========================================食品工場長の仕事とは===

    クレームの教育について


正確に正直に情報を公開することが大切です。 

 

 食品事故は、新聞の三面記事を見ていても毎日の様に発生しています。

工場のクレームも小さい物まで含めると毎日の様に発生していると思います。

クレーム情報は、フイルターを通さずにトップに伝えることが大切です。クレームが

多すぎるからとか、こんな小さな情報まで伝える必要は無いとかでフイルターを

都合良く通す場合がありますが、お客さまの情報は全て正確に公開する必要が

あります。社内の情報の他に他山の石の情報として、世の中の話題が必要に

なります。原材料はグローバルで手配している場合がありますので、SARS、

インフルエンザの流行でも工場に影響が出る場合があります。社内クレーム、

世の中の情報を纏め、従業員全員に正確に公開する必要があります。パソコンを

用いれば全てのデーターを入力して必要な時に取り出せます。この入力をどんな

小さなクレームでもデーターベース化することが大切です。

 

 入力の前に作為的に、データーを選んで正確な行動はできないと思います。

社内の情報を正確にデーターベースに入れるためには、クレームと判断して

そのデーターを入れるか入れないかのデータにフィルターをかける作業を行わない

ことです。このクレームはお客様の勝手な思いこみだからとか、このクレームは

クレームじゃないんだと決めつけているケースもありますが、受け付けた総件数を

素直に受け止めることが大切だと思います。

 

現在の工場のできばえを数字で公開し、数字を素直に受け止め教育します。

 

 層別したクレームのデーターを昨年比、先月比などで、現在の工場の置かれている

状態を公開します。この置かれている状態が悪くなっているか、昨年より良くなって

いるかが大切な点になります。結果として良くなっていれば安心できますが、結果と

して悪くなっていれば、教育を行う必要があります。教育は層別で行った方が、効果が

上がりますので工程毎、入社年度などで、現在の工場の状態に応じて品質に関する

教育を行います。小さなクレームが増えてくれば、ハインリッヒの法則で大きクレームが

何時かは起きてしまいます。工場長などの責任者は、数字を素直に受け取って、適切な

教育を行う必要があります。

 ハインリッヒの法則http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/hainnrihhi_83.htm

 

 

働く人が自分で食べないものを造らないことです。

 

 クレームが発生した場合は、発生の事実を関係する従業員に伝え、作業を止めてでも

話し合うことが必要です。大きなクレーム、会社の存在を左右するクレームほど、従業員に

隠してしまいますが、どんな事も正直に公開し、「おのれの欲しざるところは、人に

施すことなかれ」と言う言葉があるように、食品工場は自分たちが食べないものを

つくったり売ったりしないでほしいと思います。

 

 2005年のゴールデンウイーク前に起きたJR西日本の事故でも改善策として、事故が

起きたときは、携帯電話のメールで一斉に社員に配信すると対策案を上げています。

できればあなたはこのメールを受け取った時に、なになにをしなさいまで書いてあると

ボーリングにいったり、カラオケに行ったりしないと思います。

 

 ホチキスの針があなたの工場で製品に入ったときに、作業を工場の中の方が

全員が手を止めて、工場の作業場の中にある書類にホチキスの針が入っていないか

確認したり、異物混入の可能性になるものはないか、10分でも行えば、工場で

働く方のクレームに対する意識レベルは、どんどん上がっていくと思います。

 

 「ホチキスなんて入るわけないよ」

 「またはいったか、しょうがないな」

 「作業を止めてチャックしなさい」

あなたの一言で工場は大きく変わります。

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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表紙イメージ 河岸宏和への質問



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