==================================食品安全教育研究所発行=

■■  お客様のクレームを贈り物と思う対応
■■■                  2015年2月1日発行 
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おはようございます。河岸です。
 クレームの対策で1月もあっという間に過ぎてしまったと思います。
 2月はクレームから学んだ事を是非、商品開発に生かしてみませんか。
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お客様のクレームを贈り物と思う対応
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声を上げてくれる方を大切に

 「クレームは仕方ないんだよ。きちんと対応さえして
おけばいいんだ」と食品工場でのクレームは必要悪と考
えている方も多いと思います。
 クレーム専用の対応者を営業と称して雇用している工
場もあると思います。
 しかし、私はクレームは最高のお客様からの贈り物と
考えています。
 あなたの誕生日に大好きな方から贈り物を贈られたと
したらあなたはなんと言う言葉が口から出てきますか。
 私は「ありがとう」この言葉しか思いつきません。
 お客様からのクレームを頂いたときも、お客様からの
最高の贈り物を頂いたと思って「ありがとう」と心から
思うべきだと思います。
 クレーム対応を親身に行う事で「クレームをつけて良
かった」とお客様に思って頂きさらなる工場のファンに
なって頂くことも可能です。
 お客様と話すことにより新商品のヒントになる場合も
あります。
 クレーム品に声を出さずに黙って去って行く方がほと
んどであることを考えれば、クレームを付けて頂いた方
に対して心からお礼を言いたくなると思うのです。
 私が製造工場で経験したクレームでも必ずクレーム品
と判る事例が何度もありました。
 一つ目は包装を開けた時点で異臭がする商品を出荷し
てしまったクレームです。
 もう一つは色が通常の出荷している商品と全く異なる
商品を出荷してしまった事例です。
 どちらの事例もお客様からクレームを頂き保管検体、
原料などを調査すると、出荷してしまったロットがすべ
てクレームになりうる商品でした。
 しかし、3000パック以上出荷していたにも関わら
ずクレームを頂いたお客様はどちらの場合もたった一人
の方でした。
 私の経験からは、異常のある商品を購入し、食べられ
たお客様が電話を掛けてこられたり、クレームを付けて
いただけるのは3000人に一人の割合ではないかと思
っています。
 3000人にたった一人の方が会社の事、工場の事、
商品の事を考えてわざわざクレームというプレゼントを
贈ってくれるのです。
 あなたは大切な方から贈られた贈り物をもらったら直
ぐに捨ててしまう事は無いと思います。
 花を贈られたのなら大切に花瓶に生けて楽しみ、ドラ
イフラワーにして大切に保管するかもしれません。
 写真に撮って毎年写真を見て楽しむのかもしれません。
あなたの頭の中でいつも思い出して大切な思い出にして
いるのかもしれません。
 贈られたプレゼントはあなたの記憶に何時までも残る
事になると思うのです。
 食品工場に贈られたプレゼントも、何時までも何時ま
でも従業員の心の中に残すことが必要なことだと思いま
す。

 

社員教育に盛り込むこと

 2000年に食中毒事故を起こした雪印乳業は実は1955年
にもエンテロトキシンによる食中毒事件を起こしていま
した。
 当時の社長は全社員の前で「信用を獲得するには長い
年月を要し、これを失墜するのは一瞬である。そして信
用は金銭では買うことは出来ない。」と訓示しました。
 訓辞の内容は毎年毎年新入社員にも配られたそうです。
 しかし、昭和61年以降の新入社員に訓辞の内容を配
布することは無くなったそうです。
 そして、2000年にまた同じ原因で食中毒事件を起こし
てしまったのです。
 食品期限の偽装報道は毎日の様に報道されています。
期限を過ぎた食品を使用してしまうなどと言った、食品
事故の多くは過去に同じような事故を必ず起こしている
企業があるのです。
 市場回収などを行った場合は必ず社員教育に盛り込み
同じ過ちを繰り返さないことが大切です。
 雪印乳業も、教育を毎年毎年繰り返していれば、停電
で温められた牛乳が放置されたときに「エンテロトキシ
ンが発生するかも」と思う従業員の方が必ずいたと思う
のです。
 自分たちの起こした食品事故を忘れないようにするこ
とも大切ですが、他の企業が起こした食品事故を学ぶこ
とで、私達は常に市場から追放されないように常に
「他山の石」から学ぶ必要があるのです。
 決して、他の企業が起こした事故を対岸の火事として
みていてはいけないのです。

 社員教育にお客様からのクレームを生かすことが大切
だと思います。
 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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