========================================食品工場長の仕事とは===

   あなたのための門を開く努力はしていますか


ドリームジャンボ宝くじの宣伝で、所ジョージさんが門の中に入っていく宣伝が

ありました。宝くじで言えば、まず買う事が、門を開けることになります。

 http://www.takarakuji.mizuhobank.co.jp/topics.html

 

実存主義のカフカ(1883〜1924)の短編集のなかで、一番参考になる、

「掟の門」です。自分の将来に悩んだときに何回も読むといいと思います。

---------------------------------------------------------------

掟の門前に門番がたっていた。そこへ田舎から一人の男がやってきて、入れてくれ

といった。今はだめだと門番はいった。

男は思案した。今はだめだとしてもあとでならいいのか。

とたずねた。 

「たぶんな、とにかく今はだめだ」と、門番は答えた。

掟の門はいつもどおり開いたままだった。門番がよったので男は、

中をのぞきこんだ。これをみて門番は笑った。

「そんなに入りたいのなら俺にかまわず入るがいい。しかしいっておくが

おれはこの通り力持ちだ、それでもほんの下っ端で中に入ると部屋ごとに

一人づつ順繰りに凄いのがいる。このおれにしても三番目の番人を見ただけで

すくみあがってしまうほどだ」

 

こんなにやっかいだとはおもわはなかった。掟の門は誰にも開かれているはずだと

男は思った。しかし、毛皮のマントを身につけた門番のその大きな尖り鼻と、ひょろひょろ 

はえた黒くて長い蒙古髭を見ていると、おとなしくまっている方がよさそうだった。

門番がちいさな腰掛けを貸してくれた。門の脇に座ってもいいという。男は腰を下ろして

待ち続けた。何年も待ち続けた。その間、許しを得るためにあれこれ手をつくした。 

くどくど懇願して門番にうるさがられた。ときたまのことだが門番が訊いてくれた。

くにのことや他のことをたずねてくれた。とはいえ、お偉方するような気のないやつで 

おしまいには、いつもまだだめだと言うのであった。 

たずさえてきたいろいろな品を男は門番に、次々と贈りものにした。その都度門番は 

平然と受け取ってこういった。

 

「おまえの気が済むようにもらっておく。何かしのこしたことがあるなどと思わないように

だな。しかしただ、それだけのことだ」

永い年月のあいだ、男はずっとこの門番を眺めてきた。ほかの番人のことは忘れて

しまった。ひとりこの門番が掟の門の立ち入りを阻んでいると思えてならない。彼は、

身の不運を嘆いた、初めの数年ははげしく声を荒げて、のちにはぶつぶつとひとり

ごとのように呟きながら。 

 

そのうちこどもっぽくなった。永らく門番を見つめてきたので、毛皮にとまったノミにも

気がつく、するとノミにまでお願いだ。この人の気持ちをどうにかしてくれ、などと

たのんだりした。そのうち視力が弱ってきた。あたりが暗くなったのかそれとも目の

せいなのかわからない。いまや暗闇のなかに燦然と掟の戸口を通して、きらめく 

ものがみえる。命が尽き欠けてきた。死のまぎわに、これまでのあらゆることが 

凝結して一つの問いとなった。これまでついぞ口にしたことのない問いだった。

からだの硬直がはじまっていた。もう起きあがれない。すっかりちぢんでしまった男の

上に大男の門番がかがみこんだ。 

「欲の深いやつだ」

と、門番は言った。

「まだ何が知りたいのだ」

「誰もが掟を求めているというのにーー」

と、男は言った。

 

「この永いあいだどうして私以外誰一人中に入れてくれといってこなかったのです?」 

いのちの火がきえかけていた 。うすれていく意識をよびもどすかのように門番がどなった。 

「ほかの誰一人ここには入れない。この門は、おまえひとりのためのものだった。

さあ、もうおれは行くここを閉めるぞ」

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

ご意見はこちらから

工場長の仕事TOPへ

JA8MRXのHP TOPへ

表紙イメージ 河岸宏和への質問



ご質問はこちらに

「食品販売の衛生と危機管理がよ~くわかる本 」

「図解入門ビジネス 最新食品工場の衛生と危機管理がよ〜くわかる本」

『“食の安全”はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実』 

『ビジュアル図解 食品工場の点検と監査 』

『ビジュアル図解 食品工場の品質管理』 

『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』