========================================食品工場長の仕事とは===
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総合衛生管理製造過程について■■■ 2007年12月1日発行
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おはようございます。河岸です。本日は嬉しいお知らせが有ります。私のメル
マガ『食品工場の工場長の仕事(0000100977) 』が、まぐまぐで開催してます
『まぐまぐ大賞2007』の【教育・研究部門】にノミネートされました。是非、皆様
からの投票をお願いします。
−−−−−下記はまぐまぐ!からのお知らせです。−−−−−−−−−−
『まぐまぐ大賞2007』は、今年最も輝いたメールマガジンを
読者さんの推薦と投票により決定する、年末恒例のビッグイベントです!
11/14より、メルマガ読者のみなさんに
“今年もっともおもしろかったメルマガ”をご推薦いただきました。
その後、弊社スタッフによる第一次審査を行い、
ノミネートメルマガとして選ばれております。
大賞、各賞は 、11/28〜12/10(10:00)までの、読者さんからの投票で
決定いたします。メルマガの読者さんにもぜひお知らせください。
『まぐまぐ大賞2007』の投票先です。
http://www.mag2.com/events/mag2year/2007/
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今週のお薦めの本です。
豚肉が消える―差額関税が日本の食卓を破壊する (単行本)
食肉の輸入制度・流通を考える会 (編さん)
豚肉の関税について学べます
加工豚肉のほとんどを輸入に頼っている日本の肉事情と、豚肉にかかって
いる関税の不条理さが理解できる本です。せっかくの本なのですが、一回
読んだだけでは分かりづらいのが欠点です。仕事で豚肉の輸入を取り扱う
方は一読してみてください。
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4828413618/250-4889569-1797033
食の世界地図 (文春新書) (新書) 21世紀研究会 (編集)
新書で得られる知識を超えています
世界の中では、なんでも感でも赤いちょろぎを添えれば日本食になるなどの
信じられない食の知識が詰まっています。
四つ足は机以外ならなんでも。。。中国人はなんでも食べるということわざ
です。実際SARSの時は中国人がハクビシンを食べているのが感染源と報道
された程です。食に関することわざが多く解説されています。
巻末の世界料理小事典はこれだけでも価値があります。
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4166603787/250-4889569-17970337
たまにはアニメ映画でもどうぞ。
レミーのおいしいレストラン 監督: ブラッド・バード
ネズミの習性が学べます
ネズミがこんなに簡単に壁を登ったり、倉庫に侵入することを学べます。アニ
メの世界だけでなく本当にクマネズミはちょろちょろレミーの様に走り回って
簡単に壁を登ります。
二つめは、レシピーに頼ることなく自分の感性で料理を造ることが相手を
感動させることです。レシピーレシピーと頼りがちですが、自分の五感を頼りに
料理を造った方が相手に伝わることを教えてくれます。
単純に楽しめる映画です。
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/B000W494A6/250-4889569-1797033
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総合衛生管理製造過程について
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HACCPより複雑な制度です。
総合衛生管理製造過程(そうごうえいせいかんりせいぞうかてい、通称はマル
ソウ、マル総、丸総)は厚生省が HACCPの考え方を取り入れてつくった食品の
安全管理の認証制度です。
現在、容器包装詰加圧加熱殺菌食品(缶詰、レトルト食品など)、魚肉練り製
品(かまぼこ、はんぺんなど)、乳・乳製品、清涼飲料水、食肉製品がこの認証
項目となっています。
本来HACCPは食品の危害を設定し危害が毎日監視され、現場で守られてい
るかを繰り返し毎日毎日行っているかを組織的に行う制度になっているのでマ
ル総とは少し内容が異なります。今回メルマガの読者の方でマル総の監査を
経験している方からメールをもらいましたので参考にして見てください。皆さん
からのメールをお待ちしています。
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さて、今の時点で、マル総 監視のメリット、デメリットについて所感を述べさ
せていただきます。
●メリット
とにかく、工場全体の衛生管理に関する意識が高まります。良い意味でも、
悪い意味でもです。
●良い意味
工場幹部(当工場では主任クラス)が、とにかく衛生管理向上に向けて動き
始めます。合同5Sパトロールを起点とする だれいつ衛生改善活動の始動、
現場の女の子も巻き込んだ改善推進。すごいものですね。工場が一丸となっ
て安全・安心に向けての活動に走り始めます。当然、お客様からのクレーム
は無くなってしまいます。
●悪い意味
年配の現場従業員が会社に対する不満、会社の悪いところを会社にぶつけ
てきます。
製造は変化し続けます。5S管理にしろ、製造品目にしろ、ライン構成にしろ、
変化しなければ、食品製造自体が成り立ちません。常に現場は変化してい
ます。
うまく変化しないと赤福や船場吉兆みたいになってしまいます。
今回のマル総 監視については2つの大きな課題があります。
1 冷却工程(CCP←今は冷却工程はCCPではありえない事が数々の事例
によりハッキリしています)のCLの変更
工場の冷却工程(CCP)のCLは 「冷却直後の製品中心温度が10℃以下で
ある事」です。でも私の工場は厚生局の進言もあって、これを20℃以下に変更
しています。HACCPミーティングでデータや文献内容については情報の共有
化を図っっておりますので、現場も十分に理解して運用しています。OLは10℃
以下です。
マル総の規定の中では、CCPに関わる変更については変更申請が求められ
ていますが、私は申請に対してはなんにも(いくらかは準備していますが)やっ
ていません。申請にあってはお金もかかりますし、上に対して稟議書も書かな
ければならず、そんな煩わしい事は私はやっていられないので やってません。
2 蒸し加熱製品ラインの新設
以前から私の工場には連続蒸し機があり、マル総の承認申請時にもこれを含
めて申請し、承認を受けています。今年から連続蒸し機の位置を変更し、製品
を製造しています。十分に危害分析をHACCPミーティングで行い、安全性を
確保した上で、製造を行っています。
これについてもマル総では追加申請を求められます。
煩わしいんです。申請が!お金もかかるし、稟議書の書き換えも上司から言
われるし
今回の監視では上記2点の問題が出てくると思います。
私は、営業もやっていた事があるので、交渉事が大好きです。相手の顔色を
見ながら交渉し、私のペースに引き込み、私の売りたいモノを納得させるのが
大好きなのです。達成感がありますから。
ですので、今回の監視にあっては
3年に1回の更新で、変化し続けた経緯については新旧対照表で表現するか
ら、追加だ、変更だ、の事象についてはチョット待ってくれ、と交渉をしようと思
ってます。
国を相手にして、そんな事はアマイ事だとは重々認識しています。でも交渉し
てみます。
製造、改善は現場主導です。これは間違いなくソウです。あとは品質管理部
門が常に監視を行い、異常だと思えば工場長に報告すれば良いだけの話です。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。