==================================食品安全教育研究所発行=

■■  工場監査の目的
■■■                  2014年7月26日発行 
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おはようございます。河岸です。
 私、河岸宏和の記事が掲載されています。
「中国期限切れ鶏肉事件、なぜ発生?生産・加工・販売業者に必要な
食品安全上のルールを検証 」
 http://biz-journal.jp/2014/07/post_5510.html

 昨日7月25日金曜日のセッション22、TBSラジオでコメントしました。
 中国の期限切れ食肉問題!その背景と対策を探る!
 下記から聞けます。私は25:24くらいからです。
 http://podcast.tbsradio.jp/ss954/files/20140725main.mp3

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 是非、お手元に置いてください。

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 青いラップなど便利な備品です。

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 工場監査の目的
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なんのための工場監査か
 
 スーパー等の流通主体のPB製品が全盛になってきました。
スーパーの自社のブランドをつけたPB製品の監査を行って
いる監査会社の仕事もPB商品の売り上げが増えると共に増
えて来てます。
 PB商品の工場監査の目的はなんでしょうか。「仕入れ基
準に合っているかどうか」「PBを製造するに値する工場か
どうか」言葉だけの目的は直ぐに出てくると思います。
 工場監査の監査項目を分類してみます。
 1,製造している国、出荷する国の法律を守っているか
  どうか。
 2,異物混入の可能製が無いかなどの最低の品質を守れ
  るかどうか
 3.市場回収する場合のトレースが出来るかどうか
 4.他社との差別化の品質を守っているか
 5.他社では出来ない唯一の品質を守っているか 
 

具体的に考えて見ます。
1.製造している国、出荷する国の法律を守っているかど
うか。本来は監査する必要の無い項目なのですが、「販
売する国で禁止されて居る添加物を使用している」「固
有記号の届け出を行って居ない」「原材料、添加物の表
示の順番が異なる」などと言った基本的な管理が出来て
いない工場が多いのも事実です。
 食品安全だけで無く、労働条件、動物福祉、環境問題
に関して監査を行う所もあります。

2.異物混入の可能性が無いかなどの最低の品質を守れる
 かどうか
 仕入れ基準として、「更衣室は工場内にあること」、
「金属検出器の精度の最低線を決める」、「二次殺菌の
自動記録計」など仕入れ基準を設定し、仕入れ基準に満
たない工場の製品を排除するための監査項目です。

3.市場回収する場合のトレースが出来るかどうか
 市場回収のための監査はあまり見たことがありません。
しかし、「使用してはいけない香料を使用していた」
「原料に金属異物が混入していた可能製がある」等と言
った市場改修が発生したときに、ロットの識別、市場回
収のための手続き、関連官庁との調整、コールセンター
の設置などの準備が出来ているかの監査になります。

4.他社との差別化の品質を守っているか
 PBブランド独自の基準を守っているかどうかの監査で
す。
「使用している原料はすべて国産です」「遺伝子組み換
えの原材料は使用して居ません」「保存料は使用してい
ません」などと言った項目に関しての監査です。
 「保存料は使用していません」と表現した場合に、工
場内に保存料が存在してはいけないのか、ラインが異な
れば使用して居てもいいのか、ラインが同じでも洗浄し
て使用すればいいのかの基準を設定しておく事が必要で
す。

5.他社では出来ない唯一の品質を守っているか 
  「特許取得の○○製法で製造しています」「すべて
の工程を手作りしています」等他社では出来ない製造方
法、使用原料を守っているかの監査です。


トラブル時の工場監査

 異物混入が発生した場合、膨張など品質クレームが発
生した場合の監査について考えて見ます。
 監査者は一般的に流通出身の方が行います。監査され
る側は製造出身の方が監査を受けます。監査を行うとき
には、トラブルの原因をつかみ、再発防止策が適切かど
うか、再発防止策が守られているかどうかの監査を行い
ます。
 但し、品質不良などのトラブルの場合、再発防止策が
適切かどうかの判断になります。
 監査する側に専門知識が無いと、発生原因の内容が正
しいかどうか不明の場合があります。二次殺菌を行って
居る製品が膨張してしまったとします。原因として「そ
の日使用した原料の菌が多かったので他の日は大丈夫で
す」と言った説明が工場から有ったとします。
 説明の後「了解しました」と言われる方が多いのです
が、トラブルの原因追及は必ず数字で説明を受けるよう
にします。
 「クレーム当日の菌数は○○で、他の日は○○です。
再現テストを行った所やはり、菌数が多いときは膨張し
ました。これからは受け入れ時に菌数の結果が出ている
原料を使用します」と言った数字に基づいた説明が無い
限り、納得してはならないのです。
 数字の説明であれば、詳細を理解出来なくても、数字
の大小で判断が出来るはずです。
 しかし、工場によっては数字を捏造している場合があ
ります。検査を行ってもいない細菌数を測定しているか
のように説明する場合もあるのです。
 その場合は、「細菌検査の方法を説明してください」
と話せば、説明が真実かどうかを判断出来ると思います。
 工場監査を行うときに大切なのは、監査項目に合致し
ている工場かどうかをチェックすることよりも、説明を
している相手を信頼できるかどうか、お客様に安心して、
監査先の製品を提供出来るかどうかを判断する事だと私
は思っています。

 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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