========================================食品工場長の仕事とは===
■
■■ メキシコの衛生状況について
■■■ 2006年5月28日発行
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
おはようございます。
河岸です。海外に行くと様々な感染症を気にしないといけません。でも、現地の
フルーツを食べたり、地元の方しか入らないような食堂に入ったり、言葉の
通じない食堂で、隣の人と同じ物を食べたりするのは、海外旅行の醍醐味です。
その時に、自分の責任と思って、自分の食堂を見る目をもって行動することが
大切ですね。そんなお話です。
=============================================================
先入観と自分の目とどちらを信じますか
最近の景気の回復は海外旅行を盛んにしています。2006年のGWも非常に
多くの方が海外に出かけられたと思います。海外旅行に行くというと、いろいろ
な方が注意をしていただけます。一番代表的な注意は、「現地では生水を飲ま
ないように。」「氷を入れた飲み物は飲まないように。」「野菜サラダの様な生野
菜は食べないように。」等と言った注意はよく受けます。私も毎年の様に海外に
行きますが、今年はメキシコに行ってきました。メキシコの現地で受けた注意の
一番は、やはり水は必ずペットボトルの水を飲むように注意を受けました。メキ
シコの旅行本を見ていると、レストランの紹介のところで私の所は非常に衛生的
で安心して食事がとれますと、書いてあります。生ものが危ないという事を逆手
にとって、自分のお店の特徴にとらえているようです。何年か前に中国で食事を
したときも、同じような光景を見ることが出来ました。料理を取り分ける小皿、お
茶を飲む湯飲みなどを、お客さんの座っている食卓の目の前で、熱い熱湯の中
から小皿、湯飲み箸などを取り出すのです。すなわち「私たちは、殺菌をきちんと
して非常に衛生的ですよ」と目の前で食器を熱湯から取り出すことで訴えている
のです。
世間の評判は、従業員から始まります。
総菜工場、サラダ工場など目先の品質管理が製品の本質に繋がる場合があり
ます。コンビニエンスストアでよく見ることが出来る、レタスを洗ってそのままカップ
に詰めるカップサラダなどはその代表と言えることが出来ます。自分たちが造った
カップサラダを従業員の方が安心して買うことが出来るかどうかが衛生状態を表し
ます。「家では食べてしまうような、葉っぱまで選別して捨ててしまうんだよ」「レタ
スの葉を一枚一枚丁寧に手でちぎれと言うんだよ」「手の洗い方は本当に丁寧に
しないと工場に入ることが出来ないんだ」「床に落とした物は自分では拾ってはい
けないんだよ」などと言った評判もあれば、「家じゃ捨てる外葉まで入れれって今
度の工場長は歩留ばっかり言ってあんな工場の物は食べたくないんだ」「工場に
入るときに手を洗っていたら。そんなに丁寧に洗っていたら、手洗い場に行列が
出来てしまうだろ」「細菌数が多いと言って塩素濃度を上げてしまって、あんな薬
くさいレタスは食べたくないよ」などといった声も聞くことができます。
一夕一朝で評判はあがりません。
メキシコ、中国の衛生状況、工場の従業員の方が自分の工場の物を買っても
らえるかどうか。この双方とも一夕一朝に作り上げることはできません。2008年
にオリンピックを開催する中国では次のような報道がされています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【中国】北京:路上の「たん吐き」は「自分で後始末を!」
北京市は今年、路上の「たん吐き」の取り締まりを強化する。「たん吐き」を見つけ
た場合は、本人に掃除を強制することも検討しているという。08年の北京五輪開催
に向けた、市民の公共衛生意識を高めるための活動の一環。19日付で新華社が
伝えた。
北京市では現在、路上の「たん吐き」を禁止しており、20−50元の罰金を科して
いる。しかし、違反する人が多い上に、罰金を支払わない人がいるため、効果が
現れていないのが現状だ。
首都文明弁行室の張彗光・主任によると、「たん吐き禁止」を明記したゴミ箱を、
市内の主要道路脇や公共場所に設置するほか、一部には「たん吐き袋」を用意。
吐いたたんを紙に包んでゴミ箱に捨てる、もしくは袋にたんを吐くのが「文明的だ」
と市民に呼びかけるという。
違反者が罰金を払わない場合は、本人に清掃用具を渡して、たんを吐いた周囲
を掃除させることも考慮しており、ごみのポイ捨て、ペットの排泄物放置に対しても、
同様の措置をとる方針だ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
衛生的な基本を繰り返し繰り返し行うこと
衛生の向上に近道はありません。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。