==================================食品安全教育研究所発行=
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■■ クレーム品の分析について
■■■ 2015年2月7日発行
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おはようございます。河岸です。
異物クレームの分析業者がパンク状態になっているようです。
簡単な異物でも、分析業者に出してしまっているからかもしれません。
一方、お客様への回答はクレーム受付から48時間以内には回答したい
ものです。虫の名前、ビニール類が工場の中にあるかどうかなどは、
自社で回答ができる能力を上げるべきかもしれません。
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クレーム品の分析について
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発生原因の追及が必要
クレーム品は必ず分析を行います。
クレームの再発防止には、分析して再発防止策を立てる
必要があります。
食品のクレームは、腐敗クレームと、異物混入クレーム
に大別されます。腐敗クレームは腐敗菌によるものと、化
学薬品の混入による異臭クレームになります。
異物混入クレームは、金属異物、樹脂異物、生物異物に
分けることが出来ます。
クレーム品を回収して分析するためには、現品を破壊検
査する必要がありますので、お客さまに対して、分析のた
めに現物を破壊検査する旨と、どこで分析するか明確に伝
える必要があります。
自社の研究室で分析するか、第三者の分析機関で分析し
報告するかを伝え、了承をとります。この手続きを怠ると、
異物の現品を返却して欲しいと言われたときに、トラブル
の要因になってしまいます。
原因追及が出来る分析
工場内で出来る分析は、顕微鏡で写真を撮ります。顕微
鏡が無くてもデジカメ等で必ず写真を撮ります。
分析結果も言葉だけではなく写真が有った方が、お客さ
まに対して説得力が出てきます。腐敗菌は、菌の同定試験
を行い工場内の菌種、原料の菌種と比較することによって、
どこの工程が問題で腐敗したか突き止めることができます。
工場で簡単にできる検査にカタラーゼ検査があります。
昆虫、人毛など生体反応の有る物は、加熱工程以降に混入
すると、生体反応がありますから、過酸化水素を入れた試
験管などに、昆虫を入れると泡がでます。この泡が出ると、
加熱工程以降で混入したことになります。完全包装で、殺
菌されている場合は、お客様の所で混入した可能性が高く
なります。金属異物については炎色反応で確認することが
できます。これは、金属の種類によって、バーナーにあて
たときの炎色が異なることで異物金属の推定ができます。
工場内で異物等の同定が出来ると、お客さまに対して非
常に早く回答が出来ますが、異物を破壊してしまいますの
で、第三者の検査機関でクレーム品を分析して、証明書を
報告書に添付する場合が増えてきました。分析機械は高価
で毎日のメンテナンスもしっかり行わないと、分析精度が
上がりませんから、こういった第三者の分析機関に異物等
の分析を集中する傾向はますます増えてくると思います。
通常の分析機関では、臭いについては、ガスクロマトグ
ラフィーを使用し、化学薬品混入の異臭の場合も、原因物
質の推定が可能です。金属異物、樹脂異物も蛍光エックス
線分析、赤外分光分析機を使用することで異物の材質を確
定できます。
分析を出すときは必ず、工場内の考えられる異物と同じ
材質を何種類か同時に分析に出します。そうする事で、原
因物質を確定することが出来ます。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
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