餃子」これが大切な点かもしれません。
 幸楽の餃子が売れに売れたとします。お店の厨房では作る事が
出来なくなりました。(ここからは私の創作です)
 食品のコンサルタントが入り、「同じ配合で作れば何処で作っ
ても同じだよ」と言うことでレシピーを渡し、中国で作る事にし
たのです。
 配合も、手作業も同じ、違うのは、幸楽の厨房で作るのか、中
国の厨房でつくるのか、ただこの違いだけだったのです。
 注文はパソコン上で受けます。製造は中国で、配送は配送セン
ターで行うのです。
 確かに量も売ることが出来、利益も出るようになったのです。
 ここで大切な落とし物、忘れ物をしている事に皆さんは気が付
いていますか。
 忙しい時に寝ないで作ってくれていた周ちゃんを初めとする、
幸楽の従業員の方の仕事が無くなってしまったのです。
 夜中まで働けば体は辛くても収入が増えました。更に従業員
を増やすことも出来たはずです。
 せっかく幸楽の餃子が売れたにもかかわらず、自分たちの周
りの方の仕事が無くなってしまったのです。
 会社としては売り上げが増えたかもしれません。しかし、本
当に中国に製造拠点を移すことが正解なのでしょうか。
 高校中退したさつきを育ててくれた幸楽は、何時のまにか、
インターネット上の商社になってしまったのです。
 まさしく日本の縮図だとおもいませんか。
 「安ければ、何処で製造しても同じ」自分たちの働く場所
が無くなっても本当にいいのでしょうか。
 従業員を教育し、成長させる事、何時のまにか日本の企業
は忘れて来たように思います。
 
 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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