==================================食品安全教育研究所発行=

■■  クレーム分類について
■■■                  2015年4月18日発行 
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おはようございます。河岸です。
 今週発売の女性セブンに美味しいお店についてコメントしています。
カラーページですので是非 手に取ってみてください。
 http://www.news-postseven.com/archives/20150417_316986.html

今週発売の週刊文春「ベストセラー解剖」に
「「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます」が紹介されて
います。

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・食品工場で便利な備品
 http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22?_encoding=UTF8&node=16
 青いラップなど便利な備品です。

・食品工場の参考になる本  
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・中食・外食で参考になる本 
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クレーム分類について
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毎年比較できるようにする事

 食品工場は髪の毛が入っていたというクレームの他に、
従業員の残業がつかない、採用基準がおかしい、工場で
使って居る原料のニワトリの育て方が虐待だのような動
物福祉に関するクレームもあります。また、近隣の方か
ら原料を運んで来ているトラックの運転が荒い等と言っ
たクレームも入ります。

食品工場のクレームは大きく分けると4種類になります。
 1.食品衛生に関するクレーム
 2.従業員の労働環境に関するクレーム
 3.動物福祉に関するクレーム
 4.環境問題に関するクレーム
 
 工場でクレームを受け付ける場合は、動物福祉に関す
るクレームは真摯に受け止めない場合がありますが、工
場で使用している原料がどのように飼育されてきたかは
確認しておく必要があります。
 食品衛生に関するクレームは大きく6種類に分けるこ
とができます。
 物理的危害(physical hazard)、化学的危害
(chemical hazard)、生物的危害(biological hazard)
、虫、ネズミなどのペストに関する危害、食品の表示ミ
ス、特定の食品アレルギー物質が入って居るのに表示が
抜けている等と言ったアレルギーに関するクレームにな
ります。

 1.物理的危害
 2.化学的危害
 3.生物的危害
 4.ペスト危害
 5.アレルギーに関する危害
 6.食品表示に関する事

 クレームの大部分を占める物理的危害に関するクレー
ムすなわち、異物混入クレームは、危害の大きさによっ
て次のように分類します。

 1.ガラス類
 2,金属類
 3,石、砂類
 4,プラスティック類
 5,紙類
 6.毛髪類
 7.その他
 毛髪は、お客様に与える物理的危害が少ないため、下
位にランクしていますが、お客様に与える精神的影響が
大きいので、食品工場では毛髪混入の対策を充分行う必
要があります。

数値化が必要
 「クレームゼロを目指す」年度初めの方針を立てると
きにクレームはゼロで無ければならないという方が必ず
出てきます。しかし、私はクレームは限りなくゼロにす
べきですがゼロにはならないと思っています。クレーム
はお客様が不都合と思って連絡してきた事ですから、工
場の商品の不都合な点、不満に思っている点を教えても
らえる物です。お客さんの思った不都合な点、不満に思
った点を改善することで、商品は更に進化すると思いま
す。
 クレームをいただけると言うことは、お客様から素敵
なプレゼントをもらった事になります。
 工場のクレームは限りなくゼロに近づけ、そしてクレ
ームは贈り物と思うことが大切だと思います。
 クレームは食品工場から出荷している出荷単位、もし
くはお客様の手に渡る単位に対しての発生率を計算しま
す。
 私が講演でよく話すことで「クレームをゼロにする一
番簡単な方法は、工場の出荷を止めることです」と話し
ます。工場からの出荷を無くすればクレームは無くなり
ます。
 方針を立てるときに、「クレームをゼロにする」と言
う方針が良くないのは、工場から出荷が無くなればクレ
ームはゼロになってしまうからです。
 工場からの出荷単位100万パックに対してクレームが
1件以下、すなわち1ppm以下の発生率が初めのハードル
になります。
 クレーム総件数で1ppm以下がきちんと管理されている
工場の目安になると思っています。
 クレーム総件数の管理をまず数値化します。生産量が
増えればクレーム数は増えますから、クレームは総件数
では無く、発生率でつかむ事が大切です。
 1ppm以下で管理されている工場であれば、件数で分析
しても大きな問題は無いと思います。
 まず、工場全体の発生件数の推移をまとめます。
 月による変動、週による変動、日、直による変動、差
が無いか確認をします。
 要因別の発生率をまとめます。
 要因の発生原因を分析してみます。
 要因の分析は4Mに分類して考えます。
1,人(Man)
2,機械(Machine)
3,材料(Material)
4.方法(Method)
 
 更に要因を工程別に分類してみる事も出来ます。

1.原料
2.下処理
3.配合
4,加熱
5.包装
6.保管
7.配送

 クレームは、樽の胴板から水が漏れているから発生し
たと考えます。
 樽の胴板の一部分に穴が開いていると、他の部分がい
くら頑丈に出来ていても穴の部分から水は漏れ続けます。
 クレームは樽の穴の部分から水が漏れているので、漏
れている工程を探し出し、ふさぐ必要があるのです。
 穴が開いているのでは無く、箍(たが)が緩んでいる
ために、水が漏れていたのかもしれません。箍が緩むと、
他部門、他工程との連動が悪くなり水が漏れてしまいま
す。
 他部門とは、ただ板同士がくっついているのでは無く、
他部門に関して少し、のりしろを持っていることが必要
だと思うのです。
 クレーム分析は、水を漏れている場所を特定できるこ
とが大切だと思います。

 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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