==================================食品工場の工場長の仕事とは==

■■  クレーム発生から受付まで
■■■                  2013年6月2日発行 
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
おはようございます。河岸です。
 クレームはお客様からのプレゼントと思わなければならないのです。
 贈り物を頂いたときに最初に出る言葉は、「ありがとうございます」
だと思います。連絡をありがとうございます。ここからがクレームの
第一歩だと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●河岸宏和の札幌無料セミナーの案内です。
「食品表示法」をきっかけにお客様からみた表示とは何かを考える
日程2013年6月12日(水)
時間14:45〜16:15
会場 サッポロファクトリーホール
 札幌市中央区北2条東3丁目
 http://www.ussol.co.jp/event/fair2013/index.html


・食品工場の参考になる本  
   http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102
・中食・外食で参考になる本 
   http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22
  
==========================================================
★☆ ====================
 クレーム発生から受付まで
===========================
 クレームはお客様からのプレゼントと考え誠意をもって対応す
る必要があります。
 お客様からのクレームの中には、商品クレームだけでなく、HP
からの問い合わせなども含まれます。せっかくお客様が問い合わ
せて来たのに、回答せずに放置してしまうとせっかくのお客様が
他の会社に逃げてしまうことになります。 
 ネット上の情報、たとえばTwitter上でも検索システムをつかっ
て自社のつぶやきを検索し対応することが大切だと思っています。
 クレーム、お客様の問い合わせについては、責任者自ら最優先
で取り組むことが必要になります。JR東日本の社長は、朝起きる
と携帯メールで必ず電車の運行状況を確認するそうです。
 クレーム発生時は必ず関係者での情報の共有化が必要です。上
司から「あのとき言ってくれれば解決出来たのに」とあとから言
われることの無い仕組みづくりが必要です。
 クレーム等のデーターベースを活用して「その後、私の異物混
入の原因はわかりましたか?」と尋ねてきたお客さまからの問い
合わせに直ぐに答えられるような体制を取る必要があります。お
客さまからの問い合わせに対応が悪いと二次クレームになってし
まいます。

1クレームの受付

 クレーム受付簿に発生日、時間を記入します。クレームの受付
電話は出来れば専用の電話で転送を行わずに対応をします。記録
を残すために録音できるようにしておきます。
 クレーム専用電話での対応は、電話に出る方が対応する心の準
備が出来るのと、代表電話でクレームの受付を行い、電話を受け
付けてから関係者に転送する間にお客様が待たされいらいらする
ことも防ぐ事ができます。
 商品の問い合わせについても、クレームと同様に取り扱い、回
答までの期日を明確にします。

2クレーム受付表記入

 クレームの受付表を記入します。クレームは受付と同時に、関
係者へ携帯電話メールで一報を連絡します。
 金属クレーム、食中毒クレームなどの重大クレームに関しては、
随時対応状況をメール配信し状況の共有化を行う必要があります。

3原物の回収
 24時間以内にお客様と直接会い、クレーム現品の回収を行い
ます。クレーム品の回収が遅れてしまうと、クレームが大きくな
場合があります。毛髪などのクレームの場合は、お客様に郵送な
どの送付をお願いする場合がありますが、私は、クレーム品は直
接回収に行くべきだと思っています。お客様と顔を合わせるのが
基本の基本だと思っています。
 クレーム品を回収するときには受け取り表を作成して、「検査
の場合は破壊する場合があります」と言った注意点をあらかじめ
記入しておき、お客様にサインをもらって置く必要があります。
 自社の研究室で分析するか、第三者の分析機関で分析し報告す
るかを伝え、お客様に了承をとります。
 この手続きを怠ると、異物の現品をお客様に返却して欲しいと
言われたときに、トラブルの要因になってしまいます。
 金属が入っていたとクレームになり、現物を確認したところ、
歯の詰め物の場合があります。歯の詰め物の場合はお客様の歯の
場合がほとんどですので、破壊検査を行ってしまうと二次クレー
ムになる場合があります。

4原因分析

 再発防止策を考えるための原因分析を行います。単独のクレー
ムかロット不良で他にも不良品が市場に出ているかを直ぐに判断
することが必要です。
 金属混入クレームで、ボルトなどの確実に単独クレームと判断
出来ない場合は拡散性があると言うことで対象ロットの市場回収
を実施します。

5 再発防止策検討
 短期で出来ること、中期、長期と分類して考えます。
 短期は48時間以内に行うことが大切です。
 中期、長期についても計画はクレーム発生から48時間以内に
行うことが大切です。
  

6 お客様への報告
 現場で直ぐ出来ること、少し時間がかかる対策について十分な
対策を、練って、直ぐ出来ることを実施してからお客様に報告し
ます。近隣の住民の方からの騒音、異臭などのクレームは対策を
実施し、定期的に近隣のお客様のフォローを行います。
 クレーム以外の問い合わせに関しても受付からの回答期限を事
前に決めておくことが必要です。
 私は長くても2週間以内に回答を行うことが必要だと思ってい
ます。

7 クレーム受付表の記入終了
 クレーム情報は図書館の様に誰でもが活用できるようにします。
 クレーム、問い合わせなどはお客様からの贈り物です。お客様
からの意見の中には新商品開発のヒントが含まれています。クレ
ームは開発部門にとってもアイデアの山になるはずです。

8 毎週の報告
 毎週月曜日先週のクレーム実績、問題点を経営層に報告します。
毎週の報告が大切です。
 毎週クレーム、お客様からの問い合わせの進捗表を作成し、放
置されてしまっているクレームが無いか確認が必要になります。

第三者の目での確認が必要
 クレームの発生から受け付け、お客様対応、歯止め策までの流れ
が、適切に流れているかどうかの、監査が必要です。
 お客様からの問い合わせに対して放置された状態になった時にど
なたが気がつくべきか明確にしておくことが必要です。 
 

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

ご意見はこちらから

工場長の仕事TOPへ

JA8MRXのHP TOPへ

Twitter http://twitter.com/ja8mrx facebook  http://www.facebook.com/ja8mrx
食品工場で参考になる本 飲食店で参考になる本

河岸宏和(かわぎしひろかず)の本が揃っています。