========================================食品工場長の仕事とは===

■■   中国毒インゲン、メラミン事件から学ぶ事

■■■                           2008年10月18日発行 

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おはようございます。河岸です。

10月25日 東京杉並保健所主催の講演の詳細が決まりました。

 是非、無料なので参加してみてください。

 内容は食品表示について詳しくお話しします。

   ・賞味期限・消費期限について

   ・食品表示について

     鮮魚、精肉、青果の具体例について

  現状の問題点と消費者がどうあるべきかをお話しします。

http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/suginami8.htm

 

杉並区の広報(10月1日号)には掲載されました。

(7ページの催しのトップ)

http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/sg1863.pdf

 

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今週のお勧めの本です。

食品と甘味料 (光琳選書 7) (単行本)             伊藤 汎 (編さん)

光琳選書の7巻目です

 甘味は食品にとって非常に大切な味の一つです。甘味は甘さを加えるだけ

でなく、保存性も左右します。砂糖を加えることで、食品の水分活性を下げる

事ができます。ジャムが代表的な食品です。ジャムが甘すぎるからと言って

砂糖の添加量を下げてしまうと、水分活性が上がってしまい、保存性が悪く

なってしまいます。

 単純に砂糖の添加量を下げるのでは無く、甘味料の種類を変えて、甘味料

自体の添加量を変えなければ、保存性を保つ事ができます。

 甘味料を詳しく分かり易く解説した本ですので、是非、開発を担当されてい

る方は手元に置いてください。

http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4771208050

 

 

安全と安心の科学 (集英社新書) (新書)           村上 陽一郎 (著)

人間のミスを防止することを考えます。

 人間の誤判断や誤操作(ヒューマンエラー)があったとしても、間違いを非

難したり、責任を問う前に、確実に起こった事の詳細をつかむ事が大切です。

 事実をきちんと把握して同じ事を再度起こさないためにどうしたらいいのか、

そのために必要な、fool-proof、fail-safeの仕組みを作り上げる事が大切

なのです。

 日本人はミスを犯すと、ミスをした人を責めてしまいますが、何故ミスを犯

してしまったかを、組織的に議論して、ミスを再度起こさない事を組織として

考える事の重要性を教えてくれる一冊です。

http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/408720278X

 

 

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 中国毒インゲン、メラミン事件から学ぶ事

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何故メラミンが混ぜられてしまうか

 何故、家畜の餌にまでメラミンが混ぜられてしまうのでしょうか。

 家畜の飼料は「可消化養分総量」(かしょうかようぶんそうりょう;

Total Digestible Nutrients; TDN)で評価されます。TDNのうち、粗蛋白質;

CP(Crude Protein)の測定を行って、飼料の受入検査を行っています。

 飼料に含まれるたんぱく質の分析は、通常「ケルダール法」で行います。ケル

ダール法は、国際的に使用されていますが、窒素量の測定値に一定係数を掛

けてたんぱく質の含有量を求めます。

 食品もしくは飼料中に窒素量の多く含まれる化学物質を混入すれば、検査で

たんぱく質量が基準値に達するという偽造が簡単にできてしまいます。

 粗蛋白質;CPは、家畜の成長段階に寄って、必要な値が変わってきます。今

回の採卵用の鶏であればCPは16%程度の餌が必要になります。

 餌の蛋白質の値を上げるためには、蛋白の多い配合にすればいいのですが、

安易にメラミンを混ぜることで、餌の蛋白量が増えるので、餌の受入検査を通過

してしまいます。

 餌に混ぜられたメラミンは鶏の体を通過して、タマゴにまで出てしまいました。

検出されたメラミン量は非常にわずかですが、今後、家畜の飼料に含まれたメラ

ミンが様々な畜産物に出てくる可能性があります。

 

 

餌までの管理が必要です。

 食品工場で使用している原料はトレース出来ることが求められています。

 トレーサビリティー とは、(Traceability;追跡可能性)、日本工業規格(JIS Z9900)

ではトレーサビリティーとは「その履歴、使用または所在を、記録された識別によっ

てたどる能力」と定義されています。

 タマゴであれば、トレース、どこまで遡れることが出来ればいいか考えるときに、

タマゴが産まれた農場まで遡ることが出来れば良かったのですが、餌にメラミンが

混ぜられる可能性があるとすると、トレースバックは、鶏が食べている餌まで遡るこ

とが出来ることが必要になります。

 農産物なら「種」まで遡れること。

 畜産物なら「餌」まで遡れること。

 この二つが必要な時代になってきたのです。

 

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中国製食品:乾燥卵にメラミン エサに混入か−−三井物産輸入

 三井物産は16日、中国から輸入した粉末状の乾燥卵から化学物質「メラミン

」が最大4・6ppm検出されたと発表した。納入先の卵加工会社から製パン会

社が購入し、菓子パンの材料に使用。消費者に販売された。ニワトリのエサに

メラミンが混入したことが原因とみられる。エサを食べたニワトリの卵からのメラ

ミン検出は初めて。

 三井物産によると、今年9月に約20トンの乾燥卵を輸入し、卵加工会社のキ

ユーピータマゴ(東京都調布市)に納入。うち400キロを製パン会社に販売し、

10月上旬、菓子パンの材料に使われた。菓子パンの大半はスーパーなどで

販売されたとみられる。菓子パン4種類を検査したところメラミンは検出されな

かったという。残る19・6トンは三井物産が回収し、返品または廃棄する。

 鶏卵を乾かして粉状に加工した乾燥卵は、パンや菓子、ホットケーキ粉など

の原材料に使われる。07年度に3368トンが輸入され、このうち約8%に当た

る約265トンが中国製。

 三井物産は「メラミン問題は認識していたが、エサへの混入までは想定して

おらず、リスク管理が甘かった」と釈明している。【森禎行】

毎日新聞 2008年10月17日 東京朝刊より引用 

 

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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